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第二章
44. グショウ隊長の災難 1
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翌朝、国王を始め王宮の皆に見送られながらオーヴェルを出発した。帰りは目立っても構わないので、飛獣石に乗って移動する。時間の許す限り飛べば3日でターザニアに帰ることが出来るだろう。
私の後ろにライファが乗り、トトはダンの後ろにリュンはその後からついてくる。
「あの、隊長、お土産を買いにどこかの街に寄ってもらってもいいですか?」
「あぁ、あの時の青い食べ物ですか?結局教えてもらえなかったようですけど、名前は分かったのですか?」
昨晩のライファの言葉を思い出して、ふふっと笑いながら聞けばちょっとむぅっとしながらも、そうですと答える。
「先ほど王宮を出る前に侍女の方に聞きました。ムーアという名前の海洋植物だそうです。」
それにしても昨晩のライファは傑作だった。クオン王子の熱い眼差しにも気づかず、明らかにそっち方面には疎そうなのに「立派なモノでないと満足できない」だなんて。正確には立派な方、だったが、意味的には一緒だろう。思い出せばまた笑いがこみ上げてくる。
「そんなに笑うと、グショウ隊長にはムーアの酒蒸しを作ってあげませんよ。きっとお酒に合う美味しい料理になるはずなんです。」
「お酒に合う・・・それはいいですねぇ。」
酒は好きだ。あの体温の上昇、理性が陰り本能が目覚めようとする感覚。その狭間に片足を下してゆらゆら揺れる感じが好きなのだ。そうか、調合料理研究室の人材を連れていけないような現場では、帰還したら調合料理パーティーで労わるのはどうだろう。無事に帰還するぞというモチベーションに繋がるのでははいだろうか。我ながら良い考えだ。
その時、猛スピードで追ってくる魔力を感じ、ばっと振り返った。飛獣石で追いかけてくる者がいる。
「み、な、さぁーんっ!」
その声を聞いて顔が引きつるのを感じた。笑顔で寄ってきたのはジョンである。
「どうしたのですか?」
嫌な表情を隠そうともせずに声をかける。
「みなさんと一夜を共にしたくて。」
この言い方・・・。ジョンの笑顔にゲンナリした。
「結構です。」
私の言葉を完全に無視してジョンはライファに話しかける。
「ライファさん、私、あなたの料理に心底惚れました。あのアイスクリームを食べた時、私の胸には1輪の真っ赤な花が咲いたのです。」
独特な表現でよくわからないが、とにかく美味しかったということなのだろう。つまり、この旅についてきてもう一度ご飯が食べたいということか。
「ジョンさん、お仕事はいいのですか?」
リュンが聞けば「休みをいただきました!」とビシッとした返事が返ってきた。何としてでもついてくるつもりらしい。
「特に問題もありませんし、いいのでは?むしろ安全度が増しますし。」
ダンがジョンの援護射撃をする。
「わかりました。ひとつだけ教えてください。あなた、男性がお好きな方ではないですよね?」
以前スキルのことを打ち明けた時、「実はその気になれば洋服を透かすことも出来るんですよ。隊長のアレだって見ることもできます」と言った。あの時のネットリとした視線が気になっていたのだ。
「えぇ、女性も好きですよ。」
「「も?」」
ダンとリュンが揃って声を上げた。
「えぇ、私は戦士ですよ?いつ死ぬかもわからないというのに快感を与えてくれる相手を性別で分けたりなどしません。」
私はその言葉を聞いてふっと笑った。やはりあの時に感じた悪寒は正しかったのだ。
「危険物は排除だ。今すぐ帰れ!」とジョンに言い放つ。ジョンはその言葉など聞いていなかったかのように嬉しそうに隣に寄ってきた。飛獣石から身を乗り出して私の耳元で囁く。
