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第4章~魔王討伐~
第178話 襲撃
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~次の日~
「今日も何事もなく終わってほしいものだ」
「同感ね、魔物と戦うなんて嫌よ」
クロウの言葉を聞いてメジーナはそう答える、人の事を嫌いとか言いながら絡んでくる辺り、余程暇なのだろう。
「兵士達のおかげで僕達の安全は守られていますが、逆にプレッシャーに押し潰されそうですね…」
「深呼吸をして落ち着きましょう、魔王を撃ち倒せば皆から責められる事もないでしょう」
「…メイディさん、逆にプレッシャーになるのでやめてください」
リュークとメイディのやり取りを見て確かに共感すべき所はある、頭では分かってはいるし何度も何度も言った事だが、「それでも」がある為落ち着けないのだ。
「あたくし達は貴族、本来はこれが正しいんですわ」
「そうだとしてもずっと馬車の中にいるのも退屈何だよ」
ミオもシャルもそう言いつつ暇そうにしている、これが約1ヶ月続くと思うと先が思いやられる。
「と言うか私はこの人数を全員乗せることの出来る馬車がある事に驚いているんですけど…」
「俺も驚いたぜ(ゲーム的にはアリなんだろうけど)」
フィオナとエムルは貴族ではなく王族だ、その王族が知らないとなると極秘に作られたものなのだろう。
一体何のために?と思うが、おそらくはゲームのシステム上の問題だろう。
「…僕達の世界は限りなくゲームに近い世界、現実が混ざっているせいで所々変わってはいますが…」
「そうだな、本来なら馬車に乗れるのは4人までなのに12人乗れているのは可笑しすぎる…が」
リュークはクロウに近づき戸惑いながらそう話す、クロウも疑問には思っていたがリュークよりは深く考えていなかった。
「ゲームの世界だとよくある事だろ?」
「そうですね」
そうよくある事なのだ
ド○クエの馬車は人数制限はあるが大きさの設定がない為、「え?乗れるの?」と言う場面はあるし
ポ○モンは馬車ではなくバックだが、「ド○エモンの四次元ポケットかな?」と思うくらい物が入る。
「気にし過ぎ何だよ、剣と魔法のファンタジー世界何だ現実世界と比較してもそもそも比較対象が違い過ぎるよ」
異種族や魔物、魔法、ステータスなどが存在する世界でそんなものが存在しない世界と比較しても違うのは当たり前だ、そう考えるしかない。
「そうですね、この馬車も普通の車じゃなくてバスとかそう言う系の乗り物と考えれば変じゃありませんしね」
王様が勇者パーティ用に娘にも言わないで作った可能性もある、「変だ」「不思議だ」と考え過ぎるのはよくない。
そんな風に話していると唐突に爆撃音が鳴り響く。
『ドン!ドン!ドドン!!』
兵士達は慌てふためき、騎士達も馬を宥めながら周囲を警戒し始める。
「!?」
「これは…」
「どうやら暇つぶしの時間は終わった様だな」
メイディ、リュークが驚いているとクロウはそう言って馬車から降りる。
「な!?降りないで下さい!」
「悪いな、実戦をさせてくれ」
兵士に怒られてしまったが構わない、魔物相手にどこまでやれるのか、現状の状態を知りたいのだ。
「ここは我々が対処しますからクロウ様はお戻りください!」
「上司から何か言われたら俺を呼んでくれ、土下座して謝ってやる」
「ですから!」
兵士には申し訳ないが、こればっかりは無理だ、実戦がなく戦ってみたら「弱くね?」となるのは嫌なので無視して跳躍する。
「剣の音が聞こえなかったらもしかしたらと思ったが、正解だった様だな」
「!?」
魔法を放っていたのは翼の生えた魔物、見た感じ「ガーゴイル」に似ているが、魔物扱いでいいのか戸惑う。
「取り敢えず、俺達を襲ったら敵なんだろうけど…魔除けの存在が魔物扱いなんて…フンッ!」
取り敢えず一体を剣で倒す、まだ何体か生き残っているが、それは他の人達に任せるとしよう。
「何しているんですか!?」
着地した後馬車に戻ろうとすると先程の兵士に怒られる、申し訳ない事をしたが後悔はしていない。
「ごめん、今の俺が本当に魔物相手に通用するのか確かめたくてやってしまった」
「そうだとしても、次からは安全が確保されてからにしてください!」
その後も兵士にこっ酷く叱られたが、ステータスをアホみたいに上げた成果は出ていた様だ。
クロウのあのステータスは無駄ではなく、本当にアレくらいの力を持っている事が分かった、後はリューク達が本当に魔物達と戦えるのか分かれば問題はないだろう。
空を飛んでいた魔物達はその後騎士達によって倒されて怪我をした人は出たが死人は出なかった為、少しの休憩の後に再出発をした。
