206 / 226
第四章
19. 密会
しおりを挟む
本で薬材の扱い方を調べ、注意点を頭に叩き込んだ。ニコラウスさんの調合台の前に立ちスキルで効力を確認しながら調合する。
「やっぱり君は魔力を使わずに調合できるんだね。でもそれだけじゃないんでしょ?効力や効果が見ただけで分かる、とか。」
「いつから気が付いていたんですか?」
「私の解毒薬を調合した時からね。君の魔力で調合できる薬じゃないし、テンレンカは扱いが難しいんだ。だから成長効果という貴重な効果を持っていても比較的安価で手に入る。どんなに優秀な調合師でも機材を使って確認しながらでなければ調合が難しいんだ。それを機材もなくやってのけるとは普通に考えたらあり得ないことなんだよ。」
「そうでしたか・・・。」
「確信したのはレベッカの言葉でだけどね。魔力ランク1なら、どんなに回復薬を使ってもドゥブ毒の解毒薬など作れるはずもない。私ですら回復薬を使っても作ることはできないというのに。」
「えっ!?」
ニコラウスさんはそんなことも知らなかったのか、というように深いため息をついた。
「全く君は・・・。」
ニコラウスさんが私の頭をポンと叩く。
「コアの茎を投入する時に私の魔力を流してあげるよ。」
そしてその日の夜には逆惚れ薬が完成した。
「記憶を取り戻す薬は作らなくて良かったの?」
ジェーバ・ミーヴァまで行く長距離馬車に揺られながらニコラウスさんの言葉に頷いた。
「君のことを思い出さなくてもいいってこと?」
「はい。」
「ジェーバ・ミーヴァまであと5時間はかかる。少し眠るといいよ。」
ニコラウスさんに言われて目を閉じた。レイの記憶をなぜ取り戻そうとしないのかと深く聞いて来ないニコラウスさんにほっとしていた。
ジェーバ・ミーヴァの街に着いたのは昼過ぎだった。そこから通りなれた道を抜けトドルフの森へ入ると落ち着きなくウロウロしているシルエットが見えた。
「ルカ!」
「ライファ!!どこに行ってたんだよ。心配した。」
「急にいなくなってごめん。取りあえず場所を変えよう。」
ルカを連れて人気のない森の奥へと移動する。
「ねぇ、この男の人は誰?」
ニコラウスさんには聞こえないように声を潜めてルカが聞く。
「んー、ちょっとした知り合い、かな。」
「知り合い、ね。もしかして誘拐?脅されてるの?」
「違うよ。脅されているのならこうしてルカに会いに来られないと思うよ。皆には内緒にして出てきてくれた?」
「うん、自主トレーニングしてくるって言ったから大丈夫だとは思うけど。ねぇ、どうしていなくなったの?」
私とルカが倒れた木に座って話をしている側でニコラウスさんは木に寄りかかってこちらを見ていた。
「私には私にしかできないことがあるから。そしてそれはここにいることじゃないんだ。ローザは強敵でしょ。そんな相手に立ち向かう時はいくつものプランがあった方がいいよ、」
「それはそうだけど・・・。」
ルカが納得したくないような複雑な表情をした。
「それより、これをレイに飲ませて欲しいんだ。薬を飲んで最初に目にする人はレベッカ様であって欲しいから、レベッカ様と一緒にいる時に飲むようにしてほしい。」
「これ、もしかして惚れ薬の解毒薬!?」
「そうだよ。即効性があるかは分からないけど、飲めば惚れ薬の効果は消えていくはずだ。レイには自分の意志で人を好きになって欲しいから。」
「ライファも気が付いていたのか。そうだよね。あんなレイは不自然だ。この薬を飲めばライファのことも思い出すんでしょ?」
ルカの言葉に肩を竦める。
「思い出さない。解毒するのは惚れ薬の部分だけなんだ。」
「もしかしてわざとそうしたの?」
「ん。」
「どうして!!」
ルカが大きな声を出す。
「ライファはレイのことが好きなんじゃないの?もう嫌いになったの?」
「嫌いになんかなってない。嫌いになんかなれないよ。」
「じゃあ、どうして?」
「怖くなったんだ。パウパオ島にいた時さ、サリア嬢からレイが貴族の地位を捨てるつもりだと聞いた。ジェンダーソン侯爵家を出て私と一緒に生きるつもりだって。そこまでしてくれるレイに私は何をしてあげられるんだろう。いつも守って貰うばかりだしさ。それに、ジェンダーソン侯爵夫妻の気持ちを思うと、レイは貴族と結婚した方がいいんだよ。」
