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第一章
36. ペンダントとブレスレット
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騎士団の建物にある自分のディスクに座って報告書を読んでいた。昨日のライファの事件の報告書だ。レイからライファが誘拐されたと聞いた時には全身の血の気が引いた。レイの動揺が激しかったお蔭で冷静になれたが、その場に誰もいなかったら取り乱していたに違いない。
報告書には死んだ犯人二人に対する調査報告が書かれていた。二人はユーリスアにある孤児院の出身らしい。年齢は22歳と24歳。身寄りはいない。近々お金が入るんだと、お金が入ったら孤児院の子供たちに差し入れをするからと孤児院の院長に話していたそうだ。やったことは決して許されることではない。けれど、根からの悪党ではないのだと思うとなんだかやりきれない気がした。
二人は脳を内部から破壊されて殺されていた。そんなことが出来るのは貴族しかいない。平民の魔力ではとてもできることではないのだ。二人がよくいく教会だとか、孤児院の出資者だとかを探し、接点を持ちそうな貴族をピックアップしたがどれも確証が持てない。
間にもう一人いるのかもしれないな。
人身売買はいつもトカゲのしっぽ切りだ。捕まえても、捕まえても尻尾を切り落としてどんどん逃げてゆく。
私は頭を抱えた。エマを置いていったことを考えればライファを狙ったのだろう。相手がライファを諦めてくれればよいが・・・。
机の引き出しを開けた。私がずっと側について守ってやれればいいのだがそういうわけにもいかない。それならばせめて、と引き出しから可愛いブレスレットを取り出した。いくつかの赤い石がはめ込まれたシンプルなデザインではあるが、彫刻が美しい。そのブレスレットに魔力を注ぎ込み、ライファのお守りになるようにしたのだ。ライファに危害を加えようものなら、そのブレスレットが反応してライファに結界を張る様にしてある。
コンコンコン
「ヴァンス隊長、ライファさんが来ました。」
「通せ。」
ライファがひょこっと顔を出した。背中に箱を背負っていて、まるで行商人かのような姿だ。続いてレイが入ってくる。
「レイ、聴取は30分もあれば終わるだろう。その間お前は下の階でユーリの手伝いをしてやれ。聴取が終わり次第、連絡する。」
「わかりました。」
レイが去って、ライファと向き合う。ライファの肩に乗っているキュロもどこか緊張した面持ちだ。
「ライファちゃん、どうぞ。座って。緊張しなくても大丈夫だよ。君もね。」
私はキュロにも話しかけると、いつまでも消えないレイの気配に違和感を覚えつつ聴取を開始した。
「昨日のことを詳しく話してくれるか?」
「はい。昨日はエマと市場に行きました。エマが少し先に行ったので追いかけようとしたら突然ハンカチで口を塞が
れました。何かの薬かと思い、咄嗟に息を止め、気を失ったふりをしました。」
話を聞いていて驚いた。普通、誘拐されたのならパニックになるはずだ。それなのに彼女は最初からきちんと考えて、助かる為の計画を立てていた。酷かった左手の親指の怪我が、ロープから逃れるために自身で傷をつけたのだと聞いた時には、驚きを通り越して少し呆れてしまった。
彼女は状況を説明しながら、本当はどうするべきだったのか反省点も含め話してくれ、お蔭で聴取はこういう場合はこうするのが良いなどど、まるで講義のようになってしまった。
「聴取は以上で終わりにする。」
「はい!大変勉強になりました。ありがとうございます!」
終了の会話もまるで講義の先生と生徒のようで、記録係が肩を震わせて笑っていた。
まったく、君と言う人は。
さて、聴取は終わったから先ほどから感じている違和感の正体を確かめようか。私は記録係に声をかけた。
「すまないが、ライファと少し話があるから、席をはずしてもらえないか?」
騎士団の下端である記録係は、はい、といって素直に退席した。
「ところでライファちゃん、さっきからレイの気配がするのだけれど、それはなんでかな?」
「え?ここにいるんですか?」
ライファに質問をぶつけると、とんちんかんな答えが返ってきた。全然意味が分かっていないらしい。
こんなに相手の気配がするということは、身も心も深くつながるか、相手の魔力を身につけているかのどちらかなのに。
「レイに何か渡されなかった?」
