6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

さんかく

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2章

81(ジルベールside)

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ジルベールside

「これからどうするんだよ!?至る所に王宮の騎士がいるんだぞ!ここに来るのも時間の問題だ!」
「黙れ。外に聞こえる」
「お前だって他人事じゃないんだぞ?子供とはいえ王族なんか誘拐して……捕まれば死罪は免れない。俺だけならまだしも、家族にだって罪が問われるかもしれないだろ」
「そんな事はやる前から分かってただろう。今さら言ったところで何も変わらねぇよ。俺達はただ、この哀れな王子様を俺達の主の元に送り届けるだけだ」
「……ああ、分かってるよ。分かってるけどよぉ……」
「後悔する前に今は屋敷に戻ることだけを考えろ」

馬車から連れてこられた先の広くも狭くもない部屋の中に、初めて見る男が二人。余裕のない男とそれを宥める男。さらに部屋の外には少なくとも二人はいる。細身に見えるが身のこなしから、その体は鍛え抜かれているのが分かった。そんな彼らの身に付ける物の中には見覚えのある家紋が刻まれている。
……確か王妃様の御実家の家紋と同じものだったような気がする。
今回の人生は、あの人が終わらせるのかもしれない。それとも今ここにいる彼らの中の誰かだろうか。
どうせならあまり痛くない死に方がいい。痛いのも苦しいのも、何度繰り返したって好きにはなれそうもないから。

「……来た」
「王宮のやつか?」
「いや、味方だ。すぐに移動するぞ」
「やっと帰れるのか?」
「さぁな。だが恐らく家紋を見られているだろうから、公爵家邸宅の周辺もここと同じくらいか、これ以上の捜索隊がいるかもしれない。今以上に慎重に行くぞ」
「はぁ……分かったよ。けど、この子どうするんだ?また気絶させるのか?」

一人の男がこちらを指差しながらそう言うと、もう一人の男もこちらに視線を寄越した。

「……いや、念の為に口は塞がせてもらうが、その必要はないだろう」
「いいのか?」
「意識を刈り取る時にもし死んだらどうする。体が弱いんだろ。生きて連れて行かないと意味がない」
「まぁ確かにここに来るまでも静かだったしな。その代わり声出せねぇようにちゃんと口塞げよ」
「分かってる。お前は先に準備しとけ」
「ああ」

話がまとまったのか、もう一人を宥めていた方の男が幅のある紐を持って、それを俺の口を塞ぐように括り付ける。元より大声は出せないし、誰が味方かも分からない状況で誰かに助けを求めようなんて気も起きない。だからこの拘束に大した意味もないのだが、普通なら所構わず叫んで助けを求めるものなのだろう。なんて意味のないことを考えながら、それを甘んじて受け入れた。
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