異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第8章 世界を揺らす黒雲

第80話「影の王の囁きと、試される心

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結界の発動とともに姿を現した「影の王」は、悠翔たちの前に巨大な影となって浮かび上がっていた。

だが、その体はまだ完全ではない。
まるで霧のように揺らぎ、まばらに崩れ、現実との接点を模索しているかのようだ。

「今なら……まだ、戦える……!」

悠翔が核の杖を握りしめ、一歩前に出た。

しかし──

『少年よ。お前の願いは、本当に世界のためか?』

影の王が、声もなく語りかけてくる。

それは耳ではなく、心に直接響くような囁きだった。

『妹を守るため、仲間を救うためと口にするが……その根底にあるのは、喪失への恐れではないのか?』

悠翔の手がわずかに震えた。

「……ちがう。僕は……みんなを守りたくて、ここまで来たんだ!」

『ならば、見せよう。お前が“救えなかった”世界を──』

影が広がり、塔の空間全体が黒く染まる。

次の瞬間、悠翔の目の前に現れたのは──
燃え落ちた牧場。
倒れ伏すラグス。泣き叫ぶひなの。
誰もいない、静かな世界。

「こんなの、嘘だ……っ!!」

『これは可能性にすぎぬ。ただ、お前が選び損ねた未来の一つ。だが──選び方を間違えれば、必ず訪れる』

悠翔は叫んだ。

「もう、選び損ねたりしない! 僕は……僕自身の手で、この未来を変えるんだ!」

彼の声が空間を裂いた。

影の世界が砕け、元の祭壇へと戻ってくる。悠翔の周囲には、仲間たちがいた。
ラグス、レーン、ひなの、村の人々……誰もが、彼を信じて見つめていた。

「悠翔、目を覚ませ! お前は一人じゃない!」

ラグスの叫びに、悠翔はうなずいた。

「うん……僕は、もう迷わない」

杖に力が宿り、光が再び影を貫いた。

『……なるほど。“希望”とは、常に愚かで、だが強い』

影の王の姿は、ゆっくりと空の裂け目へと後退していく。
完全な顕現は免れた。だが、完全に消えたわけではない。

『また会おう。世界が本当に“終わる”そのときに』

影が去り、塔には静寂が戻った。

悠翔は膝をつき、深く息を吐いた。

「終わったわけじゃない。けど……今は、少しだけ、進めた気がする」

仲間たちが、彼のもとへ駆け寄ってきた。

そして、その中心で、ひなのが笑っていた。

「おにい、がんばったね」

その言葉に、悠翔は涙をこぼした。


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【イベントログ】

精神イベント発生:「影の王の試練」突破

世界の崩壊フラグ:一時封印

キャラ成長:「天城悠翔」精神耐性+20、信念強化(スキル判定にボーナス)

アイテム進化:「核の杖」→「導きの核杖(Ver.2)」

絆イベント発生:ひなのとの信頼度MAX

次の目標:影の王の封印強化と、世界の“再起動装置”探索へ



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