54 / 99
第5章地球と異世界、二つの台所と再会の味
第1話 魔都大市、香りの渦へ
しおりを挟む
明け六つ。南門の石畳はうっすら冷たく、息が白い。荷車に鍋を積み、旗を低く結び、私は柄杓の柄を軽く叩いた。合図の音が、胸の奥で小さく跳ねる。
「道中の護衛は王都が担当。会場内の警備は魔都側が引き受ける——使者バライルの条件どおりだ」
グラドが短く告げる。
「了解。焦げさせず、湯気だけ通します」
セイル王子が頷き、手袋越しに親指を立てた。
「出発だ。“鍋の約束”を運ぶ」
「はい」
門が開き、列が動く。朝の風は南東。湯気がよく回る風だ。
---
灰の峠は名のとおり、踏むと粉が舞う。耳の布を半分顔にかけ、私は《火加減制御》で持ち込み火力石の温度を落とす。揺れると焦げやすい。
「ルーク、旗の紐、胸の高さを保って」
「うん、結び直した!」
「マリナ、耳の布、鼻に隙間を。息が苦しくなると味が鈍るよ」
「はーい!」
折香谷に下りると、風向きが変わった。土の甘さの奥に、柑根と鉄の微かな名残。私は鼻先で線を引き直す。
「ここから“香り橋”まで、鍋は風下に寄せて」
「了解」と、グラド。
香り橋の上で、女神の匙がふっと温かくなった。対岸の空気が、はっきり違う。甘味が深く、酸が短い。魔都の匂いだ。
---
正午前、魔都大市が見えた。屋根という屋根に色布が垂れ、露店の煙が渦を巻く。香辛料の山、乾いた果実、見たことのない黒い豆。人と魔族が混じり合い、声が行き交う。
「到着だ。——視線が多いな」
王子が笑う。注目は旗ではなく鍋に向いている。よし、狙いどおり。
黒衣の使者バライルが、孔雀色の羽根飾りを揺らして近づいてきた。目じりの皺は笑っているが、鼻は仕事をしている顔だ。
「歓迎する、女神の匙の持ち主よ。入市にあたり三つの約束がある」
「伺います」
「ひとつ、鍋の位置を市の風の“流れ”に従わせること」
「承知しました。香りの地図を引きながら動かします」
「ふたつ、最初の一椀は“沈黙の間”にすること」
「小鉢を用意しています」
「みっつ、焦がさないこと」
「一番得意です」
使者の肩がわずかに落ちた。笑っている。
「よろしい。会場内の警備は我らが負う。腹で話そう」
「腹で、話します」
---
市中央の広場には既に円形の台座が設えられていた。風向きの印が布に描かれ、旗の結び目の高さが記されている。わかってる、ここは“香り”で秩序を取る街だ。
「主の鍋は“骨付き柔煮”。副は“香葉の蒸し団子”。そして——“橋の雑穀粥”」
私は声に出し、火力石を二指ぶん上げる。湯気が胸の高さで丸く広がり、誰かがふっと息を吐く音が聞こえた。
「始まりの小鉢、どうぞ」
合図の香を一度だけ焚く。ざわめきが一拍で静まり、最前列の老魔が小鉢を口に運ぶ。角が柔らかく傾く。
「……静かになる」
「喧嘩の前に必要な静けさです」
隣で角飾りの若い親が、子どもの口元を拭きながら団子を半分に割った。
「塩が喧嘩を忘れさせる」
「外交量です」
笑いがひと筋、湯気に混ざって立ち上がる。私は《鑑定眼》を開き、流れを視る。
《体力回復:小 精神安定:中 交渉意欲:上昇 敵意:減衰》
よし、火は生きている。
---
そのとき、鼻をかすめる違和感。——野晒しの油香、早すぎる焦げの気配、そして柑根の古い残り。
「王子、二歩風下へ。グラド、耳の布を客列の右へ回して」
「了解」
私は鍋を台座のガイドに沿って半身だけ回す。湯気の輪郭が立て直り、違和感が流れの外側に押し出される。幕の影に、昨日と似た手の形が一瞬見えた。指の節に油、爪に灰。ここにも“旧棚の手”がいる。
「——焦げない」
柄杓で粥を一杯、幕の向こうに差し入れる。
「忙しいので手短に。どうぞ」
沈黙。ひと啜り。息がほどける音。
「……腹が、落ちる」
「話は腹で。名前はあとで」
