推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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12歳《中等部》

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「では、放課後は興味のおる部活動の見学を各自行ってください。」

やっと終わった。先生と言い陛下と言いなんで立場のある人は話が長いんだろ。簡潔に話せばいいのに。とはいえ、それが貴族のマナーだから理解はしてるよ。ただ長いなぁって思うだけで。

「部活動って各自で見学なんだね。」

「多いからな。1個1個紹介なんてしてらんねぇだろ。」

ふぅん。そういうものなのか。
部活。僕楽しみにしてるんだよね。というより、顔に出さないようにしてるけど学校そのものが結構楽しみ。前世でも味わえなかったから青春ってイメージが強いからかな。
でも今更この身分で本当の友達なんて作れるとは思ってない。僕がそんなに社交的じゃないのもあるし、貴族たちは利益でしか動かない。例外はいるけどお人好しは家紋ごと潰されて終わりだ。ただ、作りたいなぁって思うくらいは許して欲しい。

「友達できるといいね。」

「お前、そんな夢見がちだったか?」

「僕は元々ロマンチストだよ。」

失礼だね。
でも僕ならそうだけどクラウスなら違うこと言うんだろうな。想像がつく。

「兄上、ルディ様!お待たせ致しました。」

話してたらテオ様の教室も終わったらしい。
テオ様の担任は僕らの担任よりもすっごく話が長いらしい。圧力かけて黙らせたらいいのに。テオ様なら殺気だろうが敵意だろうが出せるのに。出さないところが人の良さを表してる。

「待ってないよ。」

「早く行こうぜ。どこから行く?」

そりゃあまずは第1皇子殿下の行きたいところでしょ。聞かれても困る。

「今日は時間あるしルディが行きたがってたとこ一通り回ろうよ。」

「では明日は兄上の興味があるところに行きましょう。」

「最後にテオだな。」

ルディは魅力も傲慢さもあるのに人がいいから困るな。特に心を許した相手には意見を聞いてくる。
王として良くも悪くもあるけど僕個人としては友達って感じがしてルディの好きなところでもある。
ゲームでもこういうところ好きだったな。平民出身の主人公にも貴族にもみんなに傲慢だけどたまぁに人の良さが出てくるとことか特に良かった。

「ルディのそういうところ尊敬するよ。僕は怖がられる方が先だから。」

「威厳がねぇって言ってんのか?」

「違うよ。普通に褒めてる。」

「お前が言ったら嫌味にしか聞こえねぇよ。」

本当に失礼だな。
僕は基本、本音を話してるよ。おだてる時は嘘つくけど。


「テオも今の嫌味に聞こえただろ?」

「兄上がなんでも出来てしまうせいですかね。」

それテオ様にも嫌味に聞こえたってことじゃん。

なんでだろう。こんなに本音しか言ってないのに。テオ様にまでそう聞こえたなら気をつけないといけない。テオ様にだけは嫌われたくないんだもん。

「フットボール部、ここですよ。校庭でやってるらしいです。あの柵の向こうがクリケットみたいですね。」

案内してくれるテオ様やっさしい。可愛いし優しいなんてモテモテだね。

にしても、みんなすごい走ってる。準備運動なのかな。師範が初めにさせてくるやつより楽そうだけどあれに混ざるのかな。

「殿下!部活動のご見学でしょうか?」

「あぁ。楽しみにしている。」

皇子らしい雰囲気を出して教師に微笑みかける。さすがだな。

フットボール部は本当に眺めるだけ。ルディも参加できないと分かったのか興味がクリケットに移ったところでそっちに行くことにした。

「ボールくらい触ってみたかったな。」

まぁ、皇子に怪我させたら罪になるからね。今はまだ陛下からの許可証もないしできなかったんだろう。

「入部したらできるよ。」

うっせぇと蹴られた。皇子の癖に足癖が悪い。フットボール、きっと向いてるよ。入部届け出してくればいいのに。

「次はクリケット、その後バスケな。」

「仰せの通りに。」

刻魔法で蹴られる前に戻して痛みを消す。というか本気で蹴られた。前世なら足が折れてたかも。多分今の魔法で強化してた。容赦ないな。






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