剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

文字の大きさ
183 / 226
第4章~魔王討伐~

第178話 襲撃

しおりを挟む
~次の日~

「今日も何事もなく終わってほしいものだ」

「同感ね、魔物と戦うなんて嫌よ」

クロウの言葉を聞いてメジーナはそう答える、人の事を嫌いとか言いながら絡んでくる辺り、余程暇なのだろう。

「兵士達のおかげで僕達の安全は守られていますが、逆にプレッシャーに押し潰されそうですね…」

「深呼吸をして落ち着きましょう、魔王を撃ち倒せば皆から責められる事もないでしょう」

「…メイディさん、逆にプレッシャーになるのでやめてください」

リュークとメイディのやり取りを見て確かに共感すべき所はある、頭では分かってはいるし何度も何度も言った事だが、「それでも」がある為落ち着けないのだ。

「あたくし達は貴族、本来はこれが正しいんですわ」

「そうだとしてもずっと馬車の中にいるのも退屈何だよ」

ミオもシャルもそう言いつつ暇そうにしている、これが約1ヶ月続くと思うと先が思いやられる。

「と言うか私はこの人数を全員乗せることの出来る馬車がある事に驚いているんですけど…」

おれも驚いたぜ(ゲーム的にはアリなんだろうけど)」

フィオナとエムルは貴族ではなく王族だ、その王族が知らないとなると極秘に作られたものなのだろう。

一体何のために?と思うが、おそらくはゲームのシステム上の問題だろう。

「…僕達の世界は限りなくゲームに近い世界、現実リアルが混ざっているせいで所々変わってはいますが…」

「そうだな、本来なら馬車に乗れるのは4人までなのに12人乗れているのは可笑しすぎる…が」

リュークはクロウに近づき戸惑いながらそう話す、クロウも疑問には思っていたがリュークよりは深く考えていなかった。

「ゲームの世界だとよくある事だろ?」

「そうですね」

そうよくある事なのだ
ド○クエの馬車は人数制限はあるが大きさの設定がない為、「え?乗れるの?」と言う場面はあるし
ポ○モンは馬車ではなくバックだが、「ド○エモンの四次元ポケットかな?」と思うくらい物が入る。

「気にし過ぎ何だよ、剣と魔法のファンタジー世界何だ現実世界と比較してもそもそも比較対象が違い過ぎるよ」

異種族や魔物、魔法、ステータスなどが存在する世界でそんなものが存在しない世界と比較しても違うのは当たり前だ、そう考えるしかない。

「そうですね、この馬車も普通の車じゃなくてバスとかそう言う系の乗り物と考えれば変じゃありませんしね」

王様が勇者パーティ用に娘にも言わないで作った可能性もある、「変だ」「不思議だ」と考え過ぎるのはよくない。

そんな風に話していると唐突に爆撃音が鳴り響く。

『ドン!ドン!ドドン!!』

兵士達は慌てふためき、騎士達も馬を宥めながら周囲を警戒し始める。

「!?」

「これは…」

「どうやら暇つぶしの時間は終わった様だな」

メイディ、リュークが驚いているとクロウはそう言って馬車から降りる。

「な!?降りないで下さい!」

「悪いな、実戦をさせてくれ」

兵士に怒られてしまったが構わない、魔物相手にどこまでやれるのか、現状の状態を知りたいのだ。

「ここは我々が対処しますからクロウ様はお戻りください!」

「上司から何か言われたら俺を呼んでくれ、土下座して謝ってやる」

「ですから!」

兵士には申し訳ないが、こればっかりは無理だ、実戦がなく戦ってみたら「弱くね?」となるのは嫌なので無視して跳躍する。

「剣の音が聞こえなかったらもしかしたらと思ったが、正解だった様だな」

「!?」

魔法を放っていたのは翼の生えた魔物、見た感じ「ガーゴイル」に似ているが、魔物扱いでいいのか戸惑う。

「取り敢えず、俺達を襲ったら敵なんだろうけど…魔除けの存在が魔物扱いなんて…フンッ!」

取り敢えず一体を剣で倒す、まだ何体か生き残っているが、それは他の人達に任せるとしよう。

「何しているんですか!?」

着地した後馬車に戻ろうとすると先程の兵士に怒られる、申し訳ない事をしたが後悔はしていない。

「ごめん、今の俺が本当に魔物相手に通用するのか確かめたくてやってしまった」

「そうだとしても、次からは安全が確保されてからにしてください!」

その後も兵士にこっ酷く叱られたが、ステータスをアホみたいに上げた成果は出ていた様だ。

クロウのあのステータスは無駄ではなく、本当にアレくらいの力を持っている事が分かった、後はリューク達が本当に魔物達と戦えるのか分かれば問題はないだろう。

空を飛んでいた魔物達はその後騎士達によって倒されて怪我をした人は出たが死人は出なかった為、少しの休憩の後に再出発をした。

———————————————————————
続く
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

処理中です...