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112話『共鳴都市へようこそ、麻衣さん』
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その夜――。
ひなのが穏やかな寝息を立てるのを確認して、麻衣は静かにリビングのソファに座った。スマホの画面には、あの「共鳴都市・前夜」の通知が再び表示されている。
(これ、本当に“ゲーム”の延長なのかな……?)
麻衣は少しだけ息をのんでから、表示された「アクセスする」のボタンをタップした。
次の瞬間、光の粒が画面から溢れ出すように広がり、部屋全体が柔らかい光に包まれた。
そして――
意識がふわりと浮かび上がるような感覚に包まれた。
* * *
気づけば、麻衣は見知らぬ場所に立っていた。
淡い空色の空、ゆらめく光の草原。遠くに見えるガラスの塔のような建物。
まるで、夢と現実のあいだを漂うような、静かで美しい世界。
「ここが……共鳴都市?」
麻衣の前に現れたのは、スキルナビのような立体映像の案内人。
《ようこそ、共鳴都市へ。田仲麻衣さん》
《あなたは、共鳴スキルを安定的に活用している初期接続者として、本エリアに特別参加しています》
「特別……参加?」
《はい。この世界には、あなたと同じように“ちょっと不思議な力”を持つ人々が存在します。》
《この都市は、彼らが“自分のスキル”と“他人とのつながり”を理解し合うための仮想エリアです》
麻衣は静かに頷く。
(……やっぱり、スミレさんや川島さんみたいな人が、他にもいるってことなんだ)
《本日は初期接続のため、簡易エリア“観察の広場”をご案内します》
連れてこられたのは、小さな公園のような場所だった。そこには数人のプレイヤーがそれぞれ静かに“何か”を観察していた。
麻衣が近づくと、誰かが声をかけてくる。
「あなたが麻衣さん? 初参加、おめでとうございます」
その女性は、落ち着いた雰囲気の年配のプレイヤーだった。
胸元には、控えめに“プレイヤーネーム:紫苑”の文字。
「私は紫苑。ここの案内係みたいなものよ。困ったことがあれば、なんでも聞いて」
「……ありがとうございます。あの……“ここ”って、現実とは別の場所なんですよね?」
紫苑はふっと笑った。
「現実とも、非現実とも言い切れない場所。あなたの“心の世界”と、他の誰かの“思い”が交差する――そんなところよ」
ふと風が吹いた瞬間、麻衣のまわりに、淡い緑色の“もや”がふわりと揺れた。
《スキル共鳴反応:1名》
《対象:紫苑》
《感情:やわらかな好意と期待》
「……見えるのね。あなたのスキル、なかなか育ってきてるわね」
紫苑は微笑みながら、そっと手を差し出した。
「これから、あなたが“誰とつながっていくのか”――とっても楽しみね」
その言葉に、麻衣もそっと手を伸ばした。
(……この世界でも、少しずつ前に進んでいこう)
光の草原の上で、ふたりの手が重なる。
共鳴の都市に、またひとつ、新しい“つながり”が生まれた。
---
ひなのが穏やかな寝息を立てるのを確認して、麻衣は静かにリビングのソファに座った。スマホの画面には、あの「共鳴都市・前夜」の通知が再び表示されている。
(これ、本当に“ゲーム”の延長なのかな……?)
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次の瞬間、光の粒が画面から溢れ出すように広がり、部屋全体が柔らかい光に包まれた。
そして――
意識がふわりと浮かび上がるような感覚に包まれた。
* * *
気づけば、麻衣は見知らぬ場所に立っていた。
淡い空色の空、ゆらめく光の草原。遠くに見えるガラスの塔のような建物。
まるで、夢と現実のあいだを漂うような、静かで美しい世界。
「ここが……共鳴都市?」
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《ようこそ、共鳴都市へ。田仲麻衣さん》
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「特別……参加?」
《はい。この世界には、あなたと同じように“ちょっと不思議な力”を持つ人々が存在します。》
《この都市は、彼らが“自分のスキル”と“他人とのつながり”を理解し合うための仮想エリアです》
麻衣は静かに頷く。
(……やっぱり、スミレさんや川島さんみたいな人が、他にもいるってことなんだ)
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胸元には、控えめに“プレイヤーネーム:紫苑”の文字。
「私は紫苑。ここの案内係みたいなものよ。困ったことがあれば、なんでも聞いて」
「……ありがとうございます。あの……“ここ”って、現実とは別の場所なんですよね?」
紫苑はふっと笑った。
「現実とも、非現実とも言い切れない場所。あなたの“心の世界”と、他の誰かの“思い”が交差する――そんなところよ」
ふと風が吹いた瞬間、麻衣のまわりに、淡い緑色の“もや”がふわりと揺れた。
《スキル共鳴反応:1名》
《対象:紫苑》
《感情:やわらかな好意と期待》
「……見えるのね。あなたのスキル、なかなか育ってきてるわね」
紫苑は微笑みながら、そっと手を差し出した。
「これから、あなたが“誰とつながっていくのか”――とっても楽しみね」
その言葉に、麻衣もそっと手を伸ばした。
(……この世界でも、少しずつ前に進んでいこう)
光の草原の上で、ふたりの手が重なる。
共鳴の都市に、またひとつ、新しい“つながり”が生まれた。
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