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49 最後の四天王討伐戦
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※ちょっとえぐい表現がありますので、ダメな方はお戻りくださいませ。
駐屯地には一個連隊約千人の兵士がいる。多くはない。テントに泊まり翌日街に守備隊を残して、近くにある戦場予定の森と川に囲まれた平原に行く。
私の頭の中にジリジリジリと警報が鳴る。魔王軍の襲来であった。
ガリアの首都方面から魔王の最後の四天王ミシェル将軍の軍勢が来る。旗を立て威風堂々として立派である。
魔術師が全軍に防御の魔法陣を展開して、後方で支援する為後ろに下がる。私も軍の全体に結界がかかるよう「お立ち台~」を展開して後ろに下がった。
『ピヨ!』
鳥さんが飛んできて私の頭に止まった。
うん? 何だか鳥さんが大きくなったような気がする。というか、猫かぶりならぬ鳥かぶり状態になっている。防御か? 防御なのかっ!?
鳥さんは魔物な所為か重さを感じないのだけれど。
魔王には四天王と呼ばれる優秀な将軍が四人いた。しかし、忠誠を尽くした将軍は十数年前の戦争で魔王の為に死んだ。そしてこの前の冬の敗戦で謀略の将軍と忠実なる将軍の二人が死んでしまった。
残るひとりが魔王軍を率いてやって来たのだ。武闘派将軍ミシェルであった。
黒い軍馬に跨り剣と槍を手に敵兵の中に斬り込みをかけ、襲い掛かり撫で斬りにする。顔は怒りで赤く染まり、髪は燃えるように赤い。身体は大きく、長い腕で槍を振り回せば近付く者とていない、さながら赤鬼のようであった。
今の彼は魔物化したのか更に身体が大きく、筋肉隆々としていて、額には二本の角が生え、牙を剥き出しにした口といい、長い爪の生えた手といい、悪鬼として申し分ない。更に片手に持つのはトゲトゲの付いた金棒である。それを振り回し、降り下ろす。
『くたばれーーー!!』
怖い、一撃でやられちゃうよね。おまけに鬼なのでタフだ。少々の傷など物ともしない。更に大きい癖に素早いし。
みんなが一斉に砲撃を叩き込む。彼の引き連れていた魔物は一気に半減したが、
ミシェル将軍は砲撃を食らってもビクともしない。
この将軍は自軍の兵がどうしようが気にも留めない。命令も殆んど出さない。戦場に居ると人格が変わるとか、戦闘狂とかそんなタイプだろうか。
『おのれ、貴様ら許さんぞ!』
胸を反らせて息を吸い込むと『ゴウッ!』と勢いよく炎を吐く。
「わあぁぁ」
「熱い、熱い!」
兵たちが逃げ惑う。魔導士たちが水魔法で応戦する。ジュウジュウと水蒸気が上がる。
『効かん! 我には効かんぞ、わはっはっはーー!』
勝ち誇って嗤う赤鬼。
「赤鬼、死んじゃえーーー!!」
後方から私の死んじゃえ攻撃をかける。氷ではなく雷でもなく、水になった。彼の燃え上がる身体に水がドバドバと襲い掛かる。
ドバドバドバーーー!!
『うがあああーーー!』
ジュワジュワジュワ……。
燃え上がる身体に水がかかって蒸気が上がる。
「赤鬼、死んじゃえーーー!!」
ドシャドシャドシャーーー!!
『うごおおおおーーー!』
シュンシュンシュン……。
赤鬼はシュンと冷えて黒鬼になった。それはそれで怖かった。太い腕を伸ばすとそれが金棒のようになった。鬼に金棒だ。腕をまくって振り回しながら周りを見る。その目が私を捕らえた。
『貴様だな?』
真っ直ぐ私に狙いを定めた。突進してくる。
こっち来る、そう思った時、ヴィリ様が馬を駆って私を拾い上げた。逃げる。鬼が追いかけて来る。木々の間を駆け抜けると、バキバキと木をへし折って真っ直ぐに駆けて来る。風圧が凄い。
私の「無礼者! 許しませんぞ!」攻撃。黒い鬼は少し怯んだ。しかし、尚更いきり立って赤黒い顔で追いかけて来る。ヴィリ様がライフルを出して応戦する。
「ドンッ!」
『ぎゃ!』
「もう一丁! ドンッ!」
『ぐぎゃ! オノレオノレオノレーーー!!』
黒鬼はますますいきり立った。耳やら鼻から蒸気を吐き出して、真っ黒な機関車のようになって向かって来る。
「あれはプルーサ公国の倉庫で見たアドラーに似ているが」
ヴィリ様が言う。
「蒸気機関車ですか?」
「そうか、後で聞こう」
ヴィリ様は馬を走らせる。
『シューシュー、ピーピー、ガッタン、ガッタン、シュポシュポ』
ヤバイ。逃げるしかない。しかし機関車は早い。線路がないのに、無いから余計に速いのか。『シュボシュボ!』言いながら蒸気を吐きながら、追いかけて来る。
「線路がないのに、何でー!?」
みんなが弾を撃つが弾き返してしまう。鋼鉄の肌なのかー!
