【完結】さよなら私の初恋

山葵

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「マリアンヌお姉様、長期休暇に僕の友人であるセドリックがザイベルト侯爵領の別荘に誘ってくれたのですが、マリアンヌお姉様も一緒に行きませんか?ザイベルト侯爵領には海があるのです。セドリックの妹のイザベル嬢も一緒に行かれますよ!」

ロベルト様と婚約解消してから1ヶ月が過ぎていたが、私は心無い陰口から屋敷に籠もる日々を送っていた。


「でも私などが行ってはご迷惑になってしまうのではない?ウイリアムだけで…」

「大丈夫です!イザベル嬢も、僕だけだとセドリックが構ってくれないので、マリアンヌお姉様が一緒に行ってくれると嬉しいと言ってました。」

両親にも、折角の侯爵子息からのお誘いなのだし、マリアンヌの気晴らしになるからと薦められた。

屋敷に居れば、楽しそうな2人の姿が目に入る。
短い間でも離れられるのならと了承することにした。



ザイベルト侯爵領に入ると、潮の匂いがしてきた。

窓の外を見れば、初めて見る海。

「ウイリアム!海よ、海が見えるわ!!」

「お、お姉様、そんなに乗り出しては危ないです!」

海に興奮して、淑女としてあるまじき行動だったと反省しながらも(ザイベルト侯爵令息様に挨拶が済んだら海に行けるかしら!?今日が無理なら明日にでもっ!!)と心が弾む。

ガタッと音がし馬車が止まる。
どうやらザイベルト侯爵家の別荘に着いたようだ。

「遠い所をようこそお越し下さいました。此方で執事をしておりますロイドと申します。セドリック様とイザベル様が応接室でお待ちですのでご案内致します。」

荷物は客室に運んで置くと言われ、私達は2人が待つ応接室に案内された。

「やぁ待っていたよ!ようこそ、マリアンヌ嬢。ウイリアムも長旅で疲れたろう?」

「ザイベルト侯爵令息様、ザイベルト侯爵令嬢様、この度は、ご好意に甘えさせて頂きありがとうございます。ウイリアムだけでなく、わたくしまでお招き頂き感謝致します。弟が無理を言ったのではないのですか?」

「僕がマリアンヌ嬢と2人で。とウイリアムにお願いしたんですよ!イザベルと2人でだと本宅と変わらないですからね。しかしウイリアムだけを誘うと、僕とウイリアムが遊んでしまい、イザベルが不貞腐れてしまう。マリアンヌ嬢には、申し訳ないのですが、イザベルの相手をして頂ければと…ほら、お前からもお願いしなさい!」

セドリックは背に隠れてモジモジとしているイザベルに挨拶をする様にと促す。

「イザベルと申します。マリアンヌお姉様、どうか私と仲良くして下さい!!」

まぁ可愛い!確かイザベル様は8歳だったかしら?

「イザベル様、わたくしはマリアンヌと申します。此方こそ仲良くして下さいませ。」

挨拶を終えるとセドリックは、ロイドに客室に案内する様に指示を出す。

「長旅で疲れたでしょう。部屋で夕食までゆっくり休んで下さい。何かあれば気兼ねなくロイドに言って下さい。」

「お気遣いありがとうございます、ザイベルト侯爵令息様」

「暫く滞在するのです。どうかセドリックとお呼び下さい。」

そんな気軽に名前呼びなんて本当に良いのかとウイリアムを見ると頷いている。

「分かりました。ではセドリック様と呼ばせて頂きます。」

それで良いという様にセドリックは笑顔で頷いた。

部屋に案内されているとウイリアムがニタニタしながら話しかけてきた。

「マリアンヌお姉様、本当に良かったの?本当はさぁー今すぐにでも海に行きたかったんじゃない?セドリックに言えば馬車を出してもらえるよ。」

「良いのよ。少し疲れたし…それに海は逃げないもの!」

そう!楽しみは明日に取って置くわ♪
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