8 / 226
第一章
8. はじまりのはじまり
しおりを挟む
ガラガランと大きな音を立てて【どうぐどうぐ】のドアを開ければザットおじさんがガハッと顔をあげ小走りで寄ってきた。
「ライファちゃーんっ。」
「あ、結構です。」
いつものようにハグを阻止する。
「それで、それで、回復薬は持ってきてくれたかな?」
手をスリスリさせて期待に満ちた目を浮かべるおじさんの顔をみて、あ・・・と思い出した。
「・・・・すっかり忘れていました・・・。」
その瞬間、魂を失ったかのようにザットおじさんがうなだれた。ほんと、1ミリも思い出さなかったな、と少しだけ自分に感心してしまった。こんなに綺麗に忘れることもあるとは。
「ごめんなさい。代わりと言ってはなんですが、ちょっと珍しい薬をもってきたんですよ。」
またもや、ガハッと顔を上げて今度は商売人の顔をする。
「ほう、どれどれ」と渡した小瓶をみた。
「これは何の薬だい?」
「ヒーリング効果のある薬です。」
「ヒーリング効果かぁ。効力によるな。効力1では売り物にならんからな。」
「こちらがヒーリング効果3でこちらがヒーリング効果4です。勿論、リベルダさんのお墨付きです。」
「ほぅ、珍しい!リベルダさんのお墨付きなら効力は確かだな。ヒーリング効果3なら捻挫とか筋を痛めたとかなら回復するだろうし、4なら確かに骨にひびが入ったくらいなら回復する。うむ、需要はある。」
ザットおじさんはちょっと考え込むような仕草をした。
「効果3の方は8000オン、効果4の方は16000オンでどうだ?」
「もの珍しさと効果を考えると、きっと貴族にも売れますよね?今後のことを考えるのなら、ザットおじさんにとってこれはいいアイテムになるのでは?二つで30000オンでどうでしょう?」
ザットおじさんはグッと空気を飲み込んで「26000オン!!」と空気を吐き出した。
「28000オン。」
くぅ~っと悩むザットおじさんに、これでダメなら他のお店に持っていきますよ、と囁けば「そんな殺生なぁ~」と泣かれた。なにはともあれ28000オンでお買い上げです。よしっ。
26000オンで取り置きにしていた本を買い、差額の2000オンを手にすると、私はホクホク顔でお店を後にした。
リュックの中には本。財布の中には2000オン。今日は時間もあるし、せっかく町に来たのだから買い物でもして帰ろうかとパン屋さんを覗く。ここ【じぇみぱん】はジェーバ・ミーヴァで一番人気のパン屋だ。種類が豊富で一か月ごとに変わる月替わりパンがこのパン屋の大人気パンである。毎月、というわけにはいかないけれど、町にくるとついつい覗いては買ってしまうのだ。お昼時、パン屋は大賑わい。店内が少しすいてから入ろうとお店の脇で待っていると、お店から人が出てきた。
「ライファ!?」
フードをずらして見上げると少しかがんで顔を覗き込もうとするレイ様の姿が目に入った。
「レイ様もパンですか?ここのパン、美味しいですよね。」
さすがは食べ物好きチームの正規メンバー。美味しいものはしっかりチェックですな!と心の中で頷いていると、突然何かの影の下に入ったのが分かった。
「レイ!」
緊迫したような声に空を見上げれば飛獣石に乗った貴族がレイ様を呼んでいた。飛獣石は石化した魔獣を核にして作る乗り物だ。馬車では2日かかる道のりも飛獣石でなら数時間で着くことができる。
声の主はレイ様の頭くらいまで高度を下げると飛獣石から飛び降りた。短く刈り上げた濃いブラウンの髪の毛と筋肉質な体の厳つい騎士だ。騎士は周りには聞こえないようにレイ様に何やら話すと、レイ様の表情が緊迫したものに変わった。
「戻るぞ!」
レイ様は一緒にいた騎士にそう告げると腕にはめていた飛獣石を乗り物に変化させた。一緒にいた騎士も飛獣石を変化させる。飛獣石は町中で変化させるには大きすぎるうえに目立つので、町中で変化させることはまずない。緊急事態なのだと察した。レイ様が飛獣石に飛び乗る。飛び乗ると同時に目があった。一瞬、レイ様の目が見開く。
「ライファ、乗れ!」
その声の気迫に押され、差し出されたレイ様の手を掴んだ。
