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第28話 ゴーレム技師、超希少金属を山のように採掘してくる
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――ここは商店エリアの、とある武器屋。
逞しい体つきの青年が、火事場でハンマーを振るっている。
「おい、下手くそ。いつまでそんな下らないことしてるつもりだ」
青年に後ろから声をかけたのは、逞しい体つきの中年男性。青年の父親だ。
「うるせぇ! 俺は親父の後を継いで、立派な鍛冶屋になるんだ!」
「馬鹿言え。そんな腕前で何ができるんだ」
「なんだと!」
青年が父親に掴みかかる。
「親父も去年まで、俺の腕前を認めてくれてたじゃないか! 『お前なら俺よりずっと良い鍛冶屋になれる』って!」
「嘘に決まってるだろ馬鹿ガキ。いつまでもこんな仕事してると、”こう”なるぞ」
父親は、右足のズボンのすそを引っ張り上げる。
ズボンの中から、義足が現れた。
「鍛冶屋にとって必要不可欠なアダマンタイトだが、暑いわ毒ガスが出るわモンスターがいるわの火山には、冒険者だって行きたがらねぇ。仕方ないから俺たち鍛冶屋が自分で採掘しに行く。
だが、その結果がこれだ。落石にやられて右足とはおさらば。
踏ん張りがきかねぇから、鍛冶職人も引退だ」
「それでも、俺は鍛冶職人を続け――」
「馬鹿野郎!」
父親が、青年のほほを思い切りたたく。
「俺はまだ右足で済んで運がいいほうだ! アダマンタイトの採掘なんか行ったら、命の保証もねぇんだぞ」
「わかってんだよそんなことは!」
今度は青年が父親の顔を殴る。
「それでも俺は、鍛冶屋で喰っていくんだ! そして、親父のこの店を……国一番のでけぇ店にするんだ!」
「甘ったれたこと言いやがって!」
親子の間で、殴り合いが始まる。
「俺は絶対に火山で怪我なんかしないし死にもしねぇ! そんなやり方を考える!」
「何言ってやがるこの馬鹿息子! 『誰も怪我せず暑い思いもせず、家で待っているだけで安全にアダマンタイトを取って来てくれる人』でもいるっていうのか!?」
「あの、お取り込み中のところすみませーん」
のんきな声とともに、少年が店に入ってくる。
ナットだった。
「あの、誰も怪我せず暑い思いもせず、家で待っているだけで安全にアダマンタイトを取って来てくれるゴーレムを作ったんですが、よかったら使ってあげてくれませんか?」
ナットの隣には、採掘用ゴーレムも立っている。
「「……は?」」
硬直する親子。
「あと、ギルドに出していたアダマンタイト採掘クエストの納品です」
店の前に、アルカが台車を引いてきた。そこには、山盛りのアダマンタイトが積まれている。
「「……はあああああああああああぁ!?」」
逞しい体つきの青年が、火事場でハンマーを振るっている。
「おい、下手くそ。いつまでそんな下らないことしてるつもりだ」
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「嘘に決まってるだろ馬鹿ガキ。いつまでもこんな仕事してると、”こう”なるぞ」
父親は、右足のズボンのすそを引っ張り上げる。
ズボンの中から、義足が現れた。
「鍛冶屋にとって必要不可欠なアダマンタイトだが、暑いわ毒ガスが出るわモンスターがいるわの火山には、冒険者だって行きたがらねぇ。仕方ないから俺たち鍛冶屋が自分で採掘しに行く。
だが、その結果がこれだ。落石にやられて右足とはおさらば。
踏ん張りがきかねぇから、鍛冶職人も引退だ」
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父親が、青年のほほを思い切りたたく。
「俺はまだ右足で済んで運がいいほうだ! アダマンタイトの採掘なんか行ったら、命の保証もねぇんだぞ」
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今度は青年が父親の顔を殴る。
「それでも俺は、鍛冶屋で喰っていくんだ! そして、親父のこの店を……国一番のでけぇ店にするんだ!」
「甘ったれたこと言いやがって!」
親子の間で、殴り合いが始まる。
「俺は絶対に火山で怪我なんかしないし死にもしねぇ! そんなやり方を考える!」
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「あの、お取り込み中のところすみませーん」
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ナットだった。
「あの、誰も怪我せず暑い思いもせず、家で待っているだけで安全にアダマンタイトを取って来てくれるゴーレムを作ったんですが、よかったら使ってあげてくれませんか?」
ナットの隣には、採掘用ゴーレムも立っている。
「「……は?」」
硬直する親子。
「あと、ギルドに出していたアダマンタイト採掘クエストの納品です」
店の前に、アルカが台車を引いてきた。そこには、山盛りのアダマンタイトが積まれている。
「「……はあああああああああああぁ!?」」
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