推しの完璧超人お兄様になっちゃった

8歳

34

少しだけ背伸びをして腰と肩を鳴らす。
もう少し余裕が出たら整体師とか雇いたいな。外傷は神官やポーションで治せるけど普通の病気は治んないからちゃんと医者とかはいるんだよ。現世ほど目立つ職ではないけど。

寝室の地下に作ったラボ。ここは本当は逃げ道になるはずだったんだけど僕が改造しまくった。もちろん隠し通路は使えるようにはしてるけど隣の部屋も僕のラボになりそう。
母様にバレたら殺されかねない代物。

アルフレートにも知られてない本気の秘密基地だよ。
実は前世から作ってみたかったんだよね。前世はツリーハウスみたいな秘密基地に憧れたものだ。
今はどこも石壁だけどこれはこれであり。だって降りる階段は決まった順番に本を押し込むことで開く。
いや。普通にさ。歳頃の男児としては興奮するじゃん。


背伸びをしながら階段を上がって寝室に戻る。
それでベットの隣に置いてある魔法の鈴をチリンとならす。これでアルフレートが来るはず。

あー疲れた。体力疲れと言うよりも気疲れだな。

少しだけ眠ろう。どうせアルに起こされる。

僕はどうしても癖が抜けなくて部屋ではスリッパを着用してる。
染み付いた習慣からかなんか靴って窮屈に感じちゃうんだよね。あとお風呂の後は靴を履きたくない。なんかヤダ。


アルフレートが来たら獣人の種類を聞き出して獣人のご飯用意しないと。まだご飯は余ってるかな。アルフレートに頼まないと。
それとカイロの試作品を渡して感想聞かないと。僕はよくできたと思ったけど極寒の地では役に立たないかもしれない。あの規模でいいなら大きくできるし。でも必要魔力が増えちゃう。色々考えないと。魔力が貯められるものがあれば便利なんだけど。やっぱり錬金術師を集めないとどうにも始まらないかも。

あと…テオ…さ…ま………すぅ……。













━━━ﾁｭﾝ
━━━━━━ﾁｭﾝ  ｺﾂｯ

うぅ。うるさい。僕が寝てんのに騒がしくしないで欲しい。


｢うぅ。アルフレート、いないの？｣

返事がないから鈴を鳴らす。どこだ。いつもはベットの脇の棚に置いてある。
目覚まし代わりの紅茶が欲しい。


うーん。頭が冴えてきた。アルが来る前に起きようか。


定位置に脱ぐスリッパを足で探るけど当たらない。どこに脱いだんだ？
というか昨日、僕アルを待ってた気がするんだけどいつ眠ったんだろう。



コンコンとドアを叩く音がする。
どうせアルフレートだ。僕は朝は返事をしないから勝手に入ってくるだろう。


｢アル、僕のスリッパがないの。｣

｢あぁ。昨日私が来た時には眠られていましたのでこちらに移動させました。｣

そう言ってベットの下に入れられてたスリッパを取りだして履かせてくれる。

｢昨日…あ、わんちゃん。アルフレート、テオが来たら今日は一緒に朝ごはん食べられないって言っといて。それとメイドに2人分のご飯持ってこさせて。｣

｢承知致しました。では手早く着替えましょうか。｣

はいはい。今日は少しだけ早く起きたのに昨日の夜にやり残したせいでやることが1つ増えた。
朝やるのは効率的だけどなんか夜の方がやった感出るんだよね。どっちにせよ、しんどい。