器を戻し、私は鍋の前に立つ。湯気は胸の高さ。旗は低い。合図の香は一度だけ。
---
午後、使者バライルが小さな銀の鐘を鳴らした。広場の空気が自然にすっと整う。
「魔王陛下が“舌で見たい”献立、第一候補を聞こう」
「骨付き柔煮は“出会い”。香葉の蒸し団子は“合意”。橋の雑穀粥は“往来”。——そして、もう一つ」
「もう一つ?」
「“和薬茶漬け”。戦の後にも、喧嘩の前にも、腹をやさしく満たすもの」
ざわめき。王子が横目で笑う。グラドは腕を組んだまま、うんと小さく頷いた。
「沈黙の間」の鐘がまた鳴り、私は一膳ぶんだけ試作を置く。香りは低く、湯気は短い。口に入れた老魔の目の端に、うっすら水が光った。
「……昔の夜だ」
「帰る場所の味です」
使者が帳に何かを書きつけ、顔を上げる。
「本日の日没後、王城“香の間”にて予備審。明日、陛下の御前で本審。——腹で話す支度を」
「支度はできています。焦がさず、熱だけ渡します」
---
片付けが終わるころ、夕焼けが市を金色に染めた。人々は列をほどきながら「また明日」と手を振る。子どもが団子の串を大事そうに握っている。
「今日の記録だ」
バライルが小さな革冊子を差し出す。鼻先に、見覚えのある紙の香りがした。——地球の和紙に似ている。
「この紙……」
「古い交易の名残だ。こちらでは“軽い紙”と呼ぶ」
胸の奥で、何かがかすかに軋む。地球の台所と、この世界の鍋。その線が、一瞬だけ重なった気がした。
「明日の“香の間”では、火を使う時間と香の順番が厳密に決まる。地図を引けるか」
「引けます。——風と湯気は、私の言葉です」
使者が目じりをもう一度だけ細くし、去っていく。
---
宿に戻り、私は“香りの地図”を描く。王城の間取り、通風孔の向き、床の石目。湯気の高さは丸、火力は線、塩梅は点。端に“沈黙の間——小鉢三〇、間合い一〇息”と書き込む。
「王子、明日の順番をもう一度」
「最初に“橋の粥”。次に“和薬茶漬け”。間を置いて“香葉の蒸し団子”。最後に“骨付き柔煮”。——合図の香は最初と最後だけ」
「了解」
私は《ステータス》を開き、指で一項目ずつなぞった。
《料理 24/鑑定 8/嗅覚強化 8/段取り最適化 8/火加減制御 7》
足りないのはきっと“呼吸”。私は深く息を吸い、ゆっくり吐く。
「カスミアーナ」
戸口でグラドが咳払いを一つ。
「耳の鍋の蓋、今日はどれくらい開ける」
「三分の一だけ。——熱は逃がさず、音だけ通す」
「いい判断だ」
短い会話。短い安心。私は微笑んで、地図に小さく“音の逃げ道”と書き足した。
灯りを落とす前、女神の匙がもう一度だけ温かくなった。まるで、「焦がさないで」と囁いたみたいに。
「明日、腹で話します。——必ず」
遠くで鐘が二度、静かに鳴った。私は布団に潜り、柄杓の柄を胸に当てて目を閉じた。湯気の高さは胸。旗は低い。香りは橋。
魔都の夜は、意外なほど穏やかだった。
「道中の護衛は王都が担当。会場内の警備は魔都側が引き受ける——使者バライルの条件どおりだ」
グラドが短く告げる。
「了解。焦げさせず、湯気だけ通します」
セイル王子が頷き、手袋越しに親指を立てた。
「出発だ。“鍋の約束”を運ぶ」
「はい」
門が開き、列が動く。朝の風は南東。湯気がよく回る風だ。
---
灰の峠は名のとおり、踏むと粉が舞う。耳の布を半分顔にかけ、私は《火加減制御》で持ち込み火力石の温度を落とす。揺れると焦げやすい。
「ルーク、旗の紐、胸の高さを保って」
「うん、結び直した!」
「マリナ、耳の布、鼻に隙間を。息が苦しくなると味が鈍るよ」
「はーい!」
折香谷に下りると、風向きが変わった。土の甘さの奥に、柑根と鉄の微かな名残。私は鼻先で線を引き直す。
「ここから“香り橋”まで、鍋は風下に寄せて」
「了解」と、グラド。
