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1章
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しおりを挟む熱が引いてから、念の為の一日を安静に過