【完結】World cuisine おいしい世界~ほのぼの系ではありません。恋愛×調合×料理

SAI

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 ユーリスアを出てレイと二人で旅をしてから三週間が経った。各地で薬材を集め、それを調合して売って現金化し生活している。ルカが自分の名を使っていいと言ってくれたことで、私の薬に【ルカ】という信用がつき、信用第一と言われる薬も順調に売れている。

「ルカ様様だな」
「何が?」

お風呂上がりのレイが髪の毛を拭きながらこちらにやってきた。

「ルカの顔の広さに随分と助けられているなって。ルカの名前を出しただけで薬を買ってもらえる。ルカがそれだけ信用されているってことだよね。凄いなぁ。今度会ったらお礼しなくちゃ」

「そうだね。でもこちらから何かする前にお礼よこせって言ってきそうだけどね」

レイがくすっと笑ってタオルを肩にかけ、髪乾かし機を手に取ってベッドに座った。ぶおおおお、と風を髪の毛にあてて、涼しそうに目を細める。

「涼しいー。目的地はフランシールの更に先だもんな。オーヴェルほどじゃなくても暑いだろなー」

そう言いながらレイはご機嫌だ。レイが髪の毛の付け根を乾かそうと首を傾けると、私の位置からはレイの首筋がよく見え、なんとも色っぽい。そもそも夏の宿着は空気を取り込みやすくしているので、ばさばさ、ふわっとしてチラリが多い。今までは気にしていなかったことが妙に気になってしまうのは、そろそろ、なのではないかと勝手に思っているからだ。

「さっきから俺の事ちらちら見ているけど、どうしたの?」

レイは貴族であることをやめてから自分のことを俺と言うようになった。その方が平民に馴染みやすくなると思ってとレイは言っていたけど、男らしさがプラスされたような気がしてなんだか少し落ち着かない。

「……見てない」
「嘘。最近ちょっとソワソワしてるでしょ」

レイが側に来て私の頬に軽く触れた。レイのいう通りだ。レイはいつも簡単に軽く、自然に私に触れてくる。その度に落ち着かない気持ちになってソワソワしてしまうのだ。

「してない」
「それも嘘でしょ」
「嘘じゃ……んっ」

ない、と言葉にする前に口を塞がれた。ほら、こうしてレイは簡単に私に触れて、触れたあとも余裕の表情だ。

「そんな顔して。もしかして誘ってる?」

レイはそう言ってくすくすと笑った。私が違うと言ってワタワタする様子を想像しているに違いない。最近はいつも
そうだ。余裕なのはレイばかり。少しはレイも動揺すればいいんだ。

「うん、そう。誘ってる」

誘っている、とは言いつつも言葉だけで、何の色気も無いむしろ少し怒っているような口調だ。それなのにレイが唇を噛んで顔を背ける。

おおっ!

いつもと違う反応に満足げに顔を綻ばせているとそのまま抱きかかえられた。レイの心臓の音がよく聴こえる。ふわっとした場所に下されてベッドの上にいるのだと分かった。

「もう無理。止めるつもりないから」

レイがもどかしげに服を脱ぎ上半身が露わになるとこの先の展開が脳内で弾き出され一気に体温が上昇した。

「レイ、待って。ちょっと待って」
「無理」

短く言って顔をあげたレイの目が欲情を孕んでいる。

「……やめなくていいから、部屋……暗くして」

私の宿着に手をかけていたレイが動きを止めた。そして、はああああ、と大きく息を吐く。

「ごめん。余裕なくて。ちゃんとする」

何をだよ!! と全力で叫びたかったがレイの手が下着に触れたことで言葉がはじけ飛んだ。恥ずかしくてどうにかなりそうだ。こういう時ってどこを見ればよいのだろう。レイを見ればレイの視線が私の体に注がれているのを見て余計に羞恥心を煽られる。