上空をものすごいスピードで飛んでゆく。フードもポンチョも髪の毛も前面からくる風に押され、後方でバサバサ揺れた。耳元にゴーっと風のフィルターがかかって、その他の音が聞き取りづらい。そんな中でレイ様の連れが近寄ってくると大きな声で叫んだ。
「レイ、なぜにその娘を?」
「彼女は魔女の弟子だ。何かの役に立つかもしれん!」
レイ様はそう叫び返すと私に説明し始めた。
「ジェーバ・ミーヴァの向う側に騎士団の野営地がある。偵察のための騎士が10人程出入りしているのだが昼食に毒が混ぜられたらしい。現在5人が異常を訴えているとのことだ。」
そう話しているうちに騎士団の野営地に到着した。
足早にテントの中に入ってゆく。テントの中にはグッタリと横たわった騎士が4人、かろうじて座ってはいるものの荷物にもたれかかっている騎士が1人、騎士団のヒーラーだろう騎士が4人にヒーリングを施している姿が目に入った。
「兄さん!!」
荷物にもたれかかっている騎士に驚いたようにレイ様が駆け寄ってゆく。
「口に含んでから気づいて吐き出したんだが、体内に吸収された部分が悪さをしているらしい。」
弟を心配させまいと思ったのか口元だけで笑いの表情を作った。
「兄さんはもう喋らなくていい。状況は?」
ヒーラーが視線を4人から離さずに答える。
「直後は大したことはありませんでしたが、徐々に自身でコップを持つこともできなくなり、立つこともできなくなりました。ヴァンスが言うには痛みや苦しみは全くないそうです。」
「・・・なんの毒か心当たりはあるか?」
レイ様の問いにヒーラーが沈んだ声でいう。
「痛みや苦しみもなく気力だけを奪っている。ヒールを施して良くなっても一時的なだけですぐに悪化する。毒の回りが早いというよりは毒がすごい勢いで増殖している気がします。・・・以上のことからドゥブ毒の線が濃厚かと・・・」
「ドゥブ毒!?」
思わず叫んだ私の声にみんなの視線が集まった。昨日、ノートで目にしたあの言葉とここで出会うとは思わなかった。
「解毒薬を作ります。これから言うものを至急用意してください。」
「ライファ、解毒薬を作れるのか?」
信じられない、でも、縋るしかない。そんな強い眼差しで見つめられる。
「作ります。今は少しでも時間が惜しい。ランチョウの卵1、ピンパ2、ボーボーの枝30cm、トウの花5、ツンガの牙1、パオパゥの鱗粉2g。」
私は次々と必要な物を述べていく。
「あとはチョンガの木の実が5コとキョクの花ビラ5枚、ハクの花びら5枚、以上です。パオパゥの鱗粉が無ければ、パオパゥを原料にしたお酒500mlでも構いません。」
レイ様が騎士たちに指示すると騎士たちは散っていった。
「今はなんとか現状を維持できていますが、私の魔力もそうは持ちません。・・・なるべく早く頼みます。」
ヒーラーの額にうっすら汗が滲んでいる。4人に同時にヒールを行っているのだ。魔力の消耗も相当だろう。ガタっと音がした方を見ればレイ様の兄であるヴァンスが体勢を崩し荷物が崩れたところだった。
ヒーラーがハッと視線を向けたのを見て、ヴァンスが言った。
「私はまだ大丈夫だ。そっちの4人を優先してくれ。誰も、誰も死なせるな。」
ヴァンスの言葉にヒーラーの目に熱がこもる。
私は鞄の中から自分の回復薬を取り出すとヒーラーに差し出した。
「これを。少しは足しになります。」
ヒーラーはレイ様へと視線を移した。
「大丈夫だ。保障する。」
レイ様の言葉にヒーラーは頷くと私にありがとうございます、と言った。
解毒薬の材料が次々と集まってくる。
「ここでは狭いのでもう少し広い場所へ。それと鍋などの調理道具もお願いします。」
「では、こちらへ。」
野営場の調理場らしき場所へ案内される。
「ライファ、何か手伝えることはあるか?」
レイ様の言葉に「時短魔法をお願いします。」と言いながら材料を下ごしらえしてゆく。
まずトウの花を天日干しにして時短魔法陣を飛ばしてもらう。ピンパは皮をむいて8等分に、ボーボーの枝は10cmくらいにカット。ツンガの牙は卸して粉々にし、チョンガの木の実は叩いて溶けやすくする。
