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第1章 転生と牧場のはじまり
第2話「女神様のチュートリアル」
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朝、鳥のさえずりで目覚めた悠翔──もとい、はるとは、ログハウスのベッドで身を起こした。窓から差し込む光が、昨日耕した畑を照らしている。
「……やっぱり夢じゃないんだな」
ぬくもりのある木造の部屋、手触りのある寝具、そして現れるステータスウィンドウ。全部が、昨日の続きだった。
【今日の目標】
・出荷箱に作物を入れてみよう!
・村へ行って買い物をしてみよう!
「おお、まるでクエストログ。親切仕様だな」
畑に向かい、ジョウロを手に水を撒く。早くも小さな芽が顔を出していた。
成長早っ! と思わず声が出る。スキル「癒しの加護」の効果らしい。
*
「ふむ、そろそろ出荷箱も試してみるか」
昨日報酬としてもらった「初心者セット」の中には、試し用に“栽培済み”のハーブと果物も入っていた。それを木箱の中に入れると──
【アイテムを出荷箱に入れました】
【翌朝、売上が反映されます】
【現在の所持金:50G → 出荷予測:+120G】
「おぉ……このリアルさとシステム感のバランスが懐かしい……」
手応えを感じつつ、はるとは今日のもう一つの目標、“村への訪問”に出かけることにした。
*
歩いて30分。一本道を抜けると、小川のせせらぎが聞こえてくる。
その向こうに見えたのは、こじんまりとした石造りの家々が並ぶリーヴァの村。農業と交易を基盤にした、温かい雰囲気の集落だった。
まずは目についた青い屋根の雑貨店に入る。中には背の高いカウンターと、奥から聞こえる元気な声。
「いらっしゃいま──って、あんた新人さんでしょ?」
ぱっと現れたのは、栗色の髪をツインテールに結った快活な女性。エプロン姿にレザーの手袋をはめている。
「私はマリア。行商人もやってるけど、普段はこの雑貨屋の店主ってとこかな。あんたが“牧場の新人さん”だって話、昨日フクロウが知らせてくれたのよ」
「フクロウ……ああ、昨日の配達のやつ」
「そそ。便利だけど、機嫌損ねると一週間スト起こすから注意してね♪」
どこかゲームっぽい世界観に安心しつつも、リアルな生活感に不思議とワクワクしてくる。
マリアは棚からいくつかの商品を取り出してきた。
「初心者向けに、うちで特価セット用意してるのよ。今日は特別に“知り合い割引”でいいわよ?」
マリアはウィンクしながら、小麦の種×5、にんじんの種×5、カゴ、作業手袋のセットを差し出した。
【雑貨セットA:通常価格120G → 特価80G】
「うん、じゃあこれください!」
「まいどあり! あんた、いい表情してるねぇ。ここに来たばかりとは思えない」
そう言って、彼女はさりげなく追加の情報を教えてくれた。
「そうそう、村の西に鍛冶屋のガイルってのがいてね、家畜小屋とか道具の強化も引き受けてくれるわよ。村の人とも仲良くするの、大事よ~?」
──ここで、ステータス画面が自動で更新される。
【新エリア:リーヴァの村 発見!】
【親密度システム解放】
・村人と仲良くなると、特別なイベントが発生します
・一定以上の親密度で“恋愛ルート”に進展可能!
「まさかの恋愛ルートまであるのか……!?」
と、頭を抱えていると──
「なーに独り言言ってんのさ」
突然背後からふわっと飛びついてきた誰かがいた。
「うわっ! だれ!?」
振り向くと、白くてふわふわのウサ耳を揺らした獣人の少女が立っていた。
もふもふのしっぽ、つり目だけどどこか無邪気な表情。目をきらきらさせながら、はるとに詰め寄る。
「もしかして、あんたが新しい牧場の人? 名前は? 性格は? 特技は?」
「ちょ、ちょっと待って!? 質問多すぎ!」
「私はリンネ! この村の生まれで育ち! あたし、動物大好きだから、あんたが牛とか飼うって聞いて興味津々だったの!」
ぐいぐい距離を詰めてくるリンネにタジタジになるはると。
──その時、ステータスにまたもや通知が。
【リンネとの出会いイベント達成】
【親密度:★☆☆☆☆】
【好感度補正:動物系トークが好き】
「この世界、完全に攻略対象いるんじゃん……!」
ゲーム的な表示に戸惑いつつも、目の前のリンネの笑顔は、確かに“ゲームの中”ではない温もりを持っていた。
「ねぇ、明日、あんたの牧場に遊びに行ってもいい?」
「……いいよ。まだ全然整ってないけど」
「やった~! じゃ、楽しみにしてるからねっ!」
リンネが手を振りながら走り去っていく。
その後ろ姿を見送っていたマリアが、肩をすくめる。
「あの子、動物と同じくらい人の心に懐くのが早いからね。あんた、うっかり落とされないようにね?」
マリアの言葉に、はるとは思わず苦笑した。
──だけど、心はほんの少し、軽くなっていた。
*
夕方、牧場へ戻る。出荷箱には小さな光が灯っていた。
【本日売上:120G】
【現在の所持金:90G】
はるとは空を見上げて、ぽつりとつぶやいた。
「こんなふうに、毎日を積み重ねていけば……きっと、また“何か”が変わっていくのかもしれないな」
その夜、女神メルグラーナが夢に現れる。
「あなたの歩む道が、静かに未来を動かし始めています。どうかその一歩を、大切に」
はるとは頷き、また新しい朝を迎える準備を始めるのだった。
---
「……やっぱり夢じゃないんだな」
ぬくもりのある木造の部屋、手触りのある寝具、そして現れるステータスウィンドウ。全部が、昨日の続きだった。
【今日の目標】
・出荷箱に作物を入れてみよう!