———————————————————————
続く
「今日も何事もなく終わってほしいものだ」
「同感ね、魔物と戦うなんて嫌よ」
クロウの言葉を聞いてメジーナはそう答える、人の事を嫌いとか言いながら絡んでくる辺り、余程暇なのだろう。
「兵士達のおかげで僕達の安全は守られていますが、逆にプレッシャーに押し潰されそうですね…」
「深呼吸をして落ち着きましょう、魔王を撃ち倒せば皆から責められる事もないでしょう」
「…メイディさん、逆にプレッシャーになるのでやめてください」
リュークとメイディのやり取りを見て確かに共感すべき所はある、頭では分かってはいるし何度も何度も言った事だが、「それでも」がある為落ち着けないのだ。
「あたくし達は貴族、本来はこれが正しいんですわ」
「そうだとしてもずっと馬車の中にいるのも退屈何だよ」
ミオもシャルもそう言いつつ暇そうにしている、これが約1ヶ月続くと思うと先が思いやられる。
「と言うか私はこの人数を全員乗せることの出来る馬車がある事に驚いているんですけど…」
「俺も驚いたぜ(ゲーム的にはアリなんだろうけど)」
フィオナとエムルは貴族ではなく王族だ、その王族が知らないとなると極秘に作られたものなのだろう。
一体何のために?と思うが、おそらくはゲームのシステム上の問題だろう。
「…僕達の世界は限りなくゲームに近い世界、現実が混ざっているせいで所々変わってはいますが…」
「そうだな、本来なら馬車に乗れるのは4人までなのに12人乗れているのは可笑しすぎる…が」
リュークはクロウに近づき戸惑いながらそう話す、クロウも疑問には思っていたがリュークよりは深く考えていなかった。
「ゲームの世界だとよくある事だろ?」
「そうですね」
そうよくある事なのだ
ド○クエの馬車は人数制限はあるが大きさの設定がない為、「え?乗れるの?」と言う場面はあるし
ポ○モンは馬車ではなくバックだが、「ド○エモンの四次元ポケットかな?」と思うくらい物が入る。
「気にし過ぎ何だよ、剣と魔法のファンタジー世界何だ現実世界と比較してもそもそも比較対象が違い過ぎるよ」
異種族や魔物、魔法、ステータスなどが存在する世界でそんなものが存在しない世界と比較しても違うのは当たり前だ、そう考えるしかない。
「そうですね、この馬車も普通の車じゃなくてバスとかそう言う系の乗り物と考えれば変じゃありませんしね」
王様が勇者パーティ用に娘にも言わないで作った可能性もある、「変だ」「不思議だ」と考え過ぎるのはよくない。
そんな風に話していると唐突に爆撃音が鳴り響く。
『ドン!ドン!ドドン!!』
兵士達は慌てふためき、騎士達も馬を宥めながら周囲を警戒し始める。
「!?」
「これは…」
「どうやら暇つぶしの時間は終わった様だな」
メイディ、リュークが驚いているとクロウはそう言って馬車から降りる。
「な!?降りないで下さい!」
「悪いな、実戦をさせてくれ」
兵士に怒られてしまったが構わない、魔物相手にどこまでやれるのか、現状の状態を知りたいのだ。
「ここは我々が対処しますからクロウ様はお戻りください!」
「上司から何か言われたら俺を呼んでくれ、土下座して謝ってやる」
「ですから!」
兵士には申し訳ないが、こればっかりは無理だ、実戦がなく戦ってみたら「弱くね?」となるのは嫌なので無視して跳躍する。
「剣の音が聞こえなかったらもしかしたらと思ったが、正解だった様だな」
「!?」
魔法を放っていたのは翼の生えた魔物、見た感じ「ガーゴイル」に似ているが、魔物扱いでいいのか戸惑う。
「取り敢えず、俺達を襲ったら敵なんだろうけど…魔除けの存在が魔物扱いなんて…フンッ!」
取り敢えず一体を剣で倒す、まだ何体か生き残っているが、それは他の人達に任せるとしよう。
「何しているんですか!?」
着地した後馬車に戻ろうとすると先程の兵士に怒られる、申し訳ない事をしたが後悔はしていない。
「ごめん、今の俺が本当に魔物相手に通用するのか確かめたくてやってしまった」
「そうだとしても、次からは安全が確保されてからにしてください!」
その後も兵士にこっ酷く叱られたが、ステータスをアホみたいに上げた成果は出ていた様だ。
クロウのあのステータスは無駄ではなく、本当にアレくらいの力を持っている事が分かった、後はリューク達が本当に魔物達と戦えるのか分かれば問題はないだろう。
空を飛んでいた魔物達はその後騎士達によって倒されて怪我をした人は出たが死人は出なかった為、少しの休憩の後に再出発をした。
———————————————————————
続く
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