「こちらにも時短魔方陣を!」
手を上げてそう叫ぶとレイ様が魔方陣を飛ばしてくれた。鍋に水を1L入れ火にかける。ボーボーの枝を入れる。枝がブルッと震え液体に粘りが出てきたところで、天日干しにしてあったトウの花を入れる。液体が紫色に変わったところで木と花を取り出し、カットしたピンパを入れる。ピンパの臭いが滑らかになったところで、パオパゥのお酒を入れる。その後キョクとハクの花とチョンガの木の実を入れ、ひと混ぜして花を取り出す。ツンガの牙の粉を入れ、液体が赤く光るまで煮込む。
「ライファ、大丈夫か?」
レイ様が心配そうに声をかける。私はコクッと頷くと鍋を見つめた。タイミングを見誤ると全てが水の泡だ。「どんな毒相手でも解毒薬を作るときは時間勝負だ。解毒薬を作るのに失敗したときはもう助けられないと思え」師匠の言葉が重く刺さる。いつもの活力剤なのに、そこに命がかかっているかと思うと手が震える思いだった。
液体が赤く光った。私はすぐ火を消してこれ以上熱が進まないように別の容器に液体をあけた。
「冷却魔法陣、お願いします!」
時短魔方陣の上に冷却魔方陣も重ねてもらう。慎重に液体をかき混ぜながら粗熱が取れたところで、両方の魔方陣を解除してもらい、ランチョウの卵をまぜた。卵を混ぜた瞬間、赤紫色に液体が光った。スキルで確認すれば【活力効果8】の文字。成功だ。
「できた。これを5等分して皆さんに飲ませてください!」
騎士たちが解毒薬をグラスに注ぎ、急いでテントへ持っていく。私も急いでテントへ向かう。
テントの中ではヒーラーがなんとか魔力を絞り出しているかのようだった。ヴァンスは体を起こしていることも出来なくなり、横たわって目を開けているのがやっとのようだ。レイ様が駆け寄って解毒剤を飲ませる。あとの4人は飲む気力もなくなっているようで、レイ様の連れの騎士が魔力を使って無理やり飲ませた。すると、飲み終わって1分も経たないうちに4人の目があき、5分後には何事もなかったかのように全員が回復した。わぁ、っと安堵の空気が広がる。ヒーラーが汗を拭きながら、ふぅっと仰向けに寝転がった。
よかった。私の体の中をほっとした気持ちが駆け巡り、緊張がほどけるとガクッと膝が落ちた。
「ライファ!!大丈夫か!」
「・・・大丈夫です。緊張が切れたのと、ほっとしたのと、魔力の使い過ぎと・・・おなか・・減った・・・。」
レイ様が買った【じぇみぱん】のパンを、全部は申し訳ないからと一つだけもらい別のテントで休憩する。今日買おうと思っていた月替わりパンだ。今回のパンは羊乳凝をふんだんに使った甘さの中に塩気があるお食事パンだ。さっと火で炙れば美味しさが倍増するに違いない。
「入るぞ」の声がしてレイ様が入ってきた。
「ホット羊乳だ。飲めば落ち着くだろう。」
レイ様から受け取った羊乳を飲む。魔力の使い過ぎと緊張で冷たくなっていた手足が温まってゆく。
「美味しい。」
そう呟くとレイ様が優しく微笑んだ。
「今日は本当に助かった。なんと礼を言ったらいいか。とにかく、本当にありがとう。」
レイ様の言葉に、解毒薬を作れたのは本当に偶然なのだと、役に立てて良かったと言葉を返していると、「入ってもいいか?」と声がした。
「あぁ。」
レイ様が返事をするとヴァンスと4人の騎士、ヒーラーが入ってきた。
「この度は本当に助かった。君がいなければ我々の命はなかったであろう。感謝する。」
ヴァンスがそう言うとその場にいた全員が胸に手を当てて頭を下げた。私は立ち上がった。
「恐れ多いので頭を上げてください。」
「きちんとお礼をしたいのだが我々はこれから調査をせねばならぬので、後日改めて礼をさせてほしい。」
「いや、こうしてお礼を言っていただいただけで十分です。」
お断りはしたのだが、「そういうわけにはいかぬ」とふっと笑って、すまんがこれで失礼するとテントを出ていった。レイ様を大人にして男らしくしたような姿に流石は兄弟だなと感心していると、突然、チョンピーがテント内に侵入してきた。チョンピーは私の肩に止まると師匠の声で「飯―っ!!」と鳴いた。あー・・・。
すぐ帰ります!と返事のチョンピーを飛ばし、レイ様の飛獣石に乗って家のある森へ向かう。
「ライファはすごいな。」
唐突にレイ様が言った。
「あの状況であんなに難しい調合を成功させるなんて。」
「緊張しましたよ。緊張したけれど、よく作る薬なので。」
「そんなにドゥブ毒の解毒薬が必要なのか?」
「いや、あの薬、実は師匠が酷い二日酔いの時なんかに使っていて・・・。」
「二日酔いだと!?」
レイ様がポカーンとした顔をした。その表情があまりに意外だったのでつい笑ってしまう。するとちょっとムッとしたような表情をする。
「そういえば、ライファは魔力ランク1なんだよな。間違いってことはないよな?」
「・・・間違ってはいないと思います。結界系の魔法を持続させるのも5分が限界ですし。」
そうか。とレイ様は呟いて、なにか考えたあと、「じゃあ、スキルか?」と聞いた。
「確かに食べ物等の効果がわかる心眼は持ってますが・・・。」
質問の意図がよくわからずにキョトンとしていると、レイ様もキョトンとした顔をして「え?」と言った。もしかして、心眼について聞いたのではなかったのか。
「いや、魔力をもつ材料というのは調合する際にも魔力が必要なんだ。今日、確かに私が魔方陣で手伝ったが、あの解毒薬は魔力ランク1の人間が調合できるものでは無いと思う。」
その言葉に今度は私が「え?」と声を出す番だった。
「・・・調合する時に魔力を使ったことなんて今まで無い・・・。」
「「スキルが2つ!!」」
私は驚いてレイ様の顔を見た。
「スキルを2つ持っている者の話など聞いたこともない。師匠には話してもいいだろうが一応、周りには内緒にしておいた方が良いかもな。私も口外しないでおく。」
「そうします。ありがとうございます。」
森の中央、ここで良いという私に本当に良いのか?とレイ様が聞いてきた。
「ここが家への入り口みたいなものなので。」
そういうとレイ様がギュッと目を細めて集中して視ているのがわかった。
「確かに、あの辺が少し歪んでいるな。」
「レイ様は流石ですね。私は結界を感じることもできませんから。」
おおう、と嘆いていると「様はいらん。レイでいい」とレイ様が言う。
「いや、平民の私が貴族のレイ様を名前で呼ぶわけにはいきません。」
そう強く言うと、そういうものか、と呟いた。
「ならば、貴族がいないところではレイでいい。ライファとは対等でいたいんだ。口調も崩してほしいくらいだ。」
いつになく真剣な声色だった。
これは、食べ物好きチームに招待するチャンスかもしれない。勝手にメンバーにするよりも、公認の方が良いに決まっているではないか。そんな考えが脳裏をかすめたと思った瞬間、
「んじゃぁ、食べ物好きチームのメンバーになりませんか?そうしたら、呼び捨ても口調を崩すのもやりますよ。」
と声が出ていた。
レイは「なんだそれ」と笑うと「いいよ」と言って私を森へ下した。
「今日はありがとう。この恩は忘れない。」
レイはそう言うと高く飛び上がった。また近いうちに、という声が聞こえた。
「ライファちゃーんっ。」
「あ、結構です。」
いつものようにハグを阻止する。
「それで、それで、回復薬は持ってきてくれたかな?」
手をスリスリさせて期待に満ちた目を浮かべるおじさんの顔をみて、あ・・・と思い出した。
「・・・・すっかり忘れていました・・・。」
その瞬間、魂を失ったかのようにザットおじさんがうなだれた。ほんと、1ミリも思い出さなかったな、と少しだけ自分に感心してしまった。こんなに綺麗に忘れることもあるとは。
「ごめんなさい。代わりと言ってはなんですが、ちょっと珍しい薬をもってきたんですよ。」
またもや、ガハッと顔を上げて今度は商売人の顔をする。
「ほう、どれどれ」と渡した小瓶をみた。
「これは何の薬だい?」
「ヒーリング効果のある薬です。」
「ヒーリング効果かぁ。効力によるな。効力1では売り物にならんからな。」
「こちらがヒーリング効果3でこちらがヒーリング効果4です。勿論、リベルダさんのお墨付きです。」