「私が興味あるのはライファさんの料理とあなたですよ。私を危険だというのはつまり、あなたが私よりも弱いということですか?」
顔を見ればジョンが好戦的で挑発的な目をしていた。上等じゃないか。同行を許そうとしたその時、ライファがジョンの名前を呼んだ。
「ジョンさん、わたし、美味しいご飯を作りますね。」
ライファはそう言うと、私を見てふふん、と笑った。どうやら例の発言を笑いまくっている私への仕返しのつもりらしい。
今晩の宿はシーサスという街にした。ジョンのおススメの街だ。シーサスもオーヴェル王都へ向かう商人の宿泊先になることが多く、良い意味で外国人に慣れている。外から人が来ることに慣れていない町は必要以上に町人が余所余所しいか、ものすごく歓迎してくれるかで、それはそれで疲れるのだ。
街の門を守る兵士にジョンが声をかける。
「久しぶり。私とその友人たちを通してもらえるか?」
「ジョンさんじゃないですか!随分お久しぶりですね。リンジャがジョンさんがお見えにならないと寂しがっていましたよ。」
「仕事で来られなかったんだ。またちょくちょく来るよ。たぶん。」
「きっと喜びますよ。さ、どうぞ。」
リンジャという名前の感じからきっと花街の女だろう。花街は快楽のお世話をするお店の集合体だ。快楽を与えてくれる相手を性別で区別しないと言い切った男だ。そういう場所への出入りは想像に容易い。性欲も強そうだし、暑苦しいし。ジョンに対するマイナス点を重ねつつ街に入った。
なるほどね。
アーリアがオーヴェルの入り口、観光案内所であり表の街というのならばここシーサスは歓楽街。夜の街だ。お店の前には青、オレンジ、赤、黄色などの光を入れた顔くらいの大きさの透明な丸が浮かぶ。それらがネオンとなりこの街の夜を彩り、客引きと呼ばれると男や女たちが道行く人々に声をかけていた。
「まずはお買い物ですね!」
ジョンが嬉しそうな顔でライファを見る。
「そうですね。それから厨房を貸してもらえる宿があれば。」
「宿もお任せ下さいな。」
ライファの望むままの食材を購入しジョンおすすめの宿へ行く。宿は・・・というか、宿か?
その建物は大きな門はあるが決して立派とは言えず、小奇麗ではあるが古びた貴族の家といった感じだ。ジョンは誰を呼ぶわけでもなく慣れたように門を開け、どうぞ、と言った。
「ばあちゃーん、帰ってきたぞー。あ、ここ、私の家だから気にしないで寛いでいってね。」
後半の方は振り返って私たちに言った言葉だ。人に慣れている街だから宿に行けば気を遣わずにのんびり出来るかと思っていたのにまさかジョンの実家にお世話になる羽目になるとは・・・。
奥からピンッと背中を伸ばしてがに股気味に歩く白髪のおばあちゃんがやってきた。
「あぁ、帰ってきたのかい。そちらは?」
「こっちはターザニアの騎士団の皆さんだ。仲良くなったから連れてきた。」
「グショウと申します。この度は急にすみません。ご迷惑でしょうし、すぐに他の宿を探しますのでお気になさらず。」
なんとか断って宿へ行こうとしたのだが、「いや、かまわんぞ。孫とその友達なら大歓迎じゃ。」と言われてしまっては他所へ行くことなどできやしない。一抹の不安を抱えたまま、ジョンの家にお世話になることにした。
その日の夜ご飯はジョンの念願のライファの手作り料理。食卓にはジョンの祖父と祖母が並ぶ。祖母はジョンにそっくりなのに対して祖父は線も細く中世的な印象の男性だ。ジョンの祖父は流し目のような雰囲気の鋭い視線で皆を一瞥すると、「ほう、今日のお前のメインはあの男かな。」と私を見つめた。
「おじいさん、本人を目の前にしてそういうことは言わないものですよ。」
ジョンが注意する。容姿は似ていなくても性格はそっくりらしい。私の気持ちを一言で表現するならば、ちーん、だ。目を細めて遠くを見つつ平常心、平常心と呪文のように唱える。