「どうしよう……、恥ずかしすぎる」

レイが顔をあげ私にキスをしてから私の首元に顔を埋めた。

「大丈夫。ライファは全部綺麗だから」

首元にキスをするとそのまま私の下着をはぎ取った。

「誰も見てないところ?」

レイは私の胸に触れながらそんなことを聞いてくる。

「お……お母さんとお父さんは……見たことある。あ……と、んっ、師匠も……見たことある……かも」
そう言うことを聞いているんじゃないと分かっているのにポロポロと言葉が零れる。

「くすくすくす、かわいい」
「余裕、なかったんじゃ、んっ、ないの?」
「余裕なんてずっとないよ。」

その会話の後からはくすぐったさと恥ずかしいの連続だった。レイの吐息ひとつで、指で、仕草で、感情と感覚の波に溺れそうになる。あり得ない部分にレイの舌を感じた時には恥ずかしすぎて両手で顔を隠しながら何度もレイの名前を呼んだ。

「そんなに名前呼ばれると俺もどうにかなりそう」

耳元でレイの吐息がごめんね、と囁く。

「んっ……」

思わず目をぎゅっと瞑り、シーツを強くつかんだ。

「大丈夫?」
「……じゃないけど、もっと……つながりたい」
「……ったく。どこでそんな言葉覚えたんだよ」

レイが呆れたような息を吐いた後、体が軽くなったような気がした。レイの魔力が私を包み、そこから痛みが一気に快楽へと変換された。

「あ……、待って、まって。レイっ、レイっ」

優しいのに狂暴な波に全部持っていかれそうだ。口から洩れる声が恥ずかしいのに止められない。私に快楽を与えるのはレイなのに、快楽に流されまいとレイにしがみつく。息が上がる。

「ライファ……っ……」

少しだけ苦しそうなレイの呼吸が耳を掠めて、その声色までもが私を快楽へと導いた。思考が頭の中でハラハラと散り、強すぎる光の中で目を閉じた。







 眩しい……。

手で目を覆いながら体を起こすと、すぅっとした風が肌を撫でた。

「ライファって大胆」

レイの言葉で服を着ていないことを思い出して布団で体を隠し、服を着ていないことで昨晩を思い出して更に頭まで布団を被った。隣から押し殺したようなレイの笑い声が聞こえる。

「ずっとそのままでいるつもり?」
「そうじゃないけど……」

こっそりと頭だけ布団から出す。まだ口元は布団の中だ。

「いつから起きてたの?」
「二時間くらい前からかな」
「そんなに早く!?」

「うん、軽くトレーニングしてからライファを見てた。昨晩くらいの運動じゃ全然足りないからね」

「なっ!?」

顔が火照るのを感じて布団にすっぽりと潜ると、今度は吹き出して笑うレイの声が聞こえた。


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感想 5

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みんなの感想(5件)

Penくん
2021.09.26 Penくん

ハラハラ、ドキドキ、時々クスクス読めました!ほのぼのだけじゃないのも、感情が引きづられてしまいました(T-T)
楽しい時間をありがとうございました!
番外編の予定はないのでしょうか?

2021.09.26 SAI

長い作品を最後まで読んでいただきありがとうございます。色々な感情を抱いて頂けたこと、楽しい時間と言って頂けたこと、本当に嬉しいです。

番外編は今のところ予定はないですが、需要があれば書ききれなかったストーリーを番外編として執筆するのも良いかなとは思っています。

感想、ありがとうございました。

解除
ミウ
2021.09.23 ミウ

タイトルのほのぼの系ではありません。の一言が、後々のストーリーでグサグサ来る。フラグ立ってても、そこまでの展開はダーク過ぎる。

2021.09.23 SAI

この小説は明後日には完結予定です。この先の彼らがどんな道を歩んでいくのか、見守っていただけると嬉しいです。

コメント、ありがとうございます。

解除
スパークノークス

お気に入りに登録しました~

2021.08.15 SAI

ありがとうございます!とても嬉しいです(^^)

解除

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