6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

さんかく

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2章

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リュカくん達は、ジルの一番近くにいてくれて、オスカーはジルの力になることを厭わないで居てくれる。きっと、ずっと。

そんな彼らのように僕も、目を逸らさないでいたい。ジルが苦しむ姿を見るのは不安だし怖いけれど、僕も強くありたい。大事な人をずっと変わらずに守り続けられる、かっこいい人になりたい。
そのために、僕になにができるかな。オスカーやお母様とお父様にも相談して、いっぱい考えよう。立場的にもずっとは一緒にいられないけど、ジルやライアンを僕が守れるように、できることを一つずつ見つけて力をつけていきたい。


そんなことを考えながら視線を落とすと、握ったままの手がほんのわずかに動いたのを感じた。反射的に名前を呼びかけながら顔を覗き込めば、先程まで固く閉じられていた瞼がゆっくりと開いていく。

「ジル、分かる?ジルっ」

誰かが部屋を出る足音と扉の開閉音を聞きながら、安堵からか自然と先程よりも名前を呼ぶ声が大きくなった。
それから数秒の間、ジルの赤い瞳がゆらゆらと宙を彷徨ってから、ようやく僕に焦点が合った、その瞬間。少しだけ変わったジルの空気に既視感を覚えた。寝起きだからいつもと雰囲気が違うだけ?

__いや、きっとそうじゃない。僕は確かにどこかで、今と同じ表情をしたジルを見たはず。

「ふぇり、す……さま……?」

そんなことを考えているうちに、ジルからいつもよりか細い声で、敬称付きの名前を呼ばれる。いつもならお兄ちゃんって呼んで、と訂正を求めるところだけれど、今はそんな気も起きなかった。

「うん、僕だよ。気分はどう?どこか苦しいとか痛いとかない?」
「どこも……いたくない。だい、じょうぶです」
「ほんと?なら、良かった。すぐに先生が来るから、先生が来て、帰っても大丈夫って言われたら、一緒に帰ろうね」

いつもより意識して優しい声音になるようゆっくりと話せば、ジルも段々と覚醒してきたのか、先程よりもはっきりとした声で、はい、と言いながら頷いて見せた。
無理に起き上がろうとしながらも力が入らなかったのか、すぐにベッドに逆戻りになったジルに寝てるように言いながら繋いでいた手をソッと離す。
さっきの既視感が解けないまま、一先ずジルが無事だったことに安心してそっと肩の力を抜いて椅子から立ち上がる。先生が問診するのに、僕がここにいるのは邪魔だろうから。

気が抜けたからか、立ち上がった時にふらついたのを僕の護衛に目敏く気付かれて、いつの間にか用意されていたもう一つの椅子に腰掛けさせてくれた。


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