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4章 青髪騎士団長お姉さん
第56話 雷帝剣キルク
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「ライ様!目を覚ましたんですね!良かった!」
リリィが抱きついてくる。
目覚めた途端どうしたんだろう?
ひとまず、よしよしと頭を撫でる。リリィのさらさらの金髪はいつ撫でても心地いい。
「ちょっと!心配させないでよね!」
ソフィアも抱きついてきた。
同じように逆の手で頭を撫でる。ソフィアの綺麗な白い髪からはとても良い匂いがただよってきた。
2人ともあたたかい。
「あれ?ここは?」
オレは雷龍キルクギオス様に力試しと称してボコボコにされていたはずなのだが、気づけばふくろうの自室で寝転がっていた。
「宿のベッド?」
「あんたが!気絶してたから!ここまで……ここまで!運んだのよ!!」
胸の中のソフィアがオレを睨みつけながら、めちゃくちゃ怒鳴ってきた。ご機嫌ななめだ。よしよしと頭を撫でながら、
「そっか、ごめんね?重かったよね」
「そんなこと!!どうでもいいです!!」
謝罪を述べると、リリィがものすごい剣幕で怒ったかと思うと、ボロボロと泣き出した。
「え?」
「危ないことになったら!撤退するって!約束しました!!」
ポカッと胸を叩かれる。
「……うん、ごめん」
「約束したのに!!」
ポカッポカッ
「ごめんね」
オレは身体を起こして、リリィをギュッと抱きしめる。
そうか。オレは雷龍様と戦って、ボロボロになって、死ぬかもしれないってとこまでいったんだ。
リリィに心配をかけるのは当たり前だ。
働かない頭がやっと追いついてきた。
「ごめん、ごめんね。心配かけたよね……」
「……う、うう……」
「ソフィア?」
嗚咽のようなものが聞こえてきて、ソフィアの方を向く。
「……うう……わ、わたしも抱きしめて…」
ソフィアが苦しそうに、なにかに耐えるように、ポロポロと泣きはじめる。
「おいで!」
オレはあわてて抱き寄せた。
「……うぅ……し、死んじゃったかと思ったんだから…」
「うん、心配かけたよね、ごめん」
「わ、わたしもがんばったんだから……」
「うん、ありがとう」
オレは胸の中でボロボロと泣く2人を見て、2人が本気でオレのことを思ってくれてるんだな。と痛感する。
ポロッ
「あれ?」
気づいたら、オレの目からも涙がこぼれ落ちていた。
生きて、2人とまた会うことができた。
そう実感する。実感したら、涙が止まらなくなった。
オレたちはしばらく抱き合ったまま、3人して泣きつづけた。
♢
「……ぐす……あ…雷龍が、あの剣をライにって」
ソフィアが指差す方に目をやると、壁際に銀色の美しい両手剣が立てかけてあった。
鍔には黄色の丸い宝石が埋め込まれていて、周りには繊細な模様が刻まれている。柄は黒い革のようなもので覆われていた。
オレは立ち上がり、その剣を手にした。
すると、「キーン」と高音がしたと思うと、柔らかい光に包まれ、剣の形が変わっていく。その剣はオレが片手でも扱いやすいサイズに変化した。
それにこの形状、もしかして…
オレは鞘から刀身を少し抜いてみる。
片方にだけ刃がある。
日本刀であった。
鞘から刀身を全て抜き、天に掲げて眺める。
「これが……雷帝剣キルク……」
すごい力を感じる。なんでかわからないが、力がみなぎってくるのだ。
「それと、雷龍から伝言。3日間に限り、ライに力を貸すって。でも、ライは2日寝てたから、期日は今日1日だけ…」
「そっか。オレはそんなに寝てたのか」
2日も寝ていたと聞き、ゾッとする。それだけ身体に大きなダメージを負ったということだろう。
それに、なにより、2日間も2人に心配をかけ続けたことが申し訳なかった。
「……それにしても、外が暗いみたいだけど、もしかしてもう夜なの?だとしたら期限切れが近いな…」
「いいえ、今はあれから3日目の朝です。説明が難しいので、外に出ましょう」
オレは2人について宿の外に出る。
空は暗雲に覆われていたその暗雲はゴロゴロと鳴っており、雷雲だとわかる。
「ライ様を運んでくれた後、雷龍様はリングベルの上空に飛んでいかれました。そして、咆哮をあげながら飛び回ると、みるみるうちにリングベルの上空は暗雲に覆われたのです。それから2日、暗雲が消える気配はありません」
「なるほど、そういうことか」
オレは雷帝剣を持っているからなのか、雷龍様の意図を理解することができた。
3日間に限り力を貸す、その方法を。
「うん、わかった。じゃあ、ステラを攫ってくるから」
「は?今から行く気?」
「うん」
「もう少し休まれては?」
「いや、大丈夫」
「では、わたしたちもお供します」
「いや、手荒なことになるから2人は先に町を出て、シエロス山脈の入り口あたりで野営の準備をしててくれないかな?」
「いやです!もう離れません!」
リリィが抱きついてくる。
「ありがとう。でも、大丈夫。今度は絶対負けないよ。相手は人間だから」
「って言っても、ステラにボコボコにされたばっかじゃない」
「ちょっと2人とも離れてて」
オレは2人から距離をとり、剣を天に掲げた。
リリィが抱きついてくる。
目覚めた途端どうしたんだろう?