・村へ行って買い物をしてみよう!
「おお、まるでクエストログ。親切仕様だな」
畑に向かい、ジョウロを手に水を撒く。早くも小さな芽が顔を出していた。
成長早っ! と思わず声が出る。スキル「癒しの加護」の効果らしい。
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「ふむ、そろそろ出荷箱も試してみるか」
昨日報酬としてもらった「初心者セット」の中には、試し用に“栽培済み”のハーブと果物も入っていた。それを木箱の中に入れると──
【アイテムを出荷箱に入れました】
【翌朝、売上が反映されます】
【現在の所持金:50G → 出荷予測:+120G】
「おぉ……このリアルさとシステム感のバランスが懐かしい……」
手応えを感じつつ、はるとは今日のもう一つの目標、“村への訪問”に出かけることにした。
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歩いて30分。一本道を抜けると、小川のせせらぎが聞こえてくる。
その向こうに見えたのは、こじんまりとした石造りの家々が並ぶリーヴァの村。農業と交易を基盤にした、温かい雰囲気の集落だった。
まずは目についた青い屋根の雑貨店に入る。中には背の高いカウンターと、奥から聞こえる元気な声。
「いらっしゃいま──って、あんた新人さんでしょ?」
ぱっと現れたのは、栗色の髪をツインテールに結った快活な女性。エプロン姿にレザーの手袋をはめている。
「私はマリア。行商人もやってるけど、普段はこの雑貨屋の店主ってとこかな。あんたが“牧場の新人さん”だって話、昨日フクロウが知らせてくれたのよ」
「フクロウ……ああ、昨日の配達のやつ」
「そそ。便利だけど、機嫌損ねると一週間スト起こすから注意してね♪」
どこかゲームっぽい世界観に安心しつつも、リアルな生活感に不思議とワクワクしてくる。
マリアは棚からいくつかの商品を取り出してきた。
「初心者向けに、うちで特価セット用意してるのよ。今日は特別に“知り合い割引”でいいわよ?」
マリアはウィンクしながら、小麦の種×5、にんじんの種×5、カゴ、作業手袋のセットを差し出した。
【雑貨セットA:通常価格120G → 特価80G】
「うん、じゃあこれください!」
「まいどあり! あんた、いい表情してるねぇ。ここに来たばかりとは思えない」
そう言って、彼女はさりげなく追加の情報を教えてくれた。
「そうそう、村の西に鍛冶屋のガイルってのがいてね、家畜小屋とか道具の強化も引き受けてくれるわよ。村の人とも仲良くするの、大事よ~?」
──ここで、ステータス画面が自動で更新される。
【新エリア:リーヴァの村 発見!】
【親密度システム解放】
・村人と仲良くなると、特別なイベントが発生します
・一定以上の親密度で“恋愛ルート”に進展可能!
「まさかの恋愛ルートまであるのか……!?」
と、頭を抱えていると──
「なーに独り言言ってんのさ」
突然背後からふわっと飛びついてきた誰かがいた。
「うわっ! だれ!?」
振り向くと、白くてふわふわのウサ耳を揺らした獣人の少女が立っていた。
もふもふのしっぽ、つり目だけどどこか無邪気な表情。目をきらきらさせながら、はるとに詰め寄る。
「もしかして、あんたが新しい牧場の人? 名前は? 性格は? 特技は?」
「ちょ、ちょっと待って!? 質問多すぎ!」
「私はリンネ! この村の生まれで育ち! あたし、動物大好きだから、あんたが牛とか飼うって聞いて興味津々だったの!」
ぐいぐい距離を詰めてくるリンネにタジタジになるはると。
──その時、ステータスにまたもや通知が。
【リンネとの出会いイベント達成】
【親密度:★☆☆☆☆】
【好感度補正:動物系トークが好き】
「この世界、完全に攻略対象いるんじゃん……!」
ゲーム的な表示に戸惑いつつも、目の前のリンネの笑顔は、確かに“ゲームの中”ではない温もりを持っていた。
「ねぇ、明日、あんたの牧場に遊びに行ってもいい?」
「……いいよ。まだ全然整ってないけど」
「やった~! じゃ、楽しみにしてるからねっ!」
リンネが手を振りながら走り去っていく。
その後ろ姿を見送っていたマリアが、肩をすくめる。
「あの子、動物と同じくらい人の心に懐くのが早いからね。あんた、うっかり落とされないようにね?」
マリアの言葉に、はるとは思わず苦笑した。
──だけど、心はほんの少し、軽くなっていた。
*
夕方、牧場へ戻る。出荷箱には小さな光が灯っていた。
【本日売上:120G】
【現在の所持金:90G】
はるとは空を見上げて、ぽつりとつぶやいた。
「こんなふうに、毎日を積み重ねていけば……きっと、また“何か”が変わっていくのかもしれないな」
その夜、女神メルグラーナが夢に現れる。
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