「ほぅ、珍しい!リベルダさんのお墨付きなら効力は確かだな。ヒーリング効果3なら捻挫とか筋を痛めたとかなら回復するだろうし、4なら確かに骨にひびが入ったくらいなら回復する。うむ、需要はある。」
ザットおじさんはちょっと考え込むような仕草をした。
「効果3の方は8000オン、効果4の方は16000オンでどうだ?」
「もの珍しさと効果を考えると、きっと貴族にも売れますよね?今後のことを考えるのなら、ザットおじさんにとってこれはいいアイテムになるのでは?二つで30000オンでどうでしょう?」
ザットおじさんはグッと空気を飲み込んで「26000オン!!」と空気を吐き出した。
「28000オン。」
くぅ~っと悩むザットおじさんに、これでダメなら他のお店に持っていきますよ、と囁けば「そんな殺生なぁ~」と泣かれた。なにはともあれ28000オンでお買い上げです。よしっ。
26000オンで取り置きにしていた本を買い、差額の2000オンを手にすると、私はホクホク顔でお店を後にした。
リュックの中には本。財布の中には2000オン。今日は時間もあるし、せっかく町に来たのだから買い物でもして帰ろうかとパン屋さんを覗く。ここ【じぇみぱん】はジェーバ・ミーヴァで一番人気のパン屋だ。種類が豊富で一か月ごとに変わる月替わりパンがこのパン屋の大人気パンである。毎月、というわけにはいかないけれど、町にくるとついつい覗いては買ってしまうのだ。お昼時、パン屋は大賑わい。店内が少しすいてから入ろうとお店の脇で待っていると、お店から人が出てきた。
「ライファ!?」
フードをずらして見上げると少しかがんで顔を覗き込もうとするレイ様の姿が目に入った。
「レイ様もパンですか?ここのパン、美味しいですよね。」
さすがは食べ物好きチームの正規メンバー。美味しいものはしっかりチェックですな!と心の中で頷いていると、突然何かの影の下に入ったのが分かった。
「レイ!」
緊迫したような声に空を見上げれば飛獣石に乗った貴族がレイ様を呼んでいた。飛獣石は石化した魔獣を核にして作る乗り物だ。馬車では2日かかる道のりも飛獣石でなら数時間で着くことができる。
声の主はレイ様の頭くらいまで高度を下げると飛獣石から飛び降りた。短く刈り上げた濃いブラウンの髪の毛と筋肉質な体の厳つい騎士だ。騎士は周りには聞こえないようにレイ様に何やら話すと、レイ様の表情が緊迫したものに変わった。
「戻るぞ!」
レイ様は一緒にいた騎士にそう告げると腕にはめていた飛獣石を乗り物に変化させた。一緒にいた騎士も飛獣石を変化させる。飛獣石は町中で変化させるには大きすぎるうえに目立つので、町中で変化させることはまずない。緊急事態なのだと察した。レイ様が飛獣石に飛び乗る。飛び乗ると同時に目があった。一瞬、レイ様の目が見開く。
「ライファ、乗れ!」
その声の気迫に押され、差し出されたレイ様の手を掴んだ。
上空をものすごいスピードで飛んでゆく。フードもポンチョも髪の毛も前面からくる風に押され、後方でバサバサ揺れた。耳元にゴーっと風のフィルターがかかって、その他の音が聞き取りづらい。そんな中でレイ様の連れが近寄ってくると大きな声で叫んだ。
「レイ、なぜにその娘を?」
「彼女は魔女の弟子だ。何かの役に立つかもしれん!」
レイ様はそう叫び返すと私に説明し始めた。
「ジェーバ・ミーヴァの向う側に騎士団の野営地がある。偵察のための騎士が10人程出入りしているのだが昼食に毒が混ぜられたらしい。現在5人が異常を訴えているとのことだ。」
そう話しているうちに騎士団の野営地に到着した。
足早にテントの中に入ってゆく。テントの中にはグッタリと横たわった騎士が4人、かろうじて座ってはいるものの荷物にもたれかかっている騎士が1人、騎士団のヒーラーだろう騎士が4人にヒーリングを施している姿が目に入った。
「兄さん!!」
荷物にもたれかかっている騎士に驚いたようにレイ様が駆け寄ってゆく。
「口に含んでから気づいて吐き出したんだが、体内に吸収された部分が悪さをしているらしい。」
弟を心配させまいと思ったのか口元だけで笑いの表情を作った。