「お待たせしました。」
ライファとトトとリュンが今日の料理を運んできた。
「これがムーアの酒蒸しです。塩と少しのトンビャとお酒、少しだけ羊乳凝を入れて蒸してあります。」
底の浅い鍋に紫色のムーアがポヨン、ポヨン、と浮いている。ライファが作ったのだから味は良いのだろうが、この見た目はいかがなものだろう。鍋の中に虫の死骸でも浮いているかのようだ。
「こちらがバイ魚のムニエル、粉にしたサワンヤを魚にまぶして洋乳凝で焼いて塩とスパイスで味を調えてあります。」
こちらは焦げ目が美味しそうに食欲を誘う。それ他は、野菜のさっぱりスープとサラダとフルーツといったラインナップだった。
「いただきます。」
皆が各々に食事の挨拶をし、食事に手をつける。
「「これは!!」」
酒蒸しに手をつけたジョンとその祖父はうまい!と叫びつつも目を合わせて頷き、ジョンが厨房へ消えたと思えばお酒を持ってやってきた。
「酒蒸しには、この酒だな。」
「ジョン、よくわかっているではないか。」
「このお魚はハイカラな味がして美味しいねぇ。長年生きているけどこんな味、初めて食べたよ。どうやって作るんだい?」
祖母がライファに料理の作り方を聞いているところをみると、祖母は魚料理が気に入っているらしい。にこやかにお酒を飲んでいるジョンとその祖父や祖母を見ていると、もしかしたらジョンはライファの料理をこの二人に食べさせたくて我々をここに連れてきたのではないかと思えた。ふぅん、家族思いの一面はあるのか。
「そう言えばジョン、毎年来ている遊牧民のマカ族だがな、今年はまだ顔を出さないんだ。どっかで寄り道しているのなら良いのだが何か情報が届いたら教えてくれ。あいつらには毎年、花街のいい女ランキングを教えてやっているのだ。」
「あぁ、わかった。」
こういう会話って女性的にはどうなのだろうかと祖母の顔色を窺って見れば、「ランキング決めるのに今年は私の意見も入っているからね。今年のはいい出来だよぅ。隊長も見てみるかぃ?」と微笑まれた。
「いえ、結構です。」
なんだか、もう本当についていけない。
私の後ろにライファが乗り、トトはダンの後ろにリュンはその後からついてくる。
「あの、隊長、お土産を買いにどこかの街に寄ってもらってもいいですか?」
「あぁ、あの時の青い食べ物ですか?結局教えてもらえなかったようですけど、名前は分かったのですか?」
昨晩のライファの言葉を思い出して、ふふっと笑いながら聞けばちょっとむぅっとしながらも、そうですと答える。
「先ほど王宮を出る前に侍女の方に聞きました。ムーアという名前の海洋植物だそうです。」
それにしても昨晩のライファは傑作だった。クオン王子の熱い眼差しにも気づかず、明らかにそっち方面には疎そうなのに「立派なモノでないと満足できない」だなんて。正確には立派な方、だったが、意味的には一緒だろう。思い出せばまた笑いがこみ上げてくる。
「そんなに笑うと、グショウ隊長にはムーアの酒蒸しを作ってあげませんよ。きっとお酒に合う美味しい料理になるはずなんです。」
「お酒に合う・・・それはいいですねぇ。」
酒は好きだ。あの体温の上昇、理性が陰り本能が目覚めようとする感覚。その狭間に片足を下してゆらゆら揺れる感じが好きなのだ。そうか、調合料理研究室の人材を連れていけないような現場では、帰還したら調合料理パーティーで労わるのはどうだろう。無事に帰還するぞというモチベーションに繋がるのでははいだろうか。我ながら良い考えだ。
その時、猛スピードで追ってくる魔力を感じ、ばっと振り返った。飛獣石で追いかけてくる者がいる。
「み、な、さぁーんっ!」
その声を聞いて顔が引きつるのを感じた。笑顔で寄ってきたのはジョンである。
「どうしたのですか?」
