異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第9章 最後の大収穫

第89話「霧の谷と、試練の足音」

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村を後にして三日が過ぎた。
悠翔たちは、馬車で“ルフォーラの塔”へ向かう道中にある《霧の谷》へと足を踏み入れていた。

「……このあたりからだな。瘴気の濃度が上がってる」

レオンが剣の柄に手を添え、緊張した面持ちで周囲を見渡す。
谷の中は、昼間であるにもかかわらず薄暗く、白い霧が足元まで這っている。

「魔物の気配もあるわ。油断しないで」

アイリスが魔導具を片手に警戒を促す。
悠翔も、背負っていた木製の杖を手に取った。

《警告:このエリアは瘴気汚染区域です。スキル耐性:瘴気拡散【低】が自動発動します》

スキル・ジオの声が頭に響く。

(瘴気拡散……この辺りの空気にも影響があるのか)

「……みんな、マスク着けて。吸い込むと、少しずつ体に負担がくる」

悠翔が声をかけると、全員が魔道具マスクを取り出し装着した。

進むごとに霧は濃くなり、視界が狭まっていく。

「地図じゃ、この先に瘴気の中和地点があるはずなんだが……」

カイルが地図を確認しながら、険しい顔をする。

そのとき――

ズズ……ッ!

霧の奥から、不気味な唸り声と共に、黒い影が現れた。

「来たか!」

レオンが前へ出る。
黒く染まった体毛を持つ魔獣《瘴狼》が、三体、牙を剥いてこちらに飛びかかってくる。

「フォース・バリア!」

悠翔が咄嗟に詠唱を唱え、仲間の前に防御結界を張る。

レオンとカイルが左右から迎撃。
アイリスが援護魔法を放ち、戦闘は一瞬のうちに激化した。

◇◇◇

瘴狼との戦闘が終わったとき、全員が肩で息をしていた。

「……強くなってる。前より、ずっと」

悠翔がぽつりと呟く。

「瘴気の影響か、それとも塔の防衛機能か……どちらにしても、気は抜けないね」

アイリスの声には、冷静さの中に焦りが混じっていた。

その後、霧の中をさらに進んだ一行は、ようやく小さな丘の上に建つ石碑を見つけた。

「これ……中和装置か?」

「うん、魔石で稼働してる。まだ動いてるみたい」

悠翔は自分のスキルで、石碑の魔力の流れを確認する。

《中和装置発見:瘴気浄化エリア【小】を展開中》

霧が徐々に晴れ、呼吸が楽になる。

「ここが……最初の“安全地帯”ってことだな」

レオンの言葉に、全員が小さく頷いた。

――ただの通過点ではない。
この塔の旅は、試練そのものなのだと、彼らは改めて実感した。


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【イベントログ】

 イベント進行:
 ・瘴気エリア《霧の谷》に突入
 ・スキル「瘴気拡散【低】」が自動発動
 ・魔獣《瘴狼》との戦闘発生
 ・中和装置を発見、霧を一部浄化

 次の目標:
 ・“ルフォーラの塔”の封域扉を探し出す
 ・中和装置の記録を元に、瘴気の発生源に接近
 ・瘴気の影響に耐える装備や手段を整える



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