6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

さんかく

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1章

7

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しばらく、とはいつまでだろうか。
ルル達とは、もう会えないのだろうか。
ルル達は、どうしているのだろうか。
無事にいるだろうか。

会いたい。
ここに、いたくない。
あの場所に、ルル達の元に帰りたい。

ただ、それだけだった。


今まで、どこかぼんやりとしてはっきりしなかった思考が急に鮮明になって、今度は慎重に、できるだけ音を立てないように体を起こす。
医務室は確か1階だったし、この窓からなら、もしかしたら出られるかもしれない。
そう思ってベッドの上に立ち窓を開けて下を見ると、やはり高さはなく花壇になっているのか土も柔らかそうで、今の俺でも十分に行けそうだった。
あの場所に、ルル達に会えるかもしれない。
その可能性が少し高くなって、先程まで体が重かったのが嘘のように、その窓から飛び出すことができた。

隣の部屋にいると言った彼に見つからないように注意を払って抜け出すと、離宮のある方角に向かった。
一歩、二歩、と慎重に歩みを進めていくが、王宮から少し離れた頃には、とうに窓から飛び出した時のあの体の軽さは消え失せ、気を抜けばすぐにでも倒れ込んでしまいそうだった。
それでもどうにか足を動かして離宮を目指すものの、離宮に近付けば近付くほど足場は悪くなる一方。

まだ、離宮まで遠いのに。
呼吸が苦しくなってきて、視界が揺れる。
先程まで不定期に聞こえていた自分の足音も、もう聞こえない。
間近にあった大木に手をついてなんとか立っているような状態で、でも先に進みたくて。
「ルル……レイ、ラ…ブラン…」
会いたい。
もう、一人は嫌だ。
初めてできた家族の元に。
そう願って、鉛のように重い足をどうにか前へと運ぼうとした瞬間。

「第二王子殿下ー!」
ビクッ、と、思わず身体が反応して辺りを見渡すが、誰もいない。
「ジルベール様ー!」
続けて、先程ノアと名乗った男性の声が聞こえて、抜け出したのがバレて連れ戻しに来たのだと気がついた。
探されている。
どうにかしてやり過ごしたいが、ろくに動けない状態でどこに。
そう考えていた時だった。
パキッ、と俺の真後ろで人が木の枝を踏んだ音が聞こえたのは。
「あっ!ジルベール様っ!大丈夫ですか!?」
「お怪我はありませんか?」
「俺、ノア先生達呼んでくる!」
大人より少し高めの声に振り向けば、色素の薄い茶髪の少年と黒髪の少年、それから灰色の髪の少年の三人がいて、茶髪の少年と灰色髪の少年がこちらに駆け寄り、黒髪の少年は違う方向へと走っていった。

見つかってしまった。
今の状態ではこの少年達から逃げることは叶わないだろう。
そう思ったら、気力で立っていた力も抜け、そのまま木の根元に倒れ込んだ。
あぁ、呆気ない。
俺は自力で家族の元に帰ることもできないのか。
ただ人に迷惑をかけて終わってしまった。
ルル達の無事も確かめられず。

自分の醜態が、ただただ、情けなかった。
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