香り橋の上で、女神の匙がふっと温かくなった。対岸の空気が、はっきり違う。甘味が深く、酸が短い。魔都の匂いだ。
---
正午前、魔都大市が見えた。屋根という屋根に色布が垂れ、露店の煙が渦を巻く。香辛料の山、乾いた果実、見たことのない黒い豆。人と魔族が混じり合い、声が行き交う。
「到着だ。——視線が多いな」
王子が笑う。注目は旗ではなく鍋に向いている。よし、狙いどおり。
黒衣の使者バライルが、孔雀色の羽根飾りを揺らして近づいてきた。目じりの皺は笑っているが、鼻は仕事をしている顔だ。
「歓迎する、女神の匙の持ち主よ。入市にあたり三つの約束がある」
「伺います」
「ひとつ、鍋の位置を市の風の“流れ”に従わせること」
「承知しました。香りの地図を引きながら動かします」
「ふたつ、最初の一椀は“沈黙の間”にすること」
「小鉢を用意しています」
「みっつ、焦がさないこと」
「一番得意です」
使者の肩がわずかに落ちた。笑っている。
「よろしい。会場内の警備は我らが負う。腹で話そう」
「腹で、話します」
---
市中央の広場には既に円形の台座が設えられていた。風向きの印が布に描かれ、旗の結び目の高さが記されている。わかってる、ここは“香り”で秩序を取る街だ。
「主の鍋は“骨付き柔煮”。副は“香葉の蒸し団子”。そして——“橋の雑穀粥”」
私は声に出し、火力石を二指ぶん上げる。湯気が胸の高さで丸く広がり、誰かがふっと息を吐く音が聞こえた。
「始まりの小鉢、どうぞ」
合図の香を一度だけ焚く。ざわめきが一拍で静まり、最前列の老魔が小鉢を口に運ぶ。角が柔らかく傾く。
「……静かになる」
「喧嘩の前に必要な静けさです」
隣で角飾りの若い親が、子どもの口元を拭きながら団子を半分に割った。
「塩が喧嘩を忘れさせる」
「外交量です」
笑いがひと筋、湯気に混ざって立ち上がる。私は《鑑定眼》を開き、流れを視る。
《体力回復:小 精神安定:中 交渉意欲:上昇 敵意:減衰》
よし、火は生きている。
---
そのとき、鼻をかすめる違和感。——野晒しの油香、早すぎる焦げの気配、そして柑根の古い残り。
「王子、二歩風下へ。グラド、耳の布を客列の右へ回して」
「了解」
私は鍋を台座のガイドに沿って半身だけ回す。湯気の輪郭が立て直り、違和感が流れの外側に押し出される。幕の影に、昨日と似た手の形が一瞬見えた。指の節に油、爪に灰。ここにも“旧棚の手”がいる。
「——焦げない」
柄杓で粥を一杯、幕の向こうに差し入れる。
「忙しいので手短に。どうぞ」
沈黙。ひと啜り。息がほどける音。
「……腹が、落ちる」
「話は腹で。名前はあとで」
器を戻し、私は鍋の前に立つ。湯気は胸の高さ。旗は低い。合図の香は一度だけ。
---
午後、使者バライルが小さな銀の鐘を鳴らした。広場の空気が自然にすっと整う。
「魔王陛下が“舌で見たい”献立、第一候補を聞こう」
「骨付き柔煮は“出会い”。香葉の蒸し団子は“合意”。橋の雑穀粥は“往来”。——そして、もう一つ」
「もう一つ?」
「“和薬茶漬け”。戦の後にも、喧嘩の前にも、腹をやさしく満たすもの」
ざわめき。王子が横目で笑う。グラドは腕を組んだまま、うんと小さく頷いた。
「沈黙の間」の鐘がまた鳴り、私は一膳ぶんだけ試作を置く。香りは低く、湯気は短い。口に入れた老魔の目の端に、うっすら水が光った。
「……昔の夜だ」
「帰る場所の味です」
使者が帳に何かを書きつけ、顔を上げる。
「本日の日没後、王城“香の間”にて予備審。明日、陛下の御前で本審。——腹で話す支度を」
「支度はできています。焦がさず、熱だけ渡します」
---
片付けが終わるころ、夕焼けが市を金色に染めた。人々は列をほどきながら「また明日」と手を振る。子どもが団子の串を大事そうに握っている。
「今日の記録だ」
