剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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プロローグ 学園編までの生活

第31話 三度目の正直と二度あることは三度ある

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~1階玄関~

「…えーと、この人は?」

「王都でも有名なユーナ先生です」

「初めまして、わたくし王都で医者をやらせていただいていますと申します」

もしかしてこの世界の神様か、地球の神様のどちらかが自分を異世界テンプレ小説の主人公にしようとしているんじゃあないか?

そう思ってしまう程、この奇妙な出会いは説明が出来ない。

(ユーナ•クリスティナ…リーゼやラピナスと同様にラグナロク•オリジンのヒロインキャラクター、これで3回目、いい加減この状況を怪しまないと可笑しい)

ユーナ•クリスティナ
ラグナロク•オリジンのヒロインキャラクターの1人、回復魔法の使い手でヒーラーとして大いに役に立つ。

属性も"回復"と言う攻撃型ではなく、支援型に特化した属性だ。

火属性でも薪に火を起こしたり、お風呂を沸かしたりと支援に近いものはあるが、回復属性はそれとは違う、

それが、人体の治療だ。

「貴方がクロウ様ですね」

「はい、本日はありがとうございます」

「いえ、これも仕事ですから」

死者蘇生は出来ないが、自然治癒力で治るものや、病気や手術で治るもの程度なら、短期間で治す事が出来る。

ただし人体が大きく損傷していたり、未知の病気などには効果はない
聖女や賢者といった回復属性を極めた人達ならゲームのシステム上可能だが、実際にはそれが本当かはわからない。

「では、客室に案内いたします」

「はい、わかりました」

玄関でやるなんて失礼だ、取り敢えず皆が座る事が出来る客室に行くことにした。

(彼女は魔法使いではなく、僧侶、回復と後方支援向けの初心者向けヒロイン…まさかもう出会う事になるなんてな)

ラグナロク•オリジンで彼女を攻略する場合は保健室に行き、彼女との交流を深めるか、探索パートの時に彼女の診療所に行き、彼女と親密になる必要性がある。

クロウも嫌がらせ行為をする為に怪我もしていないのにわざと来たり、主人公の邪魔をして大怪我を負わせたりして、その行為を見たユーナが主人公を助けて心を通わせていき、

最後には回復薬と称して毒を持って主人公を殺そうとしたクロウが誤って自分で飲んで自滅すると言う最後を(クロウが)迎える(勿論生きているし、そのまま追放される)

RPG編では勇者の支える仲間となり、ゲーム初心者にとって彼女の回復系等の支援はかなり助かり、救済措置ヒロインとしてもかなり優遇されている。

(今回は治療をしてもらうだけだ、変な事さえしなければ彼女とはここでさようならだ)

彼女の気を引こうとして、様々な事をしていた(ゲームの)クロウだが、それはつまり今はそんな事をしなくても良いと言う事だ。

勿論学園編では(本当はしたくないが)ゲームのシステム上、誰かが悪役をやらないと勇者が仲間を作れない、好感度が上がるイベントは殆どクロウが関わっている。

(なんでコイツはこんな事をしてんだよ…全く)

異世界転生するのなら、せめてモブにしてほしかった。

主人公?…絶対に嫌だ、だって勇者として魔王を倒しに行かないといけないし、魔物達は強いし、ヒロインとイチャイチャ出来るけど、負けたら死ぬし、倒すまで冒険を続けないといけない。

こんなのただの罰ゲームだろ?
日本ではただの学生で、旧日本軍みたいに日本を守る為に命をかけて戦ったことはないし、自衛隊みたいに世界各国に行って支援なんてした事ない。

ただ朝起きて大学行って、講義受けて、家に帰ったらゲームをする、戦争とは無関係な人間が「人類の希望勇者」として旅立つなんて、無理に決まっている。

「こちらです」

「ありがとう」

もう1人のメイドがドアを開けたユーナを中に入れる、その後にクロウ、リーゼ、ラピナス、メイディの順に入っていく。

「では、治療を始めましょう」

「はい、よろしくお願いします」

良かった、今回はこれで終わりそうだ、彼女には悪いけどヒロインとは関わりたくないんだ。

——————————————————————
メイディ、リーゼ、ラピナスの一人称を次回から変更します、ご了承ください。
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