「あ、先ほどペンダントをいただきました。こんなに高価な物、貰っていいのかと躊躇ったのですが。」
ライファが首元にあるペンダントを見せてくれる。
あぁ、やはり。
私はレイに嫉妬した。
レイがライファに身につけさせているこのペンダント、これはジェンダーソン家の男が妻となる相手に贈るものだ。ジェンダーソン家は武力を重視している家柄だ。幼い頃から鍛え、実力もつける。当然、国家のピンチには立ち向かう故、自身の妻を守ることが出来ない。そのため、自分がいない時に伴侶を守ってくれるようにと作るのがこのペンダントだ。物心ついたときから、いずれ出会う愛しい人を守る為に毎日のように魔力を込める。そうすることで強力な守りとなるのだ。
「ライファちゃんはこのペンダントの意味が分かっているの?」
「意味ですか?なんだろう。お守りとしか聞いていませんけど。」
ライファはそう言って首を傾けた。
あぁ、そうか。嫉妬の奥底に潜んでいるのは、覚悟を決めきれない自分自身へのもどかしさか。迷いか。
魔力ランクを重んじる貴族でありながら、魔力ランクの低い平民の娘であるライファへの思いを貫く。その覚悟が今の私には出来ない。だが、レイにはライファの為に貴族の地位を捨ててもいいと思えるくらいの覚悟がもうできているのだろう。それが、悔しいのだ。
「ヴァンス様、どうかしました?」
こちらの気持ちなど知る由もなく、ライファが聞いてくる。
覚悟など、そんなに簡単にはできない。
だが、いいじゃないか。今はそれでも。
すぐに答えを出す必要はない。ライファも、私も。
私は机の引き出しからブレスレットを取り出した。
「ライファちゃん、これも受け取って欲しいのだけど。」
いつものように軽く言う。
「ライファちゃんに似合うと思って買っちゃったんだよね。僕が持っていても使い道もないし、ライファちゃんの為に買ったものだから。」
「えぇっ!こんなに綺麗な物、いいんですか?」
「いいの、いいの。ちょっと待ってね。」
私はそういうとブレスレットを取り出し、ブレスレットの石の部分を額につけると石に込めていた魔方陣を描きなおした。レイが物心ついた時から育てていたお守りにはとても敵わないから、そのお守りの効力を増大させるようなお守りに変更したのだ。
「ライファ・グリーンレイに守りを。」
最後にそう呟けばブレスレットは赤く光る。
「これもお守りだから外しちゃだめだよ。」
そう言うとライファの腕にはめた。
報告書には死んだ犯人二人に対する調査報告が書かれていた。二人はユーリスアにある孤児院の出身らしい。年齢は22歳と24歳。身寄りはいない。近々お金が入るんだと、お金が入ったら孤児院の子供たちに差し入れをするからと孤児院の院長に話していたそうだ。やったことは決して許されることではない。けれど、根からの悪党ではないのだと思うとなんだかやりきれない気がした。
二人は脳を内部から破壊されて殺されていた。そんなことが出来るのは貴族しかいない。平民の魔力ではとてもできることではないのだ。二人がよくいく教会だとか、孤児院の出資者だとかを探し、接点を持ちそうな貴族をピックアップしたがどれも確証が持てない。
間にもう一人いるのかもしれないな。
人身売買はいつもトカゲのしっぽ切りだ。捕まえても、捕まえても尻尾を切り落としてどんどん逃げてゆく。
私は頭を抱えた。エマを置いていったことを考えればライファを狙ったのだろう。相手がライファを諦めてくれればよいが・・・。
机の引き出しを開けた。私がずっと側について守ってやれればいいのだがそういうわけにもいかない。それならばせめて、と引き出しから可愛いブレスレットを取り出した。いくつかの赤い石がはめ込まれたシンプルなデザインではあるが、彫刻が美しい。そのブレスレットに魔力を注ぎ込み、ライファのお守りになるようにしたのだ。ライファに危害を加えようものなら、そのブレスレットが反応してライファに結界を張る様にしてある。
コンコンコン
「ヴァンス隊長、ライファさんが来ました。」
「通せ。」
ライファがひょこっと顔を出した。背中に箱を背負っていて、まるで行商人かのような姿だ。続いてレイが入ってくる。
「レイ、聴取は30分もあれば終わるだろう。その間お前は下の階でユーリの手伝いをしてやれ。聴取が終わり次第、連絡する。」
「わかりました。」
レイが去って、ライファと向き合う。ライファの肩に乗っているキュロもどこか緊張した面持ちだ。
「ライファちゃん、どうぞ。座って。緊張しなくても大丈夫だよ。君もね。」