バライルが小さな革冊子を差し出す。鼻先に、見覚えのある紙の香りがした。——地球の和紙に似ている。
「この紙……」
「古い交易の名残だ。こちらでは“軽い紙”と呼ぶ」
胸の奥で、何かがかすかに軋む。地球の台所と、この世界の鍋。その線が、一瞬だけ重なった気がした。
「明日の“香の間”では、火を使う時間と香の順番が厳密に決まる。地図を引けるか」
「引けます。——風と湯気は、私の言葉です」
使者が目じりをもう一度だけ細くし、去っていく。
---
宿に戻り、私は“香りの地図”を描く。王城の間取り、通風孔の向き、床の石目。湯気の高さは丸、火力は線、塩梅は点。端に“沈黙の間——小鉢三〇、間合い一〇息”と書き込む。
「王子、明日の順番をもう一度」
「最初に“橋の粥”。次に“和薬茶漬け”。間を置いて“香葉の蒸し団子”。最後に“骨付き柔煮”。——合図の香は最初と最後だけ」
「了解」
私は《ステータス》を開き、指で一項目ずつなぞった。
《料理 24/鑑定 8/嗅覚強化 8/段取り最適化 8/火加減制御 7》
足りないのはきっと“呼吸”。私は深く息を吸い、ゆっくり吐く。
「カスミアーナ」
戸口でグラドが咳払いを一つ。
「耳の鍋の蓋、今日はどれくらい開ける」
「三分の一だけ。——熱は逃がさず、音だけ通す」
「いい判断だ」
短い会話。短い安心。私は微笑んで、地図に小さく“音の逃げ道”と書き足した。
灯りを落とす前、女神の匙がもう一度だけ温かくなった。まるで、「焦がさないで」と囁いたみたいに。
「明日、腹で話します。——必ず」
遠くで鐘が二度、静かに鳴った。私は布団に潜り、柄杓の柄を胸に当てて目を閉じた。湯気の高さは胸。旗は低い。香りは橋。
魔都の夜は、意外なほど穏やかだった。
30
あなたにおすすめの小説
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
追放された公爵令息、神竜と共に辺境スローライフを満喫する〜無敵領主のまったり改革記〜
たまごころ
ファンタジー
無実の罪で辺境に追放された公爵令息アレン。
だが、その地では神竜アルディネアが眠っていた。
契約によって最強の力を得た彼は、戦いよりも「穏やかな暮らし」を選ぶ。
農地改革、温泉開発、魔導具づくり──次々と繁栄する辺境領。
そして、かつて彼を貶めた貴族たちが、その繁栄にひれ伏す時が来る。
戦わずとも勝つ、まったりざまぁ無双ファンタジー!
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界配信始めました~無自覚最強の村人、バズって勇者にされる~
たまごころ
ファンタジー
転生したら特にチートもなく、村人としてのんびり暮らす予定だった俺。
ある日、精霊カメラ「ルミナスちゃん」で日常を配信したら──なぜか全世界が大騒ぎ。
魔王を倒しても“偶然”、国家を救っても“たまたま”、なのに再生数だけは爆伸び!?
勇者にも神にもスカウトされるけど、俺はただの村人です。ほんとに。
異世界×無自覚最強×実況配信。
チートすぎる村人の“配信バズライフ”、スタート。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
『ひまりのスローライフ便り 〜異世界でもふもふに囲まれて〜』
チャチャ
ファンタジー
孤児院育ちの23歳女子・葛西ひまりは、ある日、不思議な本に導かれて異世界へ。
そこでは、アレルギー体質がウソのように治り、もふもふたちとふれあえる夢の生活が待っていた!
畑と料理、ちょっと不思議な魔法とあったかい人々——のんびりスローな新しい毎日が、今始まる。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる