異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。

真心糸

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2章 金髪清楚シスター

第12話 畑泥棒

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-翌朝-

 オレは日課になりつつある攻略スキルでの好感度確認を行っていた。

---------------------------------
リリアーナ・クローバー
 好感度
  62/100

八百屋のおばちゃん
 好感度
  78/100
---------------------------------

 ……おばちゃんはもういいな。そっと攻略対象から外すことにした。

 それにしても、リリアーナの好感度が順調に上がってきて、とても嬉しかった。最近は、教会に行ってもイヤな顔をせず対応してくれる。冗談を言うと、笑顔を見せてくれる回数も増えてきた。

 順調順調。
 そう思いながら今日の身支度をはじめると、新しい攻略アドバイスが表示された。

------------------------------------------------------------------------------------------------
今日、空が赤くなりはじめたら、西門から徒歩で教会に向かってください。
あなたは、リリアーナとある人物が話しているところに出くわすので、
物陰に隠れて観察してください。
ギリギリになるまで手を出すことは厳禁です。
------------------------------------------------------------------------------------------------

「……」

 不穏な文章にイヤな予感を覚える。ギリギリになるまで、とはどういう意味だろう。
 ギリギリ殴られる。
 ギリギリ殺される。
 そんな、イヤな想像ばかりが膨らむ。

 オレは、今日予定していたモンスター退治をやめることにして、夕方までに万全の準備を整えることにした。
 町を歩きながら薬屋へと歩を進める。その過程でいつもの八百屋の前を通ることになった。

「んー変だねぇ」
「そーだよねー?」

 おばちゃんと幼女が首を傾げていた。

「どうかしたんですか?」

「おう、ライ坊。なんだか最近、野菜の在庫がおかしい気がするんだよ」

「ふむふむ?」

「こっちに来ておくれ」

「わかりました」

 店の裏手に案内される。

「ここにある野菜がたまに減っていることがあるのさ」

 そこは、収穫した野菜を仮置きしておく場所だった。オレも何度か収穫を手伝ったときに、ここに野菜を運んでいる。

「まとめて沢山なくなるってわけでもないから気のせいかと思ってたんだが、最近はしょっちゅう1、2コ無くなってるんさね」

「つまり、泥棒ということですか?」

「いや、こんな小さな町でそんなことしたらあっという間に村八分さね。そんな馬鹿はいないと思うがねぇ?動物かなんかなのかねー?まー!考えてもわからないし、ギルドに依頼を出しておくさね!わるかったね!時間取らせちまって!」

「いえ、ぜんぜん大丈夫ですよ。また困ったことがあったら言ってください」

「おう!そのときは頼んだよ!」

♢♦♢

-西門前-

 オレはあの後、薬屋でポーションと解毒薬などをいくつか買い、かなり早くに西門の前に陣取っていた。

 不安が募ってイライラしていると、やっと空が赤くなってきた。走り出したい気持ちをグッと抑えて、アドバイスに従い、教会へと歩きはじめる。

 教会が見えるところまで来ると、リリアーナと誰かが話しているのが見えた。2人にバレないように石垣に隠れて近づいていく。

「今日もヒールありがとうよ」

「いえ、大丈夫です。これも務めですので」

「そうかい。ところで、おまえさん最近羽振りが良さそうじゃないか?」

 小汚い男であった。たしか、リリアーナを尾行した日に「お布施なんかやるか!」と怒鳴っていた男だったはずだ。

「いえ、そんなことはありませんが」

 リリアーナは余所行きの優しい表情のまま返答している。

「じつは、最近な。畑泥棒が出ているんさ。そんでな。みなと話したんだが、町の人間がそんなことするはずねぇ。そんなことしたら村八分だっつうんだよ?」

 おばちゃんに聞いた話と同じだ。たしか、あの男も野菜を作っていて、質の悪いジャガイモをおばちゃんに売ろうとしていて断られていたのを思い出す。

「ウチは新鮮な野菜しか店におかないよ!」という具合だった。
 そのとき、ヤツはたいそう怒っていた。

「そうですか。では、動物などではないでしょうか?」
 とリリアーナ。

「いや、この辺には畑を荒らす動物は出ねぇ。柵もあるしなぁ」

 まぁここまではいいだろう。オレは物陰で黙って聞いている

「つまり、町の人間じゃないやつが、畑泥棒ってわけだ。そんでな、最近お前さん顔色がいいだろう?前はいつも腹空かせてたくせにだ」

 イライラしてきた。テメーらが治療費を払わないせいだろうが。そのせいで、リリアーナは腹を空かしていたんだ。
 そして、この後、なにを言い出すかはもう察せれた。

「つまり、犯人はおまえさん、ちゅーことになる」

「なっ!?ちがいます!!神に誓って、そのようなことは致しません!!」

「なぁにが神だ。うさんくせぇこというな!!!」

 いきなり大声で怒鳴られてリリアーナがビクっとする。

「前から宗教なんて怪しいことをしてるやつを村の近くに住まわせるなんて、オラは反対だったんだ!畑を荒らすなんて許せねぇ!!」

「だから!わたしはそんなことしていません!」

 リリアーナは恐怖しながらも、しっかりと否定する。

「だまれ!この盗人が!盗んだ野菜で肥えよって!けしからん女だ!」

 ひどい言いがかりをまくし立てるこの男を早く焼却したいと奥歯を噛み締める。

「……」
 リリアーナは、話が通じないと悟ったのか、怒り狂う男から離れようとする。

「どこにいくだ!」
 男がリリアーナの腕を掴む。

「いたっ!やめてください!」

「うるせぇ!オレの野菜で肥えたんだ!好きにしてもええんだ!」

 こいつはなにを言っている?

「ひっ!」

 リリアーナはその男のズボンが膨らんでいることに気付いた。

「や、やめて!」

「こっちに来い!」

 教会の中にひきづり込もうとする。

 ぶち殺してやりたい。ギリギリっていつなんだ。

「へへへっ、女とやるのは久しぶりだー」

「!?た、たすけて!だれか!クロノス様!」

「馬鹿女が!神様なんていねー!ふ!ふっ、服さ脱げっ!」

「いやー!!!クロノス様!クロノス様!!……ライさん!助けて!!」

 男がリリアーナの胸元を触ろうとしたとき、オレはその手首を握りしめていた。

「あ?なんだ?」
 一瞬のことで驚いたのか間の抜けた声を出す。

 男は上を見上げると、鬼のような顔をしたオレと目があった。

「な!なんだおめー!」

「テメーがなんだ、ゴミクズヤロー。その汚い手を離せよ」

 オレはいうなり、手に力を込めた。

 ボキッ
 鈍い音が鳴り、男の手首が折れる。

「ぐぎゃー!!!」

 男は痛みと共に崩れ落ちる。やっとリリアーナから離すことができた。

「……ライさん?」

 男から解放されたリリアーナは地面にへたり込む。腰が抜けてしまったのだろうか。

「……遅くなって本当にごめん」

「いえ……」

 リリアーナはオレがなぜココにいるのか分からないといった表情だ。

「すぐ終わるから」

「いてぇー!いてぇー!オラの手が!」

 男はまだ騒いでいた。

「うるせーよ」

 オレは右手に魔力をこめた。バチバチバチッと右手から雷撃が発生し、男に向かってそいつを放ってやる。

「あ〝あ〝ーー!!」

 男の叫び声がひどくなる。全身に雷撃を浴びせられ、醜く痙攣していた。

「うるせぇ」

 オレはそうとだけ言う。しばらく続けていると、

「ぜぇぜぇぜぇ」と呻くだけになった。

「ホントは殺してやりたいが、オレも犯罪者にはなりたくないんでね。これくらいで勘弁してやるよ」

 手を離すと、男はチラリとオレの方を見たが、オレに睨み返され、
「ひっ!」と声をあげて町の方へ帰っていった。

 その様子を確認してから、地面に座り込んでいるリリアーナの方に向き直る。リリアーナはまだ放心状態だった。

 オレは屈んで、もう一度、
「遅くなって、ホントにごめん」と言い、肩に触れる。

「うっ……うう……うぁ…うぁぁぁー!こ、怖かった!怖かったんです!」

 そういってオレの胸に飛び込んできてくれる。

 オレは、「ごめん、ごめんね。もう大丈夫だから」と、ありきたりのセリフを繰り返しながらリリアーナのことを抱きしめた。
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