「それはライファが思ったことでしょ。レイが言ったことじゃないでしょ。」
「うん。でもいいんだ。もう決めたことだから。レイが記憶を失ったのはきっとその方がいいよってことなんだよ。」
最後の言葉は自分に言い聞かせるための言葉でもあった。
「それより先生の薬の方はどうなってる?ルカがこうしているってことはリーヤの薬材は無事に手に入ったってことだよね?」
「勿論。すごく大変だったけど薬材は手に入れた。強力なヒーリングの方の薬は完成してて、後は催眠を何とかする薬の方なんだけど、苦戦しているみたい。回復薬をガンガン飲みながらグラントさんやグショウ隊長たちにも手伝わせてるよ。調合には大量の魔力が必要になるからね。」
「そうか、急に出てきて悪いことしちゃったな。」
「帰ってきたら覚悟した方がいいかもね。みんなライファのご飯にも飢えてるし。」
ルカはそこで言葉を切って不安そうな目で私を見つめた。
「帰ってくるよね?」
帰れるだろうか。帰るだろうか。自分でもよく分からなかった。それでも不安そうなルカの目を見ると分からないなんて言えるはずもなく。
「うん、帰ってくるよ。」
微笑むとルカは私の手を強く握った。
「ライファ、死ぬなよ。」
「分かってる。ルカも。皆も無事でいること願ってるよ。」
「うん。」
「じゃあ、私はもう行くから。レイのこと、頼むね。」
そう言いながらルカにハグをした。そしてニコラウスさんに聴こえないように小さな声で囁く。
「ルカ、レベッカ様はローザと繋がっている。」
ルカの体がピクッと反応したのを確認して離れた。
「ニコラウスさん、行こう。」
ジェーバ・ミーヴァからニコラウスさんの家まで帰る間、私たちは余計なことは話さず終始無言だった。私は私で考え事をしていたし、同じようにニコラウスさんも何か考えているようだった。家に着いて炎暖房をつけているニコラウスさんの横でお茶を淹れる。まるでずっと一緒に暮らしているかのようだ。
こんな未来、想像もしなかった。
「大丈夫か?」
「何がですか?」
「いや、なんとなく。」
「大丈夫なんじゃないです。でも、そんなこと言っていられないじゃないですか!!」
ニコラウスさんのせいでこんなことになっているのに、まさかその本人から大丈夫かと聞かれるとは。いや、違う。ニコラウスさんはきっかけを作ったのであって、それに甘んじたのは自分だ。レイの中から私が消えてしまったように、私の中からレイが消えるまでどれくらいの時間が必要なのだろう。消えなくてもレイを見ても何とも思わなくなるくらいまで薄まってくれなければ。
しんどいな、これ。
「どうぞ。」
淹れたお茶をニコラウスさんに渡しながら思いついたことを口にする。
「ニコラウスさん、ちょっと考えがあるのですが聞いてもらえますか?」
「何?」
「ローザの持っている薬に何か細工は出来ないでしょうか。」
「細工ねぇ。細工をしようにもローザに会ったら見抜かれるよ。」
「会ったら、ですよね。会わなきゃいいんですよ。」
「忍び込むってこと?それは無理じゃないかな。屋敷はローザの体内のようなものだ。自分の見知らぬ異物が入っていたら気がつくだろう。」
「とすると、屋敷内に侵入はできないですね。ローザは移動魔法陣で魔獣を移動させているのですよね?どのタイミングで薬を飲ませるんですか?」
「前回は移動させた直後だったよ。空間移動魔法陣を短期間で各地に繋ごうと思ったら魔法陣は小さくするしかない。だからガルシアの時は魔獣を小さくし魔方陣で移動してから禁忌の薬を飲ませ体の大きさを戻した。」
ギリっと唇を噛む。こういう話を聞くとニコラウスさんがローザの協力者だということを痛感させられる。落ち着け、私。今は自分の気持ちに構ってはいられない。
「でも今回は時間が経てば自然と元の大きさに戻る薬を作ってきたから、魔法陣で移動させる前に薬を飲ませるかもね。」
「魔法陣で移動する前で屋敷ではないところ、か。でも魔獣を魔法陣まで移動させている間はローザがついていますよね?」