「兄さんはもう喋らなくていい。状況は?」
ヒーラーが視線を4人から離さずに答える。
「直後は大したことはありませんでしたが、徐々に自身でコップを持つこともできなくなり、立つこともできなくなりました。ヴァンスが言うには痛みや苦しみは全くないそうです。」
「・・・なんの毒か心当たりはあるか?」
レイ様の問いにヒーラーが沈んだ声でいう。
「痛みや苦しみもなく気力だけを奪っている。ヒールを施して良くなっても一時的なだけですぐに悪化する。毒の回りが早いというよりは毒がすごい勢いで増殖している気がします。・・・以上のことからドゥブ毒の線が濃厚かと・・・」
「ドゥブ毒!?」
思わず叫んだ私の声にみんなの視線が集まった。昨日、ノートで目にしたあの言葉とここで出会うとは思わなかった。
「解毒薬を作ります。これから言うものを至急用意してください。」
「ライファ、解毒薬を作れるのか?」
信じられない、でも、縋るしかない。そんな強い眼差しで見つめられる。
「作ります。今は少しでも時間が惜しい。ランチョウの卵1、ピンパ2、ボーボーの枝30cm、トウの花5、ツンガの牙1、パオパゥの鱗粉2g。」
私は次々と必要な物を述べていく。
「あとはチョンガの木の実が5コとキョクの花ビラ5枚、ハクの花びら5枚、以上です。パオパゥの鱗粉が無ければ、パオパゥを原料にしたお酒500mlでも構いません。」
レイ様が騎士たちに指示すると騎士たちは散っていった。
「今はなんとか現状を維持できていますが、私の魔力もそうは持ちません。・・・なるべく早く頼みます。」
ヒーラーの額にうっすら汗が滲んでいる。4人に同時にヒールを行っているのだ。魔力の消耗も相当だろう。ガタっと音がした方を見ればレイ様の兄であるヴァンスが体勢を崩し荷物が崩れたところだった。
ヒーラーがハッと視線を向けたのを見て、ヴァンスが言った。
「私はまだ大丈夫だ。そっちの4人を優先してくれ。誰も、誰も死なせるな。」
ヴァンスの言葉にヒーラーの目に熱がこもる。
私は鞄の中から自分の回復薬を取り出すとヒーラーに差し出した。
「これを。少しは足しになります。」
ヒーラーはレイ様へと視線を移した。
「大丈夫だ。保障する。」
レイ様の言葉にヒーラーは頷くと私にありがとうございます、と言った。
解毒薬の材料が次々と集まってくる。
「ここでは狭いのでもう少し広い場所へ。それと鍋などの調理道具もお願いします。」
「では、こちらへ。」
野営場の調理場らしき場所へ案内される。
「ライファ、何か手伝えることはあるか?」
レイ様の言葉に「時短魔法をお願いします。」と言いながら材料を下ごしらえしてゆく。
まずトウの花を天日干しにして時短魔法陣を飛ばしてもらう。ピンパは皮をむいて8等分に、ボーボーの枝は10cmくらいにカット。ツンガの牙は卸して粉々にし、チョンガの木の実は叩いて溶けやすくする。
「こちらにも時短魔方陣を!」
手を上げてそう叫ぶとレイ様が魔方陣を飛ばしてくれた。鍋に水を1L入れ火にかける。ボーボーの枝を入れる。枝がブルッと震え液体に粘りが出てきたところで、天日干しにしてあったトウの花を入れる。液体が紫色に変わったところで木と花を取り出し、カットしたピンパを入れる。ピンパの臭いが滑らかになったところで、パオパゥのお酒を入れる。その後キョクとハクの花とチョンガの木の実を入れ、ひと混ぜして花を取り出す。ツンガの牙の粉を入れ、液体が赤く光るまで煮込む。
「ライファ、大丈夫か?」
レイ様が心配そうに声をかける。私はコクッと頷くと鍋を見つめた。タイミングを見誤ると全てが水の泡だ。「どんな毒相手でも解毒薬を作るときは時間勝負だ。解毒薬を作るのに失敗したときはもう助けられないと思え」師匠の言葉が重く刺さる。いつもの活力剤なのに、そこに命がかかっているかと思うと手が震える思いだった。
液体が赤く光った。私はすぐ火を消してこれ以上熱が進まないように別の容器に液体をあけた。
「冷却魔法陣、お願いします!」