嫌な表情を隠そうともせずに声をかける。
「みなさんと一夜を共にしたくて。」
この言い方・・・。ジョンの笑顔にゲンナリした。
「結構です。」
私の言葉を完全に無視してジョンはライファに話しかける。
「ライファさん、私、あなたの料理に心底惚れました。あのアイスクリームを食べた時、私の胸には1輪の真っ赤な花が咲いたのです。」
独特な表現でよくわからないが、とにかく美味しかったということなのだろう。つまり、この旅についてきてもう一度ご飯が食べたいということか。
「ジョンさん、お仕事はいいのですか?」
リュンが聞けば「休みをいただきました!」とビシッとした返事が返ってきた。何としてでもついてくるつもりらしい。
「特に問題もありませんし、いいのでは?むしろ安全度が増しますし。」
ダンがジョンの援護射撃をする。
「わかりました。ひとつだけ教えてください。あなた、男性がお好きな方ではないですよね?」
以前スキルのことを打ち明けた時、「実はその気になれば洋服を透かすことも出来るんですよ。隊長のアレだって見ることもできます」と言った。あの時のネットリとした視線が気になっていたのだ。
「えぇ、女性も好きですよ。」
「「も?」」
ダンとリュンが揃って声を上げた。
「えぇ、私は戦士ですよ?いつ死ぬかもわからないというのに快感を与えてくれる相手を性別で分けたりなどしません。」
私はその言葉を聞いてふっと笑った。やはりあの時に感じた悪寒は正しかったのだ。
「危険物は排除だ。今すぐ帰れ!」とジョンに言い放つ。ジョンはその言葉など聞いていなかったかのように嬉しそうに隣に寄ってきた。飛獣石から身を乗り出して私の耳元で囁く。
「私が興味あるのはライファさんの料理とあなたですよ。私を危険だというのはつまり、あなたが私よりも弱いということですか?」
顔を見ればジョンが好戦的で挑発的な目をしていた。上等じゃないか。同行を許そうとしたその時、ライファがジョンの名前を呼んだ。
「ジョンさん、わたし、美味しいご飯を作りますね。」
ライファはそう言うと、私を見てふふん、と笑った。どうやら例の発言を笑いまくっている私への仕返しのつもりらしい。
今晩の宿はシーサスという街にした。ジョンのおススメの街だ。シーサスもオーヴェル王都へ向かう商人の宿泊先になることが多く、良い意味で外国人に慣れている。外から人が来ることに慣れていない町は必要以上に町人が余所余所しいか、ものすごく歓迎してくれるかで、それはそれで疲れるのだ。
街の門を守る兵士にジョンが声をかける。
「久しぶり。私とその友人たちを通してもらえるか?」
「ジョンさんじゃないですか!随分お久しぶりですね。リンジャがジョンさんがお見えにならないと寂しがっていましたよ。」
「仕事で来られなかったんだ。またちょくちょく来るよ。たぶん。」
「きっと喜びますよ。さ、どうぞ。」
リンジャという名前の感じからきっと花街の女だろう。花街は快楽のお世話をするお店の集合体だ。快楽を与えてくれる相手を性別で区別しないと言い切った男だ。そういう場所への出入りは想像に容易い。性欲も強そうだし、暑苦しいし。ジョンに対するマイナス点を重ねつつ街に入った。
なるほどね。
アーリアがオーヴェルの入り口、観光案内所であり表の街というのならばここシーサスは歓楽街。夜の街だ。お店の前には青、オレンジ、赤、黄色などの光を入れた顔くらいの大きさの透明な丸が浮かぶ。それらがネオンとなりこの街の夜を彩り、客引きと呼ばれると男や女たちが道行く人々に声をかけていた。
「まずはお買い物ですね!」
ジョンが嬉しそうな顔でライファを見る。
「そうですね。それから厨房を貸してもらえる宿があれば。」
「宿もお任せ下さいな。」
ライファの望むままの食材を購入しジョンおすすめの宿へ行く。宿は・・・というか、宿か?
