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第25話 ゴーレム技師、手に入れたマイホームに引っ越す
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僕とアルカが、決闘でキキとカカを打ち破った日の午後。
早速僕とアルカは、キキとカカが賭けていた新築の家を訪れていた。
「えーと、ここであってるんだよな……?」
冒険者ギルドまでほど近い、冒険者にとって最高の立地。そこに豪華な家が建っていた。
2階建て。白の漆喰が丁寧に塗られた壁。なんと庭までついている。
「凄いですよマスター、このキッチン、大理石で出来ています!」
「豪華だなぁ……。本当にこんな家もらってしまっていいのかなぁ……」
広いリビング以外の部屋は、2人分の部屋と別々の寝室、そしてゴーレム工房にするのに丁度よさそうな部屋が1つ。
寝室にはベッドも備え付けられていた。
のだが。
「待ってアルカ、なんでアルカの寝室にあったベッドを僕の寝室に運び込んでいるの!?」
アルカが自分の体よりも大きなベッドを、軽々と担いでいる。
「私は睡眠が不要なので、ベッドも不要です。マスターに広くベッドを使っていただこうかと思いまして」
「それは確かに」
ゴーレムであるアルカには、睡眠が必要ない。
これまで宿で僕が寝ている間、アルカには本を読んだり散歩してもらったりしていた。
「それに、ベッドが広ければマスターを起こす心配なく一緒の布団に潜り込むことができますし」
「なんだって!?」
冗談、だよな?
アルカは何食わぬ顔でベッドを隣り合わせて並べる。
本当に冗談、だよな……?
宿に置いてあった荷物を運び込む。
「さて、次は買い物に行こう。とりあえずまず、工房に置く作業机が欲しいな」
――――
商店エリア、家具職人の店。
「マスター、こちらの収納がたくさんついた大きい作業机はいかがでしょう?」
「これは……すごくいいな」
アルカが選んでくれた机は、収納レイアウトとても使いやすいように考えられている。
天板が石で作られていて頑丈だから、ハンマーを使う作業もこの上でできる。
「こんな机があれば作業効率もよくなるだろうけど……わぁ」
値段を見て思わず声が出てしまう。
金貨5枚。半年近く食っていけるほどの値段だ。
以前までの僕ならば、迷いもせずあきらめていただろう。
しかし、
「……店員さん、これ買います!」
今の僕には金貨130枚以上の貯えがある。
冒険者として、さらに上を目指すためにはよい設備を使うことも大事だ。
稼いだお金を武器や防具に投資できる冒険者が出世するんですよ、と前に冒険者ギルドの受付のお姉さんも話していた。
「お買い上げありがとうございます! さて早速荷馬車を手配しますので、少々お待ちを……」
「いえ、不要です」
石造りの机を、アルカがひょいと持ち上げる。
「え、ええ!?」
店員さんが思わず尻もちを着く。
支払いを済ませ、僕とアルカは街の人々の視線を集めながら机を持ち帰る。
部屋に置くと、これだけで熟練の職人の工房のような風格がでてきた。
これからこの机でどんなゴーレムを作ろうか、ワクワクする。
「買って良かったなぁ……!」
まだ使う前から、思わずこんな言葉が口から出てしまう。
そしてまた商店エリアへ行き、必要な家具を買い揃える。
「マスター、庭にも花などを植えてみませんか? 私、お手入れしますよ」
ガーデニング専門店の前を通ったアルカが提案する。
「いいね、帰ってから庭のレイアウトを一緒に考えよう」
「はい!」
――――
「少し疲れたな、ちょっと広場で休憩していこう」
露店で、2人分の飲み物を買い、噴水の隣のベンチで、少し休憩。
「色々家の家具の配置を考えるのって、楽しいな」
「はい、私も楽しいです。こうしていると、新婚夫婦みたいですね」
――新婚夫婦!?
僕は、飲んでいた紅茶を噴き出してしまった。
「こうして2人で広場でお茶しているのも、なんだかデートみたいですし」
――デート!?
