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第2章 前途多難な1年目
第89話 状況変化
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~食堂~
1ヶ月も経つとここでの生活も段々と慣れてくる。
他の貴族達も最初は王族や公爵家の人達がいるせいで緊張している人が多かったが今では普通に食べている。
「悪役貴族として活躍する俺は周りから煙たがれる存在に…」
「なりませんね」
良い事はしていないが、悪い事もしていない、その為『口は悪いが悪い奴ではない』と言う悲しいレッテルを貼られている。
「何故だ!?」
「クロウ様がリューク様達に危害を一切加えないからですよ」
そうやろうとしたが結局口でミオ達を見下しながら煽る程度で実際に実害を与えていたのはクラスメイトや同級生、上級生の貴族達だ。
平民の人達からは『羨ましい』と言う羨望の眼差しをもらっているが、軽蔑ではなく憧れなので除外する。
「加えようとしたんだよ?」
「そう思っただけですよね?思うだけなら誰でも出来ます」
その通りだ、思う事は誰でも出来る、例えると太ってしまった人が『ああ、痩せてぇなぁ』と思っている人と同じだ。
加えて言うとそう言う人ほど『明日やろう』とか『ご褒美』とかで結局やらないでぶくぶくと太るのだ。
つまり何が言いたいかと言うと、↑の様な状況が今のクロウと酷似しているのだ、一応行動には移しているが、↑に例えると痩せる為に歩く距離を少し増やした程度と大差ないのだ。
「そうなんだけどねぇ」
悪役貴族として生きようと決めたのは良いものの結局は中途半端で止まっている、やはりそこが1番いけないのだ。
(日本にいた頃はこんなのとは無縁の生活だったからなぁ)
日本にいた頃は悪役貴族のクロウの様な事はしなかったし、虐めもやる側ではなく守る側だった。
だからこそその真逆な行動にはどうしても抵抗感がある。
(だからと言って知っている歴史から知らない歴史に変わるのを黙って見ているのは絶対に嫌だ)
「あーあボタン一つで好感度がマイナスになるスイッチとかないかなぁ」
「何ですかそれ」
「夢の中で見た小説の内容」
確か『嫌われスイッチ』とか言われるものだ、元々好感度が高い人達でもそのボタン一つで平気で命を奪うくらいに嫌われる、今のクロウが喉から手が出る程欲しいものだ。
「そんな恐ろしいものが欲しいんですか?」
「恐ろしくないよ本気で殺しにくるだけだから」
「それ本当に大丈夫なんですか!?」
実際は大丈夫じゃない、
鎮守府の提督だったり、アイドルのマネージャーだったり、英霊のマスターだったりと、そう言った人達が突然好意を抱いていた人達に嫌われると普通なら死んでもおかしくない程の暴力を受けている。
「大丈夫だよ、俺には剣技も魔法もある、いざとなれば戦うさ」
「それでも複数人相手だと危険ですよね?」
「…だから魔法で逃げるんだよ」
現時点のステータスがどれくらいあるのか分からないし、MPがどれくらい上がっているのかは分からない、しかし相当鍛えているのだから学園から逃げるくらいは出来るだろう。
「まぁ実際はそんな薬はないからそこまで焦る必要ないんだけどね」
「それなら良いんですが…」
そんな事を話しつつ朝の定食を受け取って席に着く、そうすると…
「おはよう、クロウ君」
「ごきげんよう、元気かしら?」
「…お前らが来たせいで体調が悪くなった」
いつもの2人がこちらに来る、しかも朝食を持っている。
「うん、元気そうで良かったよ~」
「悪くなるのは良い事だわ、その減らず口が減るのだから」
この2人はクロウの言葉にも何の変化も示さなくなった、性格が捻くれているだけだと本気で思われているのだ。
「おはようございます、ミオ様、フィオナ様」
「ボクの事も忘れないでよね!」
そして途中からシャルがやって来る
この世界の主人公であるリュークがここに居ないせいで、彼女達はこちらに来てしまう。
(はあ、どうしてこうなった)
仮に悪役貴族らしい事をしてなくても、好かれる様な事は全くしていないのに、ヒロイン達が集まるのは何故なのだろうか?