時短魔方陣の上に冷却魔方陣も重ねてもらう。慎重に液体をかき混ぜながら粗熱が取れたところで、両方の魔方陣を解除してもらい、ランチョウの卵をまぜた。卵を混ぜた瞬間、赤紫色に液体が光った。スキルで確認すれば【活力効果8】の文字。成功だ。
「できた。これを5等分して皆さんに飲ませてください!」
騎士たちが解毒薬をグラスに注ぎ、急いでテントへ持っていく。私も急いでテントへ向かう。
テントの中ではヒーラーがなんとか魔力を絞り出しているかのようだった。ヴァンスは体を起こしていることも出来なくなり、横たわって目を開けているのがやっとのようだ。レイ様が駆け寄って解毒剤を飲ませる。あとの4人は飲む気力もなくなっているようで、レイ様の連れの騎士が魔力を使って無理やり飲ませた。すると、飲み終わって1分も経たないうちに4人の目があき、5分後には何事もなかったかのように全員が回復した。わぁ、っと安堵の空気が広がる。ヒーラーが汗を拭きながら、ふぅっと仰向けに寝転がった。
よかった。私の体の中をほっとした気持ちが駆け巡り、緊張がほどけるとガクッと膝が落ちた。
「ライファ!!大丈夫か!」
「・・・大丈夫です。緊張が切れたのと、ほっとしたのと、魔力の使い過ぎと・・・おなか・・減った・・・。」
レイ様が買った【じぇみぱん】のパンを、全部は申し訳ないからと一つだけもらい別のテントで休憩する。今日買おうと思っていた月替わりパンだ。今回のパンは羊乳凝をふんだんに使った甘さの中に塩気があるお食事パンだ。さっと火で炙れば美味しさが倍増するに違いない。
「入るぞ」の声がしてレイ様が入ってきた。
「ホット羊乳だ。飲めば落ち着くだろう。」
レイ様から受け取った羊乳を飲む。魔力の使い過ぎと緊張で冷たくなっていた手足が温まってゆく。
「美味しい。」
そう呟くとレイ様が優しく微笑んだ。
「今日は本当に助かった。なんと礼を言ったらいいか。とにかく、本当にありがとう。」
レイ様の言葉に、解毒薬を作れたのは本当に偶然なのだと、役に立てて良かったと言葉を返していると、「入ってもいいか?」と声がした。
「あぁ。」
レイ様が返事をするとヴァンスと4人の騎士、ヒーラーが入ってきた。
「この度は本当に助かった。君がいなければ我々の命はなかったであろう。感謝する。」
ヴァンスがそう言うとその場にいた全員が胸に手を当てて頭を下げた。私は立ち上がった。
「恐れ多いので頭を上げてください。」
「きちんとお礼をしたいのだが我々はこれから調査をせねばならぬので、後日改めて礼をさせてほしい。」
「いや、こうしてお礼を言っていただいただけで十分です。」
お断りはしたのだが、「そういうわけにはいかぬ」とふっと笑って、すまんがこれで失礼するとテントを出ていった。レイ様を大人にして男らしくしたような姿に流石は兄弟だなと感心していると、突然、チョンピーがテント内に侵入してきた。チョンピーは私の肩に止まると師匠の声で「飯―っ!!」と鳴いた。あー・・・。
すぐ帰ります!と返事のチョンピーを飛ばし、レイ様の飛獣石に乗って家のある森へ向かう。
「ライファはすごいな。」
唐突にレイ様が言った。
「あの状況であんなに難しい調合を成功させるなんて。」
「緊張しましたよ。緊張したけれど、よく作る薬なので。」
「そんなにドゥブ毒の解毒薬が必要なのか?」
「いや、あの薬、実は師匠が酷い二日酔いの時なんかに使っていて・・・。」
「二日酔いだと!?」
レイ様がポカーンとした顔をした。その表情があまりに意外だったのでつい笑ってしまう。するとちょっとムッとしたような表情をする。
「そういえば、ライファは魔力ランク1なんだよな。間違いってことはないよな?」
「・・・間違ってはいないと思います。結界系の魔法を持続させるのも5分が限界ですし。」
そうか。とレイ様は呟いて、なにか考えたあと、「じゃあ、スキルか?」と聞いた。
「確かに食べ物等の効果がわかる心眼は持ってますが・・・。」
質問の意図がよくわからずにキョトンとしていると、レイ様もキョトンとした顔をして「え?」と言った。もしかして、心眼について聞いたのではなかったのか。
