197 / 226
第4章~魔王討伐~
第192話 反転の能力
しおりを挟む
「ふふふ、我の能力を受けましたね?」
「それがどうかしたの?」
フィオナは冷や汗をかきながらそう答える、身体のダメージはない、痛みも、苦しみも何もない、だからこそ怖いのだ。
(魔王ミロスは何をしたの?魔王と言う事は恐ろしい能力のはず…何も感じないのが怖い)
相手は魔王、つまり魔物、魔族を統べる王と言う事だ、そんな者がただの子供達に効かない能力を使うはずがないのだ。
「何も変わってないじゃないか!」
「ハッタリですわね!」
「ボク達がハッタリに怯えるとでも!」
リューク、ミオ、シャルは何事もなかったかの様に魔王ミロスに斬撃を繰り出す。
(…確かに変わってない…なのに違和感が酷いのは何故だろう?奴は一体何をしたの?)
「そろそろですかね?えい!」
「ゴフッ!?」
魔王ミロスはリュークにデコピンをする、するとリュークは額から血を流しながら吹き飛んだ。
「「リューク!!!」」
「な!?」
「これで2人目後はヒロインの4人ですか、主人公補正とかあったらかなり厄介ですけど、これなら我でも十分戦えますね」
魔王ミロスはリュークを見ながらそう呟く、フィオナにとっては何を言っているのか理解できない言葉もあったが、それよりも気になる事があった。
「…今のはただのデコピンだった…殺意も力も込めていない…ただの…デコピン」
「え!?」
「は!?」
リュークがやられた事に驚いたミオとシャルは一旦距離を取る為にフィオナの所まで下がるのだが、その時に聞こえた言葉で驚いてしまう。
「ただのデコピンでリュークがあそこまで吹き飛んだとでも言うんですの!?」
「その通りよ…」
「ボクも信じられないよ…」
ミオとシャルが困惑するのも無理はない、フィオナ自身も信じられないのだ、もしもフィオナの言っている事が本当だったら魔王ミロスは
『デコピンだけで勇者パーティを全滅させる事が出来る』と言うふざけているとしか言えない程の圧倒的な実力差がある。
と言う事になってしまうのだ。
「来ないのですか?では我から行きますよ?」
魔王ミロスはそう言いながらコチラに近寄ってくる、走って来るわけでも、一瞬で来るわけでもなく、ただ歩いてコチラにくる。
「…ハァァァァ!!!!!」
「ミオ!?」
ミオは突然駆け出し、魔王ミロスに攻撃を仕掛ける。
「何をしているの!?」
「あたくし達の目的は魔王討伐!なら!逃げる訳にはいかないんですの!」
それに!とミオは続けて話す。
「能力の秘密を知る為にもやるしかないんですの!」
ミオの言う通りだ、離れて逃げたとしても魔王ミロスの能力は分からない、なら戦って何処が変わったのか確かめた方がわかりやすいのだ。
「ならボクも!」
「シャル!」
「フィオナ様は早く敵の能力を!」
シャルも負けじと魔王ミロスに立ち向かう、一撃…いや、人指でも当たれば即座にやられるだろう、それでも2人は勝利の為に命をかけて前に進む。
「「ハァァァァ!!!!!」」
「やっぱりヒロインは凄いですね、普通のJKや貴族がここまで命をかけて敵に立ち向かうなんて有り得ませんよ、流石は異世界ファンタジー」
「何を言ってるのよ!」
「訳のわからない事を言わないで!」
魔王ミロスはミオとシャルを称賛し、褒め称える。
2人はその隙を逃さずに斬撃を加える…が
「「!?」」
「無駄ですよ、今の貴女達の力はマイナスなんですから、与えられるダメージなんてある訳ないでしょ?」
双方の剣が肩に当たっているのに、それ以上はピクリとも動かない、まるでそこに鋼鉄の岩があるかの様に…
「はい!」
「ガッ!?」
「ギッ!?」
2人はデコピンを喰らってリュークと同じ様に後方に吹き飛ぶ、頭からは血が吹き出しており、血を飛び散らせながら倒れる。
「ミオ!シャル!」
「後は2人ですね、これで勇者パーティは全滅…あっそうだ!良い事を思いつきました!」
魔王ミロスは笑いながらフィオナ達を方を見る。
「良い事?」
「何をするつもりなの…?」
リュークの事が心配で動けなかったメジーナがフィオナの方へ近づく、それ程のまでにこの状況が悪いと言う事だ。
「いえね?人間と魔族の命を賭けた戦いが誰にも知られずに終わるなんて勿体無いじゃないですか?…だから、"皆んなに見てもらおうと思いましてね?"」
そう言って魔王ミロスは『パチン』と指を鳴らすと上空に突然液晶パネルの様な物が出現する。
———————————————————————
「なんなの…あれ」
「…まさか」
「それがどうかしたの?」
フィオナは冷や汗をかきながらそう答える、身体のダメージはない、痛みも、苦しみも何もない、だからこそ怖いのだ。
(魔王ミロスは何をしたの?魔王と言う事は恐ろしい能力のはず…何も感じないのが怖い)
相手は魔王、つまり魔物、魔族を統べる王と言う事だ、そんな者がただの子供達に効かない能力を使うはずがないのだ。
「何も変わってないじゃないか!」
「ハッタリですわね!」
「ボク達がハッタリに怯えるとでも!」
リューク、ミオ、シャルは何事もなかったかの様に魔王ミロスに斬撃を繰り出す。
(…確かに変わってない…なのに違和感が酷いのは何故だろう?奴は一体何をしたの?)