その建物は大きな門はあるが決して立派とは言えず、小奇麗ではあるが古びた貴族の家といった感じだ。ジョンは誰を呼ぶわけでもなく慣れたように門を開け、どうぞ、と言った。
「ばあちゃーん、帰ってきたぞー。あ、ここ、私の家だから気にしないで寛いでいってね。」
後半の方は振り返って私たちに言った言葉だ。人に慣れている街だから宿に行けば気を遣わずにのんびり出来るかと思っていたのにまさかジョンの実家にお世話になる羽目になるとは・・・。
奥からピンッと背中を伸ばしてがに股気味に歩く白髪のおばあちゃんがやってきた。
「あぁ、帰ってきたのかい。そちらは?」
「こっちはターザニアの騎士団の皆さんだ。仲良くなったから連れてきた。」
「グショウと申します。この度は急にすみません。ご迷惑でしょうし、すぐに他の宿を探しますのでお気になさらず。」
なんとか断って宿へ行こうとしたのだが、「いや、かまわんぞ。孫とその友達なら大歓迎じゃ。」と言われてしまっては他所へ行くことなどできやしない。一抹の不安を抱えたまま、ジョンの家にお世話になることにした。
その日の夜ご飯はジョンの念願のライファの手作り料理。食卓にはジョンの祖父と祖母が並ぶ。祖母はジョンにそっくりなのに対して祖父は線も細く中世的な印象の男性だ。ジョンの祖父は流し目のような雰囲気の鋭い視線で皆を一瞥すると、「ほう、今日のお前のメインはあの男かな。」と私を見つめた。
「おじいさん、本人を目の前にしてそういうことは言わないものですよ。」
ジョンが注意する。容姿は似ていなくても性格はそっくりらしい。私の気持ちを一言で表現するならば、ちーん、だ。目を細めて遠くを見つつ平常心、平常心と呪文のように唱える。
「お待たせしました。」
ライファとトトとリュンが今日の料理を運んできた。
「これがムーアの酒蒸しです。塩と少しのトンビャとお酒、少しだけ羊乳凝を入れて蒸してあります。」
底の浅い鍋に紫色のムーアがポヨン、ポヨン、と浮いている。ライファが作ったのだから味は良いのだろうが、この見た目はいかがなものだろう。鍋の中に虫の死骸でも浮いているかのようだ。
「こちらがバイ魚のムニエル、粉にしたサワンヤを魚にまぶして洋乳凝で焼いて塩とスパイスで味を調えてあります。」
こちらは焦げ目が美味しそうに食欲を誘う。それ他は、野菜のさっぱりスープとサラダとフルーツといったラインナップだった。
「いただきます。」
皆が各々に食事の挨拶をし、食事に手をつける。
「「これは!!」」
酒蒸しに手をつけたジョンとその祖父はうまい!と叫びつつも目を合わせて頷き、ジョンが厨房へ消えたと思えばお酒を持ってやってきた。
「酒蒸しには、この酒だな。」
「ジョン、よくわかっているではないか。」
「このお魚はハイカラな味がして美味しいねぇ。長年生きているけどこんな味、初めて食べたよ。どうやって作るんだい?」
祖母がライファに料理の作り方を聞いているところをみると、祖母は魚料理が気に入っているらしい。にこやかにお酒を飲んでいるジョンとその祖父や祖母を見ていると、もしかしたらジョンはライファの料理をこの二人に食べさせたくて我々をここに連れてきたのではないかと思えた。ふぅん、家族思いの一面はあるのか。
「そう言えばジョン、毎年来ている遊牧民のマカ族だがな、今年はまだ顔を出さないんだ。どっかで寄り道しているのなら良いのだが何か情報が届いたら教えてくれ。あいつらには毎年、花街のいい女ランキングを教えてやっているのだ。」
「あぁ、わかった。」
こういう会話って女性的にはどうなのだろうかと祖母の顔色を窺って見れば、「ランキング決めるのに今年は私の意見も入っているからね。今年のはいい出来だよぅ。隊長も見てみるかぃ?」と微笑まれた。
「いえ、結構です。」
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