「いや、魔力をもつ材料というのは調合する際にも魔力が必要なんだ。今日、確かに私が魔方陣で手伝ったが、あの解毒薬は魔力ランク1の人間が調合できるものでは無いと思う。」
その言葉に今度は私が「え?」と声を出す番だった。
「・・・調合する時に魔力を使ったことなんて今まで無い・・・。」
「「スキルが2つ!!」」
私は驚いてレイ様の顔を見た。
「スキルを2つ持っている者の話など聞いたこともない。師匠には話してもいいだろうが一応、周りには内緒にしておいた方が良いかもな。私も口外しないでおく。」
「そうします。ありがとうございます。」
森の中央、ここで良いという私に本当に良いのか?とレイ様が聞いてきた。
「ここが家への入り口みたいなものなので。」
そういうとレイ様がギュッと目を細めて集中して視ているのがわかった。
「確かに、あの辺が少し歪んでいるな。」
「レイ様は流石ですね。私は結界を感じることもできませんから。」
おおう、と嘆いていると「様はいらん。レイでいい」とレイ様が言う。
「いや、平民の私が貴族のレイ様を名前で呼ぶわけにはいきません。」
そう強く言うと、そういうものか、と呟いた。
「ならば、貴族がいないところではレイでいい。ライファとは対等でいたいんだ。口調も崩してほしいくらいだ。」
いつになく真剣な声色だった。
これは、食べ物好きチームに招待するチャンスかもしれない。勝手にメンバーにするよりも、公認の方が良いに決まっているではないか。そんな考えが脳裏をかすめたと思った瞬間、
「んじゃぁ、食べ物好きチームのメンバーになりませんか?そうしたら、呼び捨ても口調を崩すのもやりますよ。」
と声が出ていた。
レイは「なんだそれ」と笑うと「いいよ」と言って私を森へ下した。
「今日はありがとう。この恩は忘れない。」
レイはそう言うと高く飛び上がった。また近いうちに、という声が聞こえた。
0
あなたにおすすめの小説
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
転生小説家の華麗なる円満離婚計画
鈴木かなえ
ファンタジー
キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。
両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。
ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。
その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。
逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族三人の物語です。
追放聖女35歳、拾われ王妃になりました
真曽木トウル
恋愛
王女ルイーズは、両親と王太子だった兄を亡くした20歳から15年間、祖国を“聖女”として統治した。
自分は結婚も即位もすることなく、愛する兄の娘が女王として即位するまで国を守るために……。
ところが兄の娘メアリーと宰相たちの裏切りに遭い、自分が追放されることになってしまう。
とりあえず亡き母の母国に身を寄せようと考えたルイーズだったが、なぜか大学の学友だった他国の王ウィルフレッドが「うちに来い」と迎えに来る。
彼はルイーズが15年前に求婚を断った相手。
聖職者が必要なのかと思いきや、なぜかもう一回求婚されて??
大人なようで素直じゃない2人の両片想い婚。
●他作品とは特に世界観のつながりはありません。
●『小説家になろう』に先行して掲載しております。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!
皇子(みこ)
恋愛
辺境の地でのんびり?過ごして居たのに、王都の舞踏会に参加なんて!あんな奴等のいる所なんて、ぜーたいに行きません!でブスなんて言われた幼少時の記憶は忘れないー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる