6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

さんかく

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1章

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それから約5年後。
突然、離宮に人がやって来て、俺の部屋の中に大量の本が積まれるようになった。
その日から俺はただ言われるままに、人間らしい生活を強要され、今までの無知を取り戻すかのように授業を受けて知識を身につけた。
今までの生活が普通ではないと知ったのもこの時だった。
そしてそれから3年後、俺は隣国の王様の元へ嫁ぐことになった。
そう、嫁いだのだ。
俺は紛れもなく男で相手も男。
けれどそれは瑣末な問題だった。
愛があればどんな壁でも乗り越えられる、なんて事ではなく、この世界では特殊な儀式を行えば男性であっても子を授かることができるのだ。
その証拠に俺の実の母親である王妃様も妃とは言うが男性だった。
儀式をして子を授かれるようになるとは言っても、男性の出産は女性の出産よりずっと危険度が高く、王妃様はそれを承知の上で周囲の反対を押し切って俺を産み、そして亡くなった。
俺は一応その儀式を受けたが、子供を作ることは特に期待されてはいなかった。
あとから知ったことだが、これは元々俺の弟である第三王子__ライアン(あの時泣かせてしまった子供)に来た縁談であり、隣国との友好の証に王子を一人寄越せと言ってきたようだ。
けれどライアンは父親からも兄である第一王子__フェリクスからも使用人達からも愛されていて、まだ幼いからと縁談を拒否したらしい。
そこで俺に白羽の矢が立った。
俺に拒否する権利はもはや残されてはいなかった。
俺はただ言われるがまま馬車に積まれた荷物と共に隣国へと旅立った。
30ほど歳上の隣国の王の何番目かも分からない側妃となり、部屋や食事だけなら比べ物にならないほどに豪華になった。
もしかしたら夫となったこの人ならば愛してくれるかもしれない、と期待して自分なりに努力したが、それが叶うことはなく。
王は一度も俺の部屋を訪れることもないまま、俺は18を迎える前に毒を盛られて死んだ。


そして死んだと思って微睡んでいると、次の瞬間には3歳を迎えたばかりの頃の体になっていた。
それからすぐに俺は自分が人生を繰り返しているのだと気がついた。
きっと今回の人生も前回と同じ末路を辿るのだろうと諦観しながら、心のどこかで自分を愛してくれる存在を渇望した。
けれど、それから五回繰り返して、どれだけ勉強や剣術、話術など多くのことを努力して身につけようと、誰も俺の事を見てすらくれなかった。

ずっと誰かに聞きたかった。
ずっと誰かに教えてほしかった。

俺の、生まれてきた意味を。
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