剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2章 前途多難な1年目

第92話 君も入れ(絶対に嫌)

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「相変わらず食べるの早いわね」

「あたくし達と一緒の時間に食べ始めたのに食べ終わるのにここまで差があるなんて」

「お前達が遅いだけだ」

リュークとの話が終わったのだろう、頼んでもないのに自分クロウの席の近くに座る。

「ボクを置いて行くなんて酷いじゃないか」

「何で酷いんだ?」

「友達だろ?」

「違うわ」

彼女達の行動には本当に理解に苦しむ、こんなにも嫌がっているのに何で毎日関わってくるのだ?

いや、むしろそちらの方が本来は悪役貴族として活動しやすくて良いのだが、その活動がことごとく失敗に終わっているので、今は困るのだ。(主な原因は自分クロウなのだが…)

「でも、結果を残せば友達になれるんだよね?」

「それはリューク、お前シャルは俺を超えたらな?」

勝手に条件を変えるな、そもそも前向きに検討するだけで仮に超えたとしても友達になる事はない。

「なら、決闘しよう!」

「断る、今は朝だぞ?何で朝からやらないとならない」

「え?放課後の事を話したんだけど?」

「お前は朝でもやろうとするだろ!」

こんな事を言ったのには理由がある、彼女シャル自分クロウを超える為にその超えるべき存在クロウに毎日決闘を申し込んでいるのだ。

その時にと同じ様な事を言われたのだ

『ボクと勝負だ!』

『…毎日毎日しつこいなぁ、分かったよ、やるよ、やれば良いんだろ?』

『本当か!?よし!じゃあ早く外に行こう!』

『は?』

と、朝なのに外に出ようと無理矢理手を引っ張られて危うく遅刻扱いになりそうだったのだ。

「え?そんな事しないけど…」

「お前は都合が悪くなると脳内変換でもするのか?」

ここ1ヶ月の話だぞ?数年間のうちのたった1回だけなら忘れても『まぁ仕方ない』で済ませる事も出来るが、流石に今回は済まされない。

「それを言うなら君もだよ!」

「え?」

何で自分も含まれるのだろうか?そんな事をした覚えが全くないのだが…

「君はボク達の活動に参加してくれるって言ったじゃないか!?」

「一言も言ってねぇよ!後初めて知ったわ!!!」

ゲームの世界でもリューク達は活動はしていたが、その活動はクラブ活動の様なもので主人公とヒロイン達が集まる所謂いわゆるハーレム活動だ。

その活動内容も特に決まっておらず、ただ単に皆で集まって色んな事をするラブコメイベント用のクラブなのだ。

おそらくその活動に入れ!と言う事なのだろうが、コチラからすれば良い迷惑だ。

「えー!入ろうよー!」

「と言うかその活動の中に誰がいるんだ?」

「えっと…ボクとリューク、フィオナ様にミオ、後はクロウとメイディの6人かな?」

「何故そこに俺を入れている」

「あとわたしもです、入って良いんですか?」

「いいよ!仲間は多い方が良いし」

何げにメイディも勝手に入れているし、この神経の図太さがリュークとの絆を深めて後に魔王を倒すと言う凄いメンタル力を発揮させるのだろう。

滅茶苦茶凄いが普通に厄介な相手だ。

「…兎に角俺は入らないぞ?」

「何で?楽しいよ?」

「お前らがいる時点で楽しくない」

いや、もしこれが悪役貴族じゃなければ楽しめたかもしれないけど、コチラはただでさえ悪役貴族らしい事が出来ない中途半端はクソ野郎なのに、これ以上主人公達と一緒にいると、

目的がある癖にその目的にあった行動が出来ない、マジでなんでこんな作品が漫画化するのかわからないな○ろう作品と一緒になってしまう。

「じゃあ名簿表には名前書いておくね?」

「何で?」

「活動する為に正式に生徒会長には許可を得ているから安心してね?」

「何で?」

「んじゃあ、放課後案内するね?」

「何で!?」

本当に勝手だな!?マジで断っているのに(本当に)強制参加させるなんて…え?マジで何で?普通こんな事を言う人間って嫌われない?

嫌な奴認定されてクラスから孤立しない?
マジでどうなってんのこの世界!?

——————————————————————
そんな事を考えつつ、クロウは状況が飲み込めてない為、しばらく放心状態だった。

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