美しすぎる王太子の妻になったけれど、愛される予定はないそうです

榛乃

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強くて、眩しい人

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 ひと一倍愉しんでいたのは多分クラリスだった、と、リリアは後になって思う。

 モーリスに見送られ向かった衣裳部屋には、既に二人の侍女が待機していた。普段から身支度を手伝ってくれる、馴染の年若い侍女たち。二人は入室してきたリリアの姿を認めた瞬間、一様に顔を輝かせ、誰に何を言われるまでもなく、てきぱきと働き始めた。まるで互いの考えていることが、言葉にせずとも分かっているみたいに。そわそわとした妙な連帯感とともに、ぴたりと息を合わせて。

 ドレスを選ぶクラリスの横顔は、真剣そのものだった。それでいて、時折少女のように無邪気にはしゃいで、太陽のように明るい笑みをリリアへ向ける。これはいかがですか、と。今日のような日にはぴったりです、とも言いながら。

 話し合いの末、最近納品されたばかりのドレスを着ることに決まった。ペールブルーと白の布地に、たっぷりの刺繍とフリルをあしらい、薄い絹織物を重ねた、やわらかなドレス。それは、仕立て屋の女店主であるセリーヌ・シャルモンが、「殿下の瞳と対になるように」と言って勧めたものだった。

 本当にお茶などして良いのだろうか――。侍女のひとりに髪の毛を整えてもらいながらこぼした不安に、クラリスはふふっと笑った。ドレスに合う装飾品をあれこれと吟味しながら。

 ――こう考えれば良いのですよ、リリア様。このお茶会は殿下の為のものだ、と。
 ――殿下の、ため?
 ――ええ、そうです。殿下はご多忙ですから、滅多に休息をとられません。ですから、このお茶の時間で、殿下にはゆっくり休んでいただくのです。

 それならばお茶ではなく、私室などでゆっくり時間を過ごされる方が良いのでは、と、思わないわけではなかったけれど。自信満々に胸を張るクラリスの、きらきらとした顔を見ていると、リリアはただ曖昧な笑みを返すことしか出来なかった。

 ――心配なさらずとも大丈夫ですわ。深く考える必要はございません。ただ時間に身を委ねていればよいのです。

 彼女のその言葉に背中を押され、部屋を出たまでは良かったけれど。先をゆく侍女の背中について歩きながら、リリアはひっそりと息をつく。一歩進めば進むほど、緊張が背筋を這い上ってくる。じわりじわり、と。一度は抑え込んだ不安を引き連れて。

 それを空気から敏感に感じ取ったらしい侍女が、いつにも増して明るい口調で話しかけてくる。今日はとてもいい天気ですね、と。庭園の花も生き生きとしているでしょう、とも。少しでも緊張をほぐそうと、彼女は気を遣ってくれている。けれど、そうと分かっていても、侍女の言葉はリリアの耳を素通りしていくばかりだった。

 お茶会の場所に指定されたのは、庭園の中程にある小ぢんまりとした広場だった。
 広々とした庭園を突っ切るように伸びる路を、アーチにたっぷりと絡みついた薔薇が鮮やかに彩っている。円を描くように植えられた色とりどりのチューリップ、四角く刈られた灌木、所々にひっそりと配された純白のオブジェ、ちょろちょろと控えめに水を噴き上げる鈍色の噴水。

 アーチの路を通り抜けた先には、丸くくり抜かれたような小さな広場があった。周りを取り囲むのは、華やかに茂った無数の薔薇と、静かに風にそよぐルピナス。水を張ったバードバスに、青色の毛に覆われた小さな鳥が三羽、身を寄せ合うようにしてとまっている。

 そんな広場の中央に置かれた二人分の椅子の一方に、ルイスは既に座っていた。清潔なクロスのかけられたテーブルに頬杖をつき、ぼんやりと庭を眺めている。陽光を浴びて淡く輝く白銀の髪の毛。色の白い、この世のものとはとても思えないほど整った、美しいかんばせ。その横顔に、心臓がとくりと跳ねる。緊張が、一気に胸を貫いてゆく。