今にも追い付かれそう。汽車に轢かれてしまう。
「エマ、私が降りるから──」
「いや、無理。降りるなら私を──」
抱き合ったまま逃げる。
『貴様ら、許せん!』
何を怒っているのか余計に『ブシュブシュブシュシュシュ!』と蒸気を吐いた。
「誰かーーー!」
頭に乗っかっていた鳥さんが、剥がれるように落ちた。
「鳥さん!」轢かれちゃうよ。
『ガオオオォォーーーン!!』
その時、何と、キリルの鳥さんが変身したのだ。
「「「「クロウ・ニュクス?」」」」
それはあの博物館で見た幼獣と違ってすさまじく大きい。羽根は白く雪のようで神々しいまでに美しい。空に向かって一声咆哮する。
『ゴオオオオオオンーーー!』
轟々と響き渡る。
クロウ・ニュクスの長い尻尾が黒い鬼を捕まえたのだ。
鳥さんの攻撃。尻尾巻き付け攻撃。鬼をぎゅうぎゅうに締め付けた。
尻尾振り回し攻撃。バタンバタンと鬼の身体を振り回してそこら中にめったやたらと打ち付けた。
『グシャ、グショ、ベチャ!』
途中でヴィリ様が私に目隠しをした。凄まじい攻撃であった。
鬼の身体は原形を留めないほどにボロ屑のようになって息絶えた。
鳥さんの大勝利であった。
駐屯地には一個連隊約千人の兵士がいる。多くはない。テントに泊まり翌日街に守備隊を残して、近くにある戦場予定の森と川に囲まれた平原に行く。
私の頭の中にジリジリジリと警報が鳴る。魔王軍の襲来であった。
ガリアの首都方面から魔王の最後の四天王ミシェル将軍の軍勢が来る。旗を立て威風堂々として立派である。
魔術師が全軍に防御の魔法陣を展開して、後方で支援する為後ろに下がる。私も軍の全体に結界がかかるよう「お立ち台~」を展開して後ろに下がった。
『ピヨ!』
鳥さんが飛んできて私の頭に止まった。
うん? 何だか鳥さんが大きくなったような気がする。というか、猫かぶりならぬ鳥かぶり状態になっている。防御か? 防御なのかっ!?
鳥さんは魔物な所為か重さを感じないのだけれど。
魔王には四天王と呼ばれる優秀な将軍が四人いた。しかし、忠誠を尽くした将軍は十数年前の戦争で魔王の為に死んだ。そしてこの前の冬の敗戦で謀略の将軍と忠実なる将軍の二人が死んでしまった。
残るひとりが魔王軍を率いてやって来たのだ。武闘派将軍ミシェルであった。
黒い軍馬に跨り剣と槍を手に敵兵の中に斬り込みをかけ、襲い掛かり撫で斬りにする。顔は怒りで赤く染まり、髪は燃えるように赤い。身体は大きく、長い腕で槍を振り回せば近付く者とていない、さながら赤鬼のようであった。
今の彼は魔物化したのか更に身体が大きく、筋肉隆々としていて、額には二本の角が生え、牙を剥き出しにした口といい、長い爪の生えた手といい、悪鬼として申し分ない。更に片手に持つのはトゲトゲの付いた金棒である。それを振り回し、降り下ろす。
『くたばれーーー!!』
怖い、一撃でやられちゃうよね。おまけに鬼なのでタフだ。少々の傷など物ともしない。更に大きい癖に素早いし。
みんなが一斉に砲撃を叩き込む。彼の引き連れていた魔物は一気に半減したが、
ミシェル将軍は砲撃を食らってもビクともしない。
この将軍は自軍の兵がどうしようが気にも留めない。命令も殆んど出さない。戦場に居ると人格が変わるとか、戦闘狂とかそんなタイプだろうか。
『おのれ、貴様ら許さんぞ!』
胸を反らせて息を吸い込むと『ゴウッ!』と勢いよく炎を吐く。
「わあぁぁ」
「熱い、熱い!」
兵たちが逃げ惑う。魔導士たちが水魔法で応戦する。ジュウジュウと水蒸気が上がる。
『効かん! 我には効かんぞ、わはっはっはーー!』
勝ち誇って嗤う赤鬼。
「赤鬼、死んじゃえーーー!!」
後方から私の死んじゃえ攻撃をかける。氷ではなく雷でもなく、水になった。彼の燃え上がる身体に水がドバドバと襲い掛かる。
ドバドバドバーーー!!