ひとまず、よしよしと頭を撫でる。リリィのさらさらの金髪はいつ撫でても心地いい。
「ちょっと!心配させないでよね!」
ソフィアも抱きついてきた。
同じように逆の手で頭を撫でる。ソフィアの綺麗な白い髪からはとても良い匂いがただよってきた。
2人ともあたたかい。
「あれ?ここは?」
オレは雷龍キルクギオス様に力試しと称してボコボコにされていたはずなのだが、気づけばふくろうの自室で寝転がっていた。
「宿のベッド?」
「あんたが!気絶してたから!ここまで……ここまで!運んだのよ!!」
胸の中のソフィアがオレを睨みつけながら、めちゃくちゃ怒鳴ってきた。ご機嫌ななめだ。よしよしと頭を撫でながら、
「そっか、ごめんね?重かったよね」
「そんなこと!!どうでもいいです!!」
謝罪を述べると、リリィがものすごい剣幕で怒ったかと思うと、ボロボロと泣き出した。
「え?」
「危ないことになったら!撤退するって!約束しました!!」
ポカッと胸を叩かれる。
「……うん、ごめん」
「約束したのに!!」
ポカッポカッ
「ごめんね」
オレは身体を起こして、リリィをギュッと抱きしめる。
そうか。オレは雷龍様と戦って、ボロボロになって、死ぬかもしれないってとこまでいったんだ。
リリィに心配をかけるのは当たり前だ。
働かない頭がやっと追いついてきた。
「ごめん、ごめんね。心配かけたよね……」
「……う、うう……」
「ソフィア?」
嗚咽のようなものが聞こえてきて、ソフィアの方を向く。
「……うう……わ、わたしも抱きしめて…」
ソフィアが苦しそうに、なにかに耐えるように、ポロポロと泣きはじめる。
「おいで!」
オレはあわてて抱き寄せた。
「……うぅ……し、死んじゃったかと思ったんだから…」
「うん、心配かけたよね、ごめん」
「わ、わたしもがんばったんだから……」
「うん、ありがとう」
オレは胸の中でボロボロと泣く2人を見て、2人が本気でオレのことを思ってくれてるんだな。と痛感する。
ポロッ
「あれ?」
気づいたら、オレの目からも涙がこぼれ落ちていた。
生きて、2人とまた会うことができた。
そう実感する。実感したら、涙が止まらなくなった。
オレたちはしばらく抱き合ったまま、3人して泣きつづけた。
♢
「……ぐす……あ…雷龍が、あの剣をライにって」
ソフィアが指差す方に目をやると、壁際に銀色の美しい両手剣が立てかけてあった。
鍔には黄色の丸い宝石が埋め込まれていて、周りには繊細な模様が刻まれている。柄は黒い革のようなもので覆われていた。
オレは立ち上がり、その剣を手にした。
すると、「キーン」と高音がしたと思うと、柔らかい光に包まれ、剣の形が変わっていく。その剣はオレが片手でも扱いやすいサイズに変化した。
それにこの形状、もしかして…
オレは鞘から刀身を少し抜いてみる。
片方にだけ刃がある。
日本刀であった。
鞘から刀身を全て抜き、天に掲げて眺める。
「これが……雷帝剣キルク……」
すごい力を感じる。なんでかわからないが、力がみなぎってくるのだ。
「それと、雷龍から伝言。3日間に限り、ライに力を貸すって。でも、ライは2日寝てたから、期日は今日1日だけ…」
「そっか。オレはそんなに寝てたのか」
2日も寝ていたと聞き、ゾッとする。それだけ身体に大きなダメージを負ったということだろう。
それに、なにより、2日間も2人に心配をかけ続けたことが申し訳なかった。
「……それにしても、外が暗いみたいだけど、もしかしてもう夜なの?だとしたら期限切れが近いな…」
「いいえ、今はあれから3日目の朝です。説明が難しいので、外に出ましょう」
オレは2人について宿の外に出る。
空は暗雲に覆われていたその暗雲はゴロゴロと鳴っており、雷雲だとわかる。
「ライ様を運んでくれた後、雷龍様はリングベルの上空に飛んでいかれました。そして、咆哮をあげながら飛び回ると、みるみるうちにリングベルの上空は暗雲に覆われたのです。それから2日、暗雲が消える気配はありません」
「なるほど、そういうことか」
オレは雷帝剣を持っているからなのか、雷龍様の意図を理解することができた。
3日間に限り力を貸す、その方法を。
「うん、わかった。じゃあ、ステラを攫ってくるから」
「は?今から行く気?」
「うん」
「もう少し休まれては?」
「いや、大丈夫」
「では、わたしたちもお供します」
「いや、手荒なことになるから2人は先に町を出て、シエロス山脈の入り口あたりで野営の準備をしててくれないかな?」
「いやです!もう離れません!」
リリィが抱きついてくる。
「ありがとう。でも、大丈夫。今度は絶対負けないよ。相手は人間だから」
「って言っても、ステラにボコボコにされたばっかじゃない」
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オレは2人から距離をとり、剣を天に掲げた。
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