「お待たせしてしまい、申し訳ございません」

 謝罪を口にしながら、向かい側の席に腰を下ろす。そんなリリアを、ルイスは横目でちらと一瞥しただけで、何も言わなかった。ただ静かに、薔薇の花が微かに揺れるのを眺めている。
 ふたり分のティーカップが並べられても、お菓子の盛られた小ぶりなケーキスタンドが置かれても、ルイスが反応を示すことはなかった。長閑な風が、テーブルの上をゆったりと吹き抜けてゆく。小鳥が、愛らしい声で軽やかに鳴いている。

 暫く様子を伺っていたが、やがてリリアは諦めると、ティーカップのハンドルにそっと指を絡めた。燦々と降り注ぐ陽光を浴びて、澄んだオレンジ色の水面に小さな光の粒が浮いている。あたたかなそれをゆっくり口に含むと、忽ち口内に、柑橘系の爽やかな芳香がふわりと広がった。

 ――こう考えれば良いのですよ、リリア様。このお茶会は殿下の為のものだ、と。

 何か言葉をかけるべきだろうか、と過ったけれど、リリアはその考えを、すぐに頭の中から追い払う。このままでいい、と思った。このまま静かに、ふたりだけの時間に身を委ねていればいい、と。それを彼が望むのなら。

 以前ほどルイスを怖いとは、思わない。以前ほど居心地が悪いとも、感じない。それが自分自身でも、不思議でたまらなかった。彼の醸し出す空気の中に溶け込むことが、妙に快くさえある自分自身の変化に。

 どれくらいそうしていただろう。半分ほどにまで減ったお茶から視線を逸らし、リリアはテーブルの上に飾られた青いデルフィニウムを見つめながら思う。時間の経過が分からなくなるほど、しっとりとして心地の良い、穏やかな沈黙だった。いつまでもそうしていたい、と、そう考えてしまうほど。

 けれどその沈黙は、茶器の立てる微かな音によって、一瞬にして消え去った。まるでシャボン玉が、ぱちりと弾け飛んだみたいに。

「……今日は何を学んだんだ」

 それは問いかけというより、独り言のような呟きだった。
 意表を突かれ、リリアは思わず目を瞬かす。ふたりしかいないのだから、どちらかがそうするしかないのだけれど。しかし、まさか彼の方が先に口を開くとは思ってもいなかった。
 午前中の授業はふたつだった。経済学と、法学の基礎。それらを順に説明し、リリアは言葉を選ぶように一拍の間をおいた。

「それから、アルディエール様に離宮を案内していただきました」

 ティーカップを持ち上げていたルイスの手が、はたととまる。けれども彼はすぐに、まるで何事もなかったように、カップの縁に唇をつけた。

「肖像画を観に行ったのか」
「ええ。……殿下の幼い頃のものを、幾つか観せていただきました」

 カップをソーサーの上に戻しながら、ルイスの美麗な顔が渋く歪む。不快というよりも、解せない、と言いたげに。或いは、気が知れない、と。

「あんなものを観て何が楽しいんだ」

 呆れを滲ませた声音に、リリアは薄く微笑み返す。
 実際のところ肖像画を見て回るのは、楽しむ為というよりも、“探している”と言った方が正しかった。初めのうちこそ、“過ぎ去ったものを知りたい”と、漠然と思っていただけだったけれど。しかし、目を惹かれる肖像画に決まって鮮明に描かれているものに気付いた時、ああ――と、思った。すとん、と何かが落ちるみたいに、納得した。

 “愛情”というものがどういうものなのかを、探している――。そう打ち明けたら、彼はどんな顔をするだろう。オレンジ色の水面に差した影を見るともなく見つめながら、リリアはひそりと苦笑をこぼす。

 “愛情”は、リリアがこれまで一度も享受したことのないものだ。幼少の頃でさえ、誰かから愛されたことはなかった。もしかしたらこの世に生まれ落ちた瞬間も、そうだったのかもしれない。愛情とは無縁の人生だった。だから、愛されるというのがどういうものなのか、リリアはそれを、物語の世界の中でしか知らない。紙に書きつけられた文字としてしか。故に、“愛情”というものには現実味を感じられない。