『うがあああーーー!』
ジュワジュワジュワ……。
燃え上がる身体に水がかかって蒸気が上がる。
「赤鬼、死んじゃえーーー!!」
ドシャドシャドシャーーー!!
『うごおおおおーーー!』
シュンシュンシュン……。
赤鬼はシュンと冷えて黒鬼になった。それはそれで怖かった。太い腕を伸ばすとそれが金棒のようになった。鬼に金棒だ。腕をまくって振り回しながら周りを見る。その目が私を捕らえた。
『貴様だな?』
真っ直ぐ私に狙いを定めた。突進してくる。
こっち来る、そう思った時、ヴィリ様が馬を駆って私を拾い上げた。逃げる。鬼が追いかけて来る。木々の間を駆け抜けると、バキバキと木をへし折って真っ直ぐに駆けて来る。風圧が凄い。
私の「無礼者! 許しませんぞ!」攻撃。黒い鬼は少し怯んだ。しかし、尚更いきり立って赤黒い顔で追いかけて来る。ヴィリ様がライフルを出して応戦する。
「ドンッ!」
『ぎゃ!』
「もう一丁! ドンッ!」
『ぐぎゃ! オノレオノレオノレーーー!!』
黒鬼はますますいきり立った。耳やら鼻から蒸気を吐き出して、真っ黒な機関車のようになって向かって来る。
「あれはプルーサ公国の倉庫で見たアドラーに似ているが」
ヴィリ様が言う。
「蒸気機関車ですか?」
「そうか、後で聞こう」
ヴィリ様は馬を走らせる。
『シューシュー、ピーピー、ガッタン、ガッタン、シュポシュポ』
ヤバイ。逃げるしかない。しかし機関車は早い。線路がないのに、無いから余計に速いのか。『シュボシュボ!』言いながら蒸気を吐きながら、追いかけて来る。
「線路がないのに、何でー!?」
みんなが弾を撃つが弾き返してしまう。鋼鉄の肌なのかー!
今にも追い付かれそう。汽車に轢かれてしまう。
「エマ、私が降りるから──」
「いや、無理。降りるなら私を──」
抱き合ったまま逃げる。
『貴様ら、許せん!』
何を怒っているのか余計に『ブシュブシュブシュシュシュ!』と蒸気を吐いた。
「誰かーーー!」
頭に乗っかっていた鳥さんが、剥がれるように落ちた。
「鳥さん!」轢かれちゃうよ。
『ガオオオォォーーーン!!』
その時、何と、キリルの鳥さんが変身したのだ。
「「「「クロウ・ニュクス?」」」」
それはあの博物館で見た幼獣と違ってすさまじく大きい。羽根は白く雪のようで神々しいまでに美しい。空に向かって一声咆哮する。
『ゴオオオオオオンーーー!』
轟々と響き渡る。
クロウ・ニュクスの長い尻尾が黒い鬼を捕まえたのだ。
鳥さんの攻撃。尻尾巻き付け攻撃。鬼をぎゅうぎゅうに締め付けた。
尻尾振り回し攻撃。バタンバタンと鬼の身体を振り回してそこら中にめったやたらと打ち付けた。
『グシャ、グショ、ベチャ!』
途中でヴィリ様が私に目隠しをした。凄まじい攻撃であった。
鬼の身体は原形を留めないほどにボロ屑のようになって息絶えた。
鳥さんの大勝利であった。
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