「そろそろですかね?えい!」
「ゴフッ!?」
魔王ミロスはリュークにデコピンをする、するとリュークは額から血を流しながら吹き飛んだ。
「「リューク!!!」」
「な!?」
「これで2人目後はヒロインの4人ですか、主人公補正とかあったらかなり厄介ですけど、これなら我でも十分戦えますね」
魔王ミロスはリュークを見ながらそう呟く、フィオナにとっては何を言っているのか理解できない言葉もあったが、それよりも気になる事があった。
「…今のはただのデコピンだった…殺意も力も込めていない…ただの…デコピン」
「え!?」
「は!?」
リュークがやられた事に驚いたミオとシャルは一旦距離を取る為にフィオナの所まで下がるのだが、その時に聞こえた言葉で驚いてしまう。
「ただのデコピンでリュークがあそこまで吹き飛んだとでも言うんですの!?」
「その通りよ…」
「ボクも信じられないよ…」
ミオとシャルが困惑するのも無理はない、フィオナ自身も信じられないのだ、もしもフィオナの言っている事が本当だったら魔王ミロスは
『デコピンだけで勇者パーティを全滅させる事が出来る』と言うふざけているとしか言えない程の圧倒的な実力差がある。
と言う事になってしまうのだ。
「来ないのですか?では我から行きますよ?」
魔王ミロスはそう言いながらコチラに近寄ってくる、走って来るわけでも、一瞬で来るわけでもなく、ただ歩いてコチラにくる。
「…ハァァァァ!!!!!」
「ミオ!?」
ミオは突然駆け出し、魔王ミロスに攻撃を仕掛ける。
「何をしているの!?」
「あたくし達の目的は魔王討伐!なら!逃げる訳にはいかないんですの!」
それに!とミオは続けて話す。
「能力の秘密を知る為にもやるしかないんですの!」
ミオの言う通りだ、離れて逃げたとしても魔王ミロスの能力は分からない、なら戦って何処が変わったのか確かめた方がわかりやすいのだ。
「ならボクも!」
「シャル!」
「フィオナ様は早く敵の能力を!」
シャルも負けじと魔王ミロスに立ち向かう、一撃…いや、人指でも当たれば即座にやられるだろう、それでも2人は勝利の為に命をかけて前に進む。
「「ハァァァァ!!!!!」」
「やっぱりヒロインは凄いですね、普通のJKや貴族がここまで命をかけて敵に立ち向かうなんて有り得ませんよ、流石は異世界ファンタジー」
「何を言ってるのよ!」
「訳のわからない事を言わないで!」
魔王ミロスはミオとシャルを称賛し、褒め称える。
2人はその隙を逃さずに斬撃を加える…が
「「!?」」
「無駄ですよ、今の貴女達の力はマイナスなんですから、与えられるダメージなんてある訳ないでしょ?」
双方の剣が肩に当たっているのに、それ以上はピクリとも動かない、まるでそこに鋼鉄の岩があるかの様に…
「はい!」
「ガッ!?」
「ギッ!?」
2人はデコピンを喰らってリュークと同じ様に後方に吹き飛ぶ、頭からは血が吹き出しており、血を飛び散らせながら倒れる。
「ミオ!シャル!」
「後は2人ですね、これで勇者パーティは全滅…あっそうだ!良い事を思いつきました!」
魔王ミロスは笑いながらフィオナ達を方を見る。
「良い事?」
「何をするつもりなの…?」
リュークの事が心配で動けなかったメジーナがフィオナの方へ近づく、それ程のまでにこの状況が悪いと言う事だ。
「いえね?人間と魔族の命を賭けた戦いが誰にも知られずに終わるなんて勿体無いじゃないですか?…だから、"皆んなに見てもらおうと思いましてね?"」
そう言って魔王ミロスは『パチン』と指を鳴らすと上空に突然液晶パネルの様な物が出現する。
———————————————————————
「なんなの…あれ」
「…まさか」
41
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる