鍵の王~才能を奪うスキルを持って生まれた僕は才能を与える王族の王子だったので、裏から国を支配しようと思います~

真心糸

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2章 呪われた炎

第24話 キーブレス王国簒奪大作戦

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「それでは、キーブレス王国簒奪さんだつ大作戦の話し合いを始めたいと思います」

「そうやって聞くと物騒だね」

 僕は、自宅のリビングにて、カリン、ディセ、セッテと紅茶を飲みながら、これからの計画について話し合おうとしていた。

「まず、ピアーチェス様のギフト授与式のご成功、おめでとうございます」

「ありがとう。これも、カリンが潜入を手伝ってくれたおかげだね。もちろん、ディセとセッテの事前準備もすごく助かった」

「いえ、家臣として当然の務めをしたまでです」
「ディセもです!」
「セッテ頑張ったよ!」

「うん。みんな、改めてありがとう。それで、現状を整理すると、ピャーねぇには今もAランクのギフトキーが入ってる。だから、またギフト授与式にかりだされても、たぶん大丈夫だと思う」

「ですね。授与相手がよっぽどポンコツでない限りは大丈夫でしょう。ただ、それよりも手っ取り早い話、もう一度スキルランクの判定をしてもらい、Aランクだと知らしめるのが早いのではないでしょうか?」

「うーん……それなんだけど、キーブレス王国ではスキル鑑定は一人一回が基本みたいなんだよね。再鑑定をすることは基本的にはないらしい」

「でも……それだと、ピアーチェス様はこれからもEランクとバカにされるのではないでしょうか?」
 とディセが心配してくれた。

「それは大丈夫。EランクがSランクのスキルを授与できるわけがない、スキル鑑定が間違ってたのでは?って、みんな言ってるから。たぶん、再鑑定の儀式の場が設けられると思う。ただ、正式な場でしかスキル鑑定はやらないって決まりがあるらしくて、すぐにってわけにはいかないけど」

「よかったぁ。これでピャー様は安全だね」
 セッテの言葉で、ディセも笑顔になり、2人して笑い合っていた。

「うん、そうだね。で、問題は僕の方だ」

「ご主人様は、依然としてスキル無しと思われてますよね」

「そうだね。僕の力のことは明かせないから、スキル無しでも有用だと認識させる必要がある。もしくは、立場が危うくなる前にこの国を盗るか」

 力のことを明かせない。それは、僕の能力があまりにも不吉で望まれないものだからだ。スキルを与える王族にスキルを奪う王子が生まれた。そんなことが判明したら、国民に知られる前に暗殺される未来しか見えない。だから、僕は依然としてスキル無しとして生きていくしかない。

「国盗りについては、まだ準備が必要かと」

「だね。僕も同じ意見。さすがに4人だけじゃ戦力が足らない。だから、当面の目標は2つ、1つは、僕が安全に生きていけるだけの地位を手に入れること。もう1つは、組織をもっと大きくすること。この2つだ」

「なるほどです。それで、ディセたちはなにをすればいいでしょう?」

「うーん、そうだなぁ、今すぐに何かってのは……あっ……」

「なになに?」

「いや……」

 僕は、前から計画してたことを考えていた。カリン、ディセ、セッテへのスキルの授与についてだ。
 ピャーねぇがAランクのギフトキーを手に入れたことだし、みんなのスキルを発現させたら、僕たちの戦力はかなり増強されるだろう。

「ディセたちにジュナ様の考えを教えてほしいです」

「えっと……ピャーねぇからみんなにスキルを授与してもらえないかなって。それができたら、僕たちの戦力は一気に増すよね?」

「たしかにその通りです。しかし、ご主人様。ピアーチェス様に私たちの組織のことは話してないんですよね?」

「うん……」

「ピアーチェス様に話さないんですか?」

「悩んでる……」

「ピャー様だけ仲間はずれなのは……セッテ悲しい……」

「うーん……」

 僕としては、僕の大事な人たちが安全に暮らせるならそれでいい。その過程で国を盗ることになっても。でも、ピャーねぇにキーブレス王国を盗る、なんて計画を話したら、反対されるような気がしていた。
 それに、なるべく彼女には危険な目にあってほしくないという思いもある。だから、なかなか話す決心がつかずにいたのだ。

「では、黙ったまま、私たちにギフトキーを使ってもらうのはかなり難しいのではないでしょうか?」

「ピャー様、真面目だから、スキルちょうだいって言っても、だめですわって言うと思う」

「だよねぇ……僕もそう思う」

「では、ご主人様が催眠スキルを誰かから奪って、」

「……カリン?何を言っている?」

 僕は暗い顔でカリンのことを見る。

「申し訳ありません……ひとつの手段として提案したのですが、ご主人様のお気持ちを考えておりませんでした」

「うん、わかってくれたならいいよ。ピャーねぇの意志を曲げることは……なるべくしたくないんだ」

 ピャーねぇのギフトキーをすり替えた僕が何を言っている?その矛盾に気づいたが、最後まで言い切ってしまう。

「ごめん、カリン、怒ったりして」

「いえ、大丈夫です。ご主人様に睨まれるのもゾクゾクしますので。わからせがいがあります」

 ……ん?なんかこの従者、今おかしなことを言わなかったか?

「えーっと……で、みんなにピャーねぇからギフトキーを使ってもらう方法だけど、やっぱ、あれかな」

 僕は、ニンマリした目をしているカリンから目をそらして、前から考えていた作戦をみんなに伝えることにした。

 それを聞いて「うん!セッテ頑張って作るね!」とお菓子作りが得意なセッテが協力を申し出てくれた。これが上手くいけば、みんなにスキルが発現するだろう。
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