剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第1章 学園編の物語

第66話 要求

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「では、俺の勝ちでいいですね?」

「ハァ…ハァ…はい…貴方の…勝ち…です」

 フィオナは本気を出したが剣ぺろバグによるステータスアップと日々の努力が重なってクロウに勝つ事が出来なかった。

 仕方のない事だ、ゲーム上ラピナス達のステータスが本格的に上がるのは魔王討伐の為に冒険に出るRPG編の時だ、

 学園編ではそこまで上がる事はない
 その為ラピナスのステータスも平均として低い。

 しかしクロウはゲームの知識と漫画やゲーム、小説などによるいわゆる「な○う系」のテンプレを使って地道に強くなって来た。

「まぁ、これが修行の成果ってやつかな?」

「ぼくの教え方が上手かったんだね」

「その通りです、だから服着てください」

 否定はしない、自分1人の力で強くなったなんて思った事はない、全てはみんなのおかげだ。

 メイディと言うメイドがずっと支えてくれた
 ラピナスが剣術を教えてくれた
 リーゼが魔法を教えてくれた
 ユーナが治療を教えてくれた
 だからこそ強くなれたのだ。

 (まぁその恩を仇で返すんだけどね?)

 マジなクズな事を思っているが、彼の目標は『悪役貴族として活躍してあとは優雅に追放ライフを送る』だ。

 何回も言うが魔王討伐と言う少年時代に憧れたであろう名誉なんて、「戦争するから最前線で戦って来て」と自殺しにわざわざ行くようなもんだ、絶対に行きたくない。

「仕方ないですねぇ」

「仕方ないじゃない、今後はアンタの事痴女先生って呼ぶからな」

 本来ならずっと寝取られエロゲの気持ちの悪い生徒の様な発言をずっとし続けないといけないのだが、それは流石に(教師と生徒の関係が長った為)無理な為、最低限出来る事をする。

「やめてください!」

「服を着る事を拒んだ自分を恨んでください」

 それに、模擬戦をする前から言っていた事だ、あの時に服を着る事を了承していればこんな事にはならなかった。

「まぁこれで痴女先生の処遇は決まったな」

「痴女じゃありません!」

と、周りからすれば痴女にしか見えない格好のラピナスはリュークが用意した毛布を借りて上に羽織る。

「…え?リューク、いつ持って来たの?」

「ミオさんに頼んで持って来てもらいました」

「どーせあたくしは暇人ですから」

「そうなのか気が利くなリューク」

「おーい!」

クロウはそう言って感心する。
まぁ2対1と言う感じだったからリュークには時間があったのは分かるけど、ラピナスの為に毛布を持って来るのが、流石主人公みたいな感じでいい。

「この伝説のスーパー途轍とてつもなく凄い天才美少女であるあたくしがいればこんなもんですよ!」

「あとはフィオナ様、貴女にも何かしないといけませんね」

「ハァッ⭐︎」

「…好きにしなさい、どうせ碌でもない事でしょ?」

碌でもない事とは心外だ、確かにまだ悪役貴族としての行動は出来ていない、しかし"ヒロイン“はまだまだいるし、フィオナやミオの様な間違えて交流を持ってしまっても(悪い意味で)挽回のチャンスはある。

「お前にとっての俺はどんな人物なのかよ~く分かる台詞だな、要件は簡単だ俺に付き纏うな、正直面倒だ」

「貴方に勝つまでは辞めませんけど?」

「負けた人間が口答えするの?」

ちゃんと敬語を使ってやろうと思ったけどやっぱり却下だ、こんな女に敬語なんて勿体無い。

「負けたと私は認めてませんから」

「だったらまたやるか?今度こそその腐った性根を叩き直してやるよ(特大ブーメラン)」

「良いわ、貴方みたいな人間には一回痛い目に遭わせないと理解出来ないみたいね(特大ブーメラン)」

そう言って睨み合う2人クロウとフィオナ、相手に対する好感度は高くないが、逆に信頼度が上がってしまっている事に気づいていない為、クロウにとってもフィオナにとっても厄介な関係になってしまった。

——————————————————————
(クロウ様って意外とモテるのってやっぱり無意識なのかなぁ…)←模擬戦ずっと見てた人クロウのメイドのメイディ
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