私はキュロにも話しかけると、いつまでも消えないレイの気配に違和感を覚えつつ聴取を開始した。
「昨日のことを詳しく話してくれるか?」
「はい。昨日はエマと市場に行きました。エマが少し先に行ったので追いかけようとしたら突然ハンカチで口を塞が
れました。何かの薬かと思い、咄嗟に息を止め、気を失ったふりをしました。」
話を聞いていて驚いた。普通、誘拐されたのならパニックになるはずだ。それなのに彼女は最初からきちんと考えて、助かる為の計画を立てていた。酷かった左手の親指の怪我が、ロープから逃れるために自身で傷をつけたのだと聞いた時には、驚きを通り越して少し呆れてしまった。
彼女は状況を説明しながら、本当はどうするべきだったのか反省点も含め話してくれ、お蔭で聴取はこういう場合はこうするのが良いなどど、まるで講義のようになってしまった。
「聴取は以上で終わりにする。」
「はい!大変勉強になりました。ありがとうございます!」
終了の会話もまるで講義の先生と生徒のようで、記録係が肩を震わせて笑っていた。
まったく、君と言う人は。
さて、聴取は終わったから先ほどから感じている違和感の正体を確かめようか。私は記録係に声をかけた。
「すまないが、ライファと少し話があるから、席をはずしてもらえないか?」
騎士団の下端である記録係は、はい、といって素直に退席した。
「ところでライファちゃん、さっきからレイの気配がするのだけれど、それはなんでかな?」
「え?ここにいるんですか?」
ライファに質問をぶつけると、とんちんかんな答えが返ってきた。全然意味が分かっていないらしい。
こんなに相手の気配がするということは、身も心も深くつながるか、相手の魔力を身につけているかのどちらかなのに。
「レイに何か渡されなかった?」
「あ、先ほどペンダントをいただきました。こんなに高価な物、貰っていいのかと躊躇ったのですが。」
ライファが首元にあるペンダントを見せてくれる。
あぁ、やはり。
私はレイに嫉妬した。
レイがライファに身につけさせているこのペンダント、これはジェンダーソン家の男が妻となる相手に贈るものだ。ジェンダーソン家は武力を重視している家柄だ。幼い頃から鍛え、実力もつける。当然、国家のピンチには立ち向かう故、自身の妻を守ることが出来ない。そのため、自分がいない時に伴侶を守ってくれるようにと作るのがこのペンダントだ。物心ついたときから、いずれ出会う愛しい人を守る為に毎日のように魔力を込める。そうすることで強力な守りとなるのだ。
「ライファちゃんはこのペンダントの意味が分かっているの?」
「意味ですか?なんだろう。お守りとしか聞いていませんけど。」
ライファはそう言って首を傾けた。
あぁ、そうか。嫉妬の奥底に潜んでいるのは、覚悟を決めきれない自分自身へのもどかしさか。迷いか。
魔力ランクを重んじる貴族でありながら、魔力ランクの低い平民の娘であるライファへの思いを貫く。その覚悟が今の私には出来ない。だが、レイにはライファの為に貴族の地位を捨ててもいいと思えるくらいの覚悟がもうできているのだろう。それが、悔しいのだ。
「ヴァンス様、どうかしました?」
こちらの気持ちなど知る由もなく、ライファが聞いてくる。
覚悟など、そんなに簡単にはできない。
だが、いいじゃないか。今はそれでも。
すぐに答えを出す必要はない。ライファも、私も。
私は机の引き出しからブレスレットを取り出した。
「ライファちゃん、これも受け取って欲しいのだけど。」
いつものように軽く言う。
「ライファちゃんに似合うと思って買っちゃったんだよね。僕が持っていても使い道もないし、ライファちゃんの為に買ったものだから。」
「えぇっ!こんなに綺麗な物、いいんですか?」
「いいの、いいの。ちょっと待ってね。」
私はそういうとブレスレットを取り出し、ブレスレットの石の部分を額につけると石に込めていた魔方陣を描きなおした。レイが物心ついた時から育てていたお守りにはとても敵わないから、そのお守りの効力を増大させるようなお守りに変更したのだ。
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最後にそう呟けばブレスレットは赤く光る。
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そう言うとライファの腕にはめた。
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