剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

プロローグ 学園編までの生活

第30話 あれから1週間

～1週間後～

「今から病院の人が来てくれます」

「え？」

左肩の骨が砕けた為、ベットの上で授業を受ける事になったクロウは、リーゼに教材を読んでもらいながら1週間のんびりと過ごしていた。

そんな中でメイディが掃除する為に部屋に来たついでに教えてくれた。

「リーゼとラピナスは知ってた？」

「いえ、知りませんでした」

「私も知らないよ？」

ちなみにラピナスはリーゼの氷魔法で全身大怪我を負った為、クロウの部屋で療養している。

「ラピナスはともかく、リーゼも知らなかったのか」

「彼女はずっとここにいますからね」

「すみません」

ラピナスは本来ラピナス用の部屋があったのだが、クロウの話し相手としてクロウの部屋に移動してもらった、変な事をしようとも動けない為、特別に許可を貰ったのだ。

「でも何で医者が来てくれるんだ？」

「はい、クロウ様が怪我をなさったので奥様に相談してラピナスの給料から差し引く形で呼んでいただきました」

「え？」

メイディの言葉にラピナスは驚く、しかしこればかりは自業自得でしかない。

「当然です、私達のクロウ様にこんな事をしたんですから、むしろ感謝してください」

「な…なんで？」

「なんで？って、奥様を筆頭にここに暮らしているメイド達全員が貴女のことを(自主規制音)の(R18用語)の(良い子は聴いてはいけない)だったんですよ？」

子供クロウのいる前で教育に滅茶苦茶悪い事を言うメイディだが、それくらいクロウの家族達は心配してくれたのだろう。

「リーゼがラピナスをフルボッコにしたお咎めは？」

「給料3ヶ月半分です」

「クビになるよりはマシですね」

給料形式にしている為、そこからの罰則になっているらしい、ちなみにラピナスは医者代だけでなく、1年間は無償で働かないといけないらしい。

「クビにしてもいいのですが、ラピナス様が無償でもいいからクロウ様に剣術を教えたいと言う事でしたので、こう言う形にしました」

「なるほど、でも何でラピナスはそこまでして教えてくれるんだ？」

「君はもっと強くなれる、それを私は近くで見てみたいんだ、もちろんしっかりと教えるし、この前の様なことはしないけど剣術指導としての模擬戦はやらせてもらうよ？」

それくらいなら別にいいだろう、むしろそこまで期待してくれるのは正直に言って嬉しい、未来の事を考えればクビにしたほうが良いだろうが、失望させる形にすれば良い為、この辺りは大丈夫だろう。

「わかった、治ったら今度こそよろしく頼むよ」

「分かったわ、じゃあまずはその医者の所へ行かなくちゃね」

「メイディ、車椅子用意して」

「かしこまりました」

クロウはそう言うとリーゼに支えてもらいながら部屋の外に出る。

「では、ラピナス様はこちらに」

「…動けないので介助お願いします」

「仕方ないですね」

やれやれと言った感じでメイディはラピナスを車椅子へ移動させる、触るだけで痛みが出るらしいが、ここは我慢してもらう。

「治るまでの辛抱です、我慢してください」

「分かってるわ…ヒグッ！？」

「あと、夜にクロウ様を襲ったら…分かってますね？」

「分かってる！分かってるから！！いだだだだだだだ！！！！」

ただ肩を何回も普通の力でポンポンと叩いているだけだが、その激痛は凄まじく、ラピナスは悶え苦しんでいた。

「分かっているなら良いのです、では行きましょう」

「…ゆっくりな？」

「段差ありますけど我慢してくださいね？」

「ゆっくりな？」

「階段とかヤバいですけど耐えてくださいね？」

「頼むから命大事にな！！」

そんな言葉を聞いて「ニコッ」と笑うだけで、とてつもなく命の危険を感じたが、その後の行動は公爵家のメイドに相応しい行動で、痛みを感じさせない様に最大限の配慮をしてもらった。

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「最初からこうして欲しかった…」

「次からは気をつけます」

「いやもう治してもらうからね！！！」