不安と疑問で頭がいっぱいだが、取り敢えず授業に遅れない様に朝食を取るとしよう。
——————————————————————
続く
1ヶ月も経つとここでの生活も段々と慣れてくる。
他の貴族達も最初は王族や公爵家の人達がいるせいで緊張している人が多かったが今では普通に食べている。
「悪役貴族として活躍する俺は周りから煙たがれる存在に…」
「なりませんね」
良い事はしていないが、悪い事もしていない、その為『口は悪いが悪い奴ではない』と言う悲しいレッテルを貼られている。
「何故だ!?」
「クロウ様がリューク様達に危害を一切加えないからですよ」
そうやろうとしたが結局口でミオ達を見下しながら煽る程度で実際に実害を与えていたのはクラスメイトや同級生、上級生の貴族達だ。
平民の人達からは『羨ましい』と言う羨望の眼差しをもらっているが、軽蔑ではなく憧れなので除外する。
「加えようとしたんだよ?」
「そう思っただけですよね?思うだけなら誰でも出来ます」
その通りだ、思う事は誰でも出来る、例えると太ってしまった人が『ああ、痩せてぇなぁ』と思っている人と同じだ。
加えて言うとそう言う人ほど『明日やろう』とか『ご褒美』とかで結局やらないでぶくぶくと太るのだ。
つまり何が言いたいかと言うと、↑の様な状況が今のクロウと酷似しているのだ、一応行動には移しているが、↑に例えると痩せる為に歩く距離を少し増やした程度と大差ないのだ。
「そうなんだけどねぇ」
悪役貴族として生きようと決めたのは良いものの結局は中途半端で止まっている、やはりそこが1番いけないのだ。
(日本にいた頃はこんなのとは無縁の生活だったからなぁ)
日本にいた頃は悪役貴族のクロウの様な事はしなかったし、虐めもやる側ではなく守る側だった。
だからこそその真逆な行動にはどうしても抵抗感がある。
(だからと言って知っている歴史から知らない歴史に変わるのを黙って見ているのは絶対に嫌だ)
「あーあボタン一つで好感度がマイナスになるスイッチとかないかなぁ」
「何ですかそれ」
「夢の中で見た小説の内容」
確か『嫌われスイッチ』とか言われるものだ、元々好感度が高い人達でもそのボタン一つで平気で命を奪うくらいに嫌われる、今のクロウが喉から手が出る程欲しいものだ。
「そんな恐ろしいものが欲しいんですか?」
「恐ろしくないよ本気で殺しにくるだけだから」
「それ本当に大丈夫なんですか!?」
実際は大丈夫じゃない、
鎮守府の提督だったり、アイドルのマネージャーだったり、英霊のマスターだったりと、そう言った人達が突然好意を抱いていた人達に嫌われると普通なら死んでもおかしくない程の暴力を受けている。
「大丈夫だよ、俺には剣技も魔法もある、いざとなれば戦うさ」
「それでも複数人相手だと危険ですよね?」
「…だから魔法で逃げるんだよ」
現時点のステータスがどれくらいあるのか分からないし、MPがどれくらい上がっているのかは分からない、しかし相当鍛えているのだから学園から逃げるくらいは出来るだろう。
「まぁ実際はそんな薬はないからそこまで焦る必要ないんだけどね」
「それなら良いんですが…」
そんな事を話しつつ朝の定食を受け取って席に着く、そうすると…
「おはよう、クロウ君」
「ごきげんよう、元気かしら?」
「…お前らが来たせいで体調が悪くなった」
いつもの2人がこちらに来る、しかも朝食を持っている。
「うん、元気そうで良かったよ~」
「悪くなるのは良い事だわ、その減らず口が減るのだから」
この2人はクロウの言葉にも何の変化も示さなくなった、性格が捻くれているだけだと本気で思われているのだ。
「おはようございます、ミオ様、フィオナ様」
「ボクの事も忘れないでよね!」
そして途中からシャルがやって来る
この世界の主人公であるリュークがここに居ないせいで、彼女達はこちらに来てしまう。
(はあ、どうしてこうなった)
仮に悪役貴族らしい事をしてなくても、好かれる様な事は全くしていないのに、ヒロイン達が集まるのは何故なのだろうか?
不安と疑問で頭がいっぱいだが、取り敢えず授業に遅れない様に朝食を取るとしよう。
——————————————————————
続く
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