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昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。
今は、その考えも消えつつある。
けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。
今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。
ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。
*****
その日、カインは薪と薬草や煎じ薬を売りに街に行っていた。
前から、見慣れない馬車が走ってくる。
普通の馬車に見えるが、ここいらの馬車よりもしっかりした作り、馭者の身なりも平民よりもしっかりしている。
この先を続く道の分岐を左に行けば魔森にたどり着く。
カインは、いつもは真っ直ぐ進む道を左に曲がった。
「ただいま。」
「おかえり。遅かったね。」
「少し寄り道をしていた。」
そう言うカインの腕には、おくるみに包まれ眠る赤子が見えた。
またか…。
「はぁー。まったくお貴族様は、未だに変な迷信を信じてるのかい?我が子を捨てるなんて、なんて罰当たりなもんだ。神を信じる者が、大切な命を蔑ろにするものかね!?それこそ神の逆鱗に触れ神罰が下されるとは思わないのかね?」
アリッサは、カインから赤子を受け取ると、スヤスヤと眠る子を不憫に思った。
双子に産まれ、後から産まれたからと捨てられる。
子供に罪はないのに…。
「父さんおかえり。あっ!赤ちゃん!?」
「ロビン、今日から…あら?この子は、男の子、女の子どっちだろうね?ああ、女の子だ。ロビン、今日からこの子は、お前の妹だよ。」
「僕の妹?わぁ~小さくて可愛いねぇ~。僕も抱っこしていい?」と素直に喜んでいるロビンも、5年前に魔森に捨てられていた忌子だ。
アリッサも、魔森に捨てられていたのを、カインの両親が拾って育ててくれたのだ。
そしてカインの両親も…。
王都に住む貴族の中に、自分達の親は居るのだろう。
魔森に捨てるという事は自分の子が死んで構わないと思っているのだ。
そんな親になど会いたくもない。
まあ向こうも、まさか忌子が生きているなど思ってもいないはず。
自分達は、この村からも外れた所で、裕福でなくとも幸せに暮らしていければ良い。
アリッサは、ロビンに赤子の名前を決めようと話すと、ロビンは「デイジーがいい!」と言った。
カインとアリッサは、ロビンにもデイジーにも、成人したら、自分達は、本当の親ではないと話すと決めていた。
それは子供達に自分の人生は自分で決めて欲しいから。
アリッサは、話を聞いても、この場所に残り、カインと結婚した。
正直、カインが兄でない事にホッとしたのを覚えている。
ロビンも話を聞いても、ここで暮らすと言った。
「俺の父さんと母さんは2人だ。血の繋がりなんて関係ない。俺をここまで育ててくれた父さんと母さんが俺の両親だ!」と言ってくれた時は泣いた。
カインとアリッサは、自分達の子は授からなかった。
今では、ロビンとデイジーが自分達の子だと思っている。
カインが成人してから5年が過ぎ、デイジーが16歳になった。
「デイジー。成人おめでとう。お前に話さなければならない事がある。」
カインが話をすると、デイジーは何故か喜んでいた。
「良かったぁー!あたしだけ髪色が違うから、お母さんの不貞を疑ってたわ。」
「デイジーっ!!何を馬鹿な事をっ!!」
「2人は愛し合っているのに可笑しいと思ったのよ。お父さんはシルバーで、お母さんとお兄さんは金髪。でもあたしだけピンクゴールドじゃない。疑っても仕方ないわよ。そうか捨て子だったんだ。お父さん、お母さん拾って育ててくれて、ありがとう。2人共、大好きよ。もちろん兄さんもね♪」
デイジーも、このままここで暮らすと言った。
今は、その考えも消えつつある。
けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。
今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。
ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。
*****
その日、カインは薪と薬草や煎じ薬を売りに街に行っていた。
前から、見慣れない馬車が走ってくる。
普通の馬車に見えるが、ここいらの馬車よりもしっかりした作り、馭者の身なりも平民よりもしっかりしている。
この先を続く道の分岐を左に行けば魔森にたどり着く。
カインは、いつもは真っ直ぐ進む道を左に曲がった。
「ただいま。」
「おかえり。遅かったね。」
「少し寄り道をしていた。」
そう言うカインの腕には、おくるみに包まれ眠る赤子が見えた。
またか…。
「はぁー。まったくお貴族様は、未だに変な迷信を信じてるのかい?我が子を捨てるなんて、なんて罰当たりなもんだ。神を信じる者が、大切な命を蔑ろにするものかね!?それこそ神の逆鱗に触れ神罰が下されるとは思わないのかね?」
アリッサは、カインから赤子を受け取ると、スヤスヤと眠る子を不憫に思った。
双子に産まれ、後から産まれたからと捨てられる。
子供に罪はないのに…。
「父さんおかえり。あっ!赤ちゃん!?」
「ロビン、今日から…あら?この子は、男の子、女の子どっちだろうね?ああ、女の子だ。ロビン、今日からこの子は、お前の妹だよ。」
「僕の妹?わぁ~小さくて可愛いねぇ~。僕も抱っこしていい?」と素直に喜んでいるロビンも、5年前に魔森に捨てられていた忌子だ。
アリッサも、魔森に捨てられていたのを、カインの両親が拾って育ててくれたのだ。
そしてカインの両親も…。
王都に住む貴族の中に、自分達の親は居るのだろう。
魔森に捨てるという事は自分の子が死んで構わないと思っているのだ。
そんな親になど会いたくもない。
まあ向こうも、まさか忌子が生きているなど思ってもいないはず。
自分達は、この村からも外れた所で、裕福でなくとも幸せに暮らしていければ良い。
アリッサは、ロビンに赤子の名前を決めようと話すと、ロビンは「デイジーがいい!」と言った。
カインとアリッサは、ロビンにもデイジーにも、成人したら、自分達は、本当の親ではないと話すと決めていた。
それは子供達に自分の人生は自分で決めて欲しいから。
アリッサは、話を聞いても、この場所に残り、カインと結婚した。
正直、カインが兄でない事にホッとしたのを覚えている。
ロビンも話を聞いても、ここで暮らすと言った。
「俺の父さんと母さんは2人だ。血の繋がりなんて関係ない。俺をここまで育ててくれた父さんと母さんが俺の両親だ!」と言ってくれた時は泣いた。
カインとアリッサは、自分達の子は授からなかった。
今では、ロビンとデイジーが自分達の子だと思っている。
カインが成人してから5年が過ぎ、デイジーが16歳になった。
「デイジー。成人おめでとう。お前に話さなければならない事がある。」
カインが話をすると、デイジーは何故か喜んでいた。
「良かったぁー!あたしだけ髪色が違うから、お母さんの不貞を疑ってたわ。」
「デイジーっ!!何を馬鹿な事をっ!!」
「2人は愛し合っているのに可笑しいと思ったのよ。お父さんはシルバーで、お母さんとお兄さんは金髪。でもあたしだけピンクゴールドじゃない。疑っても仕方ないわよ。そうか捨て子だったんだ。お父さん、お母さん拾って育ててくれて、ありがとう。2人共、大好きよ。もちろん兄さんもね♪」
デイジーも、このままここで暮らすと言った。
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