「多分ね。」
「ダメか・・・。どうしたらいいのだろう。」
「ひとつ方法があるよ。」
「なんですか?」
「私が薬を盛ればいい。私がローザの屋敷にいるのは不自然じゃないからね。」
「協力してくれるのですか?」
「もうすでに協力していると言ってもいいと思うんだけど。」
「でも、この先は命の危険が伴います。」
「じゃあさ、全てが終わって生きていたら君は家には帰らずに私といてくれる?それなら協力するよ。」
ピクッと体が動いた。魔女の家に帰るかどうか迷っているのは本当だ。あの場所はレイに近すぎるから。かと言って帰らないと決めるにはまだ迷いがあった。でも、この先、ニコラウスさんに協力してもらうのならば本当に命をかけてもらうことになる。それならば私も相応の覚悟を決めるべきだと思った。私はあなたの望むことをしてあげないけどあなたは命をかけてね、なんてどの口で言えよう。
「わかりました。ニコラウスさんと一緒にいます。」
私がそう言うとニコラウスさんは嬉しそうに笑った。
「私に良い薬のプランがある。薬材を集めるのにも苦労はしないはずだ。さっそく今晩から調合を始めよう。」
「やっぱり君は魔力を使わずに調合できるんだね。でもそれだけじゃないんでしょ?効力や効果が見ただけで分かる、とか。」
「いつから気が付いていたんですか?」
「私の解毒薬を調合した時からね。君の魔力で調合できる薬じゃないし、テンレンカは扱いが難しいんだ。だから成長効果という貴重な効果を持っていても比較的安価で手に入る。どんなに優秀な調合師でも機材を使って確認しながらでなければ調合が難しいんだ。それを機材もなくやってのけるとは普通に考えたらあり得ないことなんだよ。」
「そうでしたか・・・。」
「確信したのはレベッカの言葉でだけどね。魔力ランク1なら、どんなに回復薬を使ってもドゥブ毒の解毒薬など作れるはずもない。私ですら回復薬を使っても作ることはできないというのに。」
「えっ!?」
ニコラウスさんはそんなことも知らなかったのか、というように深いため息をついた。
「全く君は・・・。」
ニコラウスさんが私の頭をポンと叩く。
「コアの茎を投入する時に私の魔力を流してあげるよ。」
そしてその日の夜には逆惚れ薬が完成した。
「記憶を取り戻す薬は作らなくて良かったの?」
ジェーバ・ミーヴァまで行く長距離馬車に揺られながらニコラウスさんの言葉に頷いた。
「君のことを思い出さなくてもいいってこと?」
「はい。」
「ジェーバ・ミーヴァまであと5時間はかかる。少し眠るといいよ。」
ニコラウスさんに言われて目を閉じた。レイの記憶をなぜ取り戻そうとしないのかと深く聞いて来ないニコラウスさんにほっとしていた。
ジェーバ・ミーヴァの街に着いたのは昼過ぎだった。そこから通りなれた道を抜けトドルフの森へ入ると落ち着きなくウロウロしているシルエットが見えた。
「ルカ!」
「ライファ!!どこに行ってたんだよ。心配した。」
「急にいなくなってごめん。取りあえず場所を変えよう。」
ルカを連れて人気のない森の奥へと移動する。
「ねぇ、この男の人は誰?」
ニコラウスさんには聞こえないように声を潜めてルカが聞く。
「んー、ちょっとした知り合い、かな。」
「知り合い、ね。もしかして誘拐?脅されてるの?」
「違うよ。脅されているのならこうしてルカに会いに来られないと思うよ。皆には内緒にして出てきてくれた?」
「うん、自主トレーニングしてくるって言ったから大丈夫だとは思うけど。ねぇ、どうしていなくなったの?」
私とルカが倒れた木に座って話をしている側でニコラウスさんは木に寄りかかってこちらを見ていた。
「私には私にしかできないことがあるから。そしてそれはここにいることじゃないんだ。ローザは強敵でしょ。そんな相手に立ち向かう時はいくつものプランがあった方がいいよ、」
「それはそうだけど・・・。」
ルカが納得したくないような複雑な表情をした。
「それより、これをレイに飲ませて欲しいんだ。薬を飲んで最初に目にする人はレベッカ様であって欲しいから、レベッカ様と一緒にいる時に飲むようにしてほしい。」