 しかし、肖像画に描かれたリオネルの瞳には確かに、弟へ向けられる途方もない“愛情”が、しっかりと滲んでいた。感情というものを、油絵具を使って描き込める宮廷画家の技量も凄いと思うが、もしかしたら彼がそうせざるを得ないほどだったのかもしれない、とも思う。それくらい、リオネルはルイスを愛していたのだ。大切な、たったひとりの兄弟として。彼が惜しみない愛情を弟に注いでいたのであろうことは、肖像画を数枚眺めるだけでも容易に感じ取れた。

 羨ましいのかもしれない。爽やかなお茶を一口含みながら、リリアは思う。肖像画の中にある“愛情”を探すのは、ある意味、今は亡き実母に縋るのと同じようなものなのかもしれない、と。

「……そういう君は、どうだったんだ」

 ふと視線を上げると、相も変わらず庭園を眺めたままの横顔が視界に留まる。美しいラインを描いた、端麗な横顔。そこには何の感情も浮かんではいないのに、けれど彼の紡いだ声は心做しかやわらかかった。

「私は……」

 語尾を弱め、リリアは言葉を探す。
 自分ばかりがルイスの過去を見て回っているのは、さすがに不公平かもしれない。リリアの過去を、ルイスが本心で知りたがっているのかは定かでないが、仮にそうでなかったのだとしても、訊かれたからには正直に答えるのが筋だろう。――どうせ隠したところで、いずれは彼の耳にも入ることになるのだろうから。ならばせめて、自分の口から伝えたい。

「殆どの時間を、ひとりで過ごしていました。友達といえば……図書室の本や、庭に咲いていた草花くらいでしょうか。思い出らしい思い出は、あまり残っていません」

 ルイスの視線を横顔に感じながら、リリアはたっぷりと茂った薔薇を眺め遣る。少しの穢もない、純真無垢そのもののような、ぷっくりとした花びら。バードバスで羽を休める小鳥が水を啄む度、小さな波紋が水面を微かに揺らめかす。

「侯爵家の長女でありながら、私には何の取り柄もありませんでしたから、しかたがなかったのです。……それでもお父様は、こんな私にも価値を見出し、大事にして下さいました」

 本当は、大事に扱われた記憶などまるでない。愛されたことも、守られたことも。望む通り王太子妃になった今でさえ、軽蔑の滲んだ目で睨み付けてくるくらいなのだから。

 それでも“大事にしてくれた”と口にしたのは、ただ自分で自分を守りたかったからに他ならない。そうすることで、自分は無意味な存在ではない、と、思い込みたかった。馬鹿なことだと、分かっている。いくら取り繕ったところで、過去を変えることも、父の感情を変えることも出来ないのだから。
 ただの虚勢だ。まるで意味のない、薄っぺらな――。

「――勘違いをするな」

 ぴしゃりとした声に、リリアは目を瞬かす。そっと顔を動かし、ルイスの方へ視線を向ければ、真っ直ぐにこちらを見据える赤い瞳と重なった。それはあたたかな陽光を浴びて、いつもより澄んでいるように見える。凛とした、美しい赤色。

「価値というものは、他者から与えられるのではなく、自分で見つけるものだ。自分で見つけ、自分で決める」

 芯の通った、迷いのない口調だった。荒げているわけではないのに、しんとしながらもとても力強いその声は、胸の奥にすっと届いて、ぽうっとやわらかな光を灯してくれる。慰めも、憐れみも含まれていない、ただ事実だけを告げるような物言いだけれど。でも、だからこそ、心の中にじんわりと、それはやさしく溶けていく。

「見つからないのなら、自分で作ればいい。少しずつ積み上げていけば、それは立派な価値となる」

 揺るぎのない赤い瞳を受け止めながら、ああ――と、リリアは思う。この人はずっとそうしてきたのだろう、と。いっそ清々しいほど真っ直ぐに。故に、彼の紡ぐ飾りのない言葉には、重みがあった。重みと、それから、どこまでも明瞭な真実味が。

 眩しい、と思った。思わず目を細めてしまいそうなくらい、とても強くて眩しい人だ、と。
 そんな彼に、思わず笑みがこぼれた。ふっ、と。幸福に満ち足りたみたい。どうしても、そうせずにはいられなかった。
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