「気を悪くされたならすみません。そう考えただけです。忘れてください」
「いや、大丈夫。気にしないで」
その日はずっと、買い物をしている間”デート”という言葉が頭から離れなかった。
早速僕とアルカは、キキとカカが賭けていた新築の家を訪れていた。
「えーと、ここであってるんだよな……?」
冒険者ギルドまでほど近い、冒険者にとって最高の立地。そこに豪華な家が建っていた。
2階建て。白の漆喰が丁寧に塗られた壁。なんと庭までついている。
「凄いですよマスター、このキッチン、大理石で出来ています!」
「豪華だなぁ……。本当にこんな家もらってしまっていいのかなぁ……」
広いリビング以外の部屋は、2人分の部屋と別々の寝室、そしてゴーレム工房にするのに丁度よさそうな部屋が1つ。
寝室にはベッドも備え付けられていた。
のだが。
「待ってアルカ、なんでアルカの寝室にあったベッドを僕の寝室に運び込んでいるの!?」
アルカが自分の体よりも大きなベッドを、軽々と担いでいる。
「私は睡眠が不要なので、ベッドも不要です。マスターに広くベッドを使っていただこうかと思いまして」
「それは確かに」
ゴーレムであるアルカには、睡眠が必要ない。
これまで宿で僕が寝ている間、アルカには本を読んだり散歩してもらったりしていた。
「それに、ベッドが広ければマスターを起こす心配なく一緒の布団に潜り込むことができますし」
「なんだって!?」
冗談、だよな?
アルカは何食わぬ顔でベッドを隣り合わせて並べる。
本当に冗談、だよな……?
宿に置いてあった荷物を運び込む。
「さて、次は買い物に行こう。とりあえずまず、工房に置く作業机が欲しいな」
――――
商店エリア、家具職人の店。
「マスター、こちらの収納がたくさんついた大きい作業机はいかがでしょう?」
「これは……すごくいいな」
アルカが選んでくれた机は、収納レイアウトとても使いやすいように考えられている。
天板が石で作られていて頑丈だから、ハンマーを使う作業もこの上でできる。
「こんな机があれば作業効率もよくなるだろうけど……わぁ」
値段を見て思わず声が出てしまう。
金貨5枚。半年近く食っていけるほどの値段だ。
以前までの僕ならば、迷いもせずあきらめていただろう。
しかし、
「……店員さん、これ買います!」
今の僕には金貨130枚以上の貯えがある。
冒険者として、さらに上を目指すためにはよい設備を使うことも大事だ。
稼いだお金を武器や防具に投資できる冒険者が出世するんですよ、と前に冒険者ギルドの受付のお姉さんも話していた。
「お買い上げありがとうございます! さて早速荷馬車を手配しますので、少々お待ちを……」
「いえ、不要です」
石造りの机を、アルカがひょいと持ち上げる。
「え、ええ!?」
店員さんが思わず尻もちを着く。
支払いを済ませ、僕とアルカは街の人々の視線を集めながら机を持ち帰る。
部屋に置くと、これだけで熟練の職人の工房のような風格がでてきた。
これからこの机でどんなゴーレムを作ろうか、ワクワクする。
「買って良かったなぁ……!」
まだ使う前から、思わずこんな言葉が口から出てしまう。
そしてまた商店エリアへ行き、必要な家具を買い揃える。
「マスター、庭にも花などを植えてみませんか? 私、お手入れしますよ」
ガーデニング専門店の前を通ったアルカが提案する。
「いいね、帰ってから庭のレイアウトを一緒に考えよう」
「はい!」
――――
「少し疲れたな、ちょっと広場で休憩していこう」
露店で、2人分の飲み物を買い、噴水の隣のベンチで、少し休憩。
「色々家の家具の配置を考えるのって、楽しいな」
「はい、私も楽しいです。こうしていると、新婚夫婦みたいですね」
――新婚夫婦!?
僕は、飲んでいた紅茶を噴き出してしまった。
「こうして2人で広場でお茶しているのも、なんだかデートみたいですし」
――デート!?
「気を悪くされたならすみません。そう考えただけです。忘れてください」
「いや、大丈夫。気にしないで」
その日はずっと、買い物をしている間”デート”という言葉が頭から離れなかった。
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