「これ、もしかして惚れ薬の解毒薬!?」
「そうだよ。即効性があるかは分からないけど、飲めば惚れ薬の効果は消えていくはずだ。レイには自分の意志で人を好きになって欲しいから。」
「ライファも気が付いていたのか。そうだよね。あんなレイは不自然だ。この薬を飲めばライファのことも思い出すんでしょ?」
ルカの言葉に肩を竦める。
「思い出さない。解毒するのは惚れ薬の部分だけなんだ。」
「もしかしてわざとそうしたの?」
「ん。」
「どうして!!」
ルカが大きな声を出す。
「ライファはレイのことが好きなんじゃないの?もう嫌いになったの?」
「嫌いになんかなってない。嫌いになんかなれないよ。」
「じゃあ、どうして?」
「怖くなったんだ。パウパオ島にいた時さ、サリア嬢からレイが貴族の地位を捨てるつもりだと聞いた。ジェンダーソン侯爵家を出て私と一緒に生きるつもりだって。そこまでしてくれるレイに私は何をしてあげられるんだろう。いつも守って貰うばかりだしさ。それに、ジェンダーソン侯爵夫妻の気持ちを思うと、レイは貴族と結婚した方がいいんだよ。」
「それはライファが思ったことでしょ。レイが言ったことじゃないでしょ。」
「うん。でもいいんだ。もう決めたことだから。レイが記憶を失ったのはきっとその方がいいよってことなんだよ。」
最後の言葉は自分に言い聞かせるための言葉でもあった。
「それより先生の薬の方はどうなってる?ルカがこうしているってことはリーヤの薬材は無事に手に入ったってことだよね?」
「勿論。すごく大変だったけど薬材は手に入れた。強力なヒーリングの方の薬は完成してて、後は催眠を何とかする薬の方なんだけど、苦戦しているみたい。回復薬をガンガン飲みながらグラントさんやグショウ隊長たちにも手伝わせてるよ。調合には大量の魔力が必要になるからね。」
「そうか、急に出てきて悪いことしちゃったな。」
「帰ってきたら覚悟した方がいいかもね。みんなライファのご飯にも飢えてるし。」
ルカはそこで言葉を切って不安そうな目で私を見つめた。
「帰ってくるよね?」
帰れるだろうか。帰るだろうか。自分でもよく分からなかった。それでも不安そうなルカの目を見ると分からないなんて言えるはずもなく。
「うん、帰ってくるよ。」
微笑むとルカは私の手を強く握った。
「ライファ、死ぬなよ。」
「分かってる。ルカも。皆も無事でいること願ってるよ。」
「うん。」
「じゃあ、私はもう行くから。レイのこと、頼むね。」
そう言いながらルカにハグをした。そしてニコラウスさんに聴こえないように小さな声で囁く。
「ルカ、レベッカ様はローザと繋がっている。」
ルカの体がピクッと反応したのを確認して離れた。
「ニコラウスさん、行こう。」
ジェーバ・ミーヴァからニコラウスさんの家まで帰る間、私たちは余計なことは話さず終始無言だった。私は私で考え事をしていたし、同じようにニコラウスさんも何か考えているようだった。家に着いて炎暖房をつけているニコラウスさんの横でお茶を淹れる。まるでずっと一緒に暮らしているかのようだ。
こんな未来、想像もしなかった。
「大丈夫か?」
「何がですか?」
「いや、なんとなく。」
「大丈夫なんじゃないです。でも、そんなこと言っていられないじゃないですか!!」
ニコラウスさんのせいでこんなことになっているのに、まさかその本人から大丈夫かと聞かれるとは。いや、違う。ニコラウスさんはきっかけを作ったのであって、それに甘んじたのは自分だ。レイの中から私が消えてしまったように、私の中からレイが消えるまでどれくらいの時間が必要なのだろう。消えなくてもレイを見ても何とも思わなくなるくらいまで薄まってくれなければ。
しんどいな、これ。
「どうぞ。」
淹れたお茶をニコラウスさんに渡しながら思いついたことを口にする。
「ニコラウスさん、ちょっと考えがあるのですが聞いてもらえますか?」
「何?」
「ローザの持っている薬に何か細工は出来ないでしょうか。」
「細工ねぇ。細工をしようにもローザに会ったら見抜かれるよ。」
「会ったら、ですよね。会わなきゃいいんですよ。」
「忍び込むってこと?それは無理じゃないかな。屋敷はローザの体内のようなものだ。自分の見知らぬ異物が入っていたら気がつくだろう。」
「とすると、屋敷内に侵入はできないですね。ローザは移動魔法陣で魔獣を移動させているのですよね?どのタイミングで薬を飲ませるんですか?」
「前回は移動させた直後だったよ。空間移動魔法陣を短期間で各地に繋ごうと思ったら魔法陣は小さくするしかない。だからガルシアの時は魔獣を小さくし魔方陣で移動してから禁忌の薬を飲ませ体の大きさを戻した。」
ギリっと唇を噛む。こういう話を聞くとニコラウスさんがローザの協力者だということを痛感させられる。落ち着け、私。今は自分の気持ちに構ってはいられない。
「でも今回は時間が経てば自然と元の大きさに戻る薬を作ってきたから、魔法陣で移動させる前に薬を飲ませるかもね。」
「魔法陣で移動する前で屋敷ではないところ、か。でも魔獣を魔法陣まで移動させている間はローザがついていますよね?」
「多分ね。」
「ダメか・・・。どうしたらいいのだろう。」
「ひとつ方法があるよ。」
「なんですか?」
「私が薬を盛ればいい。私がローザの屋敷にいるのは不自然じゃないからね。」
「協力してくれるのですか?」
「もうすでに協力していると言ってもいいと思うんだけど。」
「でも、この先は命の危険が伴います。」
「じゃあさ、全てが終わって生きていたら君は家には帰らずに私といてくれる?それなら協力するよ。」
ピクッと体が動いた。魔女の家に帰るかどうか迷っているのは本当だ。あの場所はレイに近すぎるから。かと言って帰らないと決めるにはまだ迷いがあった。でも、この先、ニコラウスさんに協力してもらうのならば本当に命をかけてもらうことになる。それならば私も相応の覚悟を決めるべきだと思った。私はあなたの望むことをしてあげないけどあなたは命をかけてね、なんてどの口で言えよう。
「わかりました。ニコラウスさんと一緒にいます。」
私がそう言うとニコラウスさんは嬉しそうに笑った。
「私に良い薬のプランがある。薬材を集めるのにも苦労はしないはずだ。さっそく今晩から調合を始めよう。」
0
あなたにおすすめの小説
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
追放聖女35歳、拾われ王妃になりました
真曽木トウル
恋愛
王女ルイーズは、両親と王太子だった兄を亡くした20歳から15年間、祖国を“聖女”として統治した。
自分は結婚も即位もすることなく、愛する兄の娘が女王として即位するまで国を守るために……。
ところが兄の娘メアリーと宰相たちの裏切りに遭い、自分が追放されることになってしまう。
とりあえず亡き母の母国に身を寄せようと考えたルイーズだったが、なぜか大学の学友だった他国の王ウィルフレッドが「うちに来い」と迎えに来る。
彼はルイーズが15年前に求婚を断った相手。
聖職者が必要なのかと思いきや、なぜかもう一回求婚されて??
大人なようで素直じゃない2人の両片想い婚。
●他作品とは特に世界観のつながりはありません。
●『小説家になろう』に先行して掲載しております。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
転生小説家の華麗なる円満離婚計画
鈴木かなえ
ファンタジー
キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。
両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。
ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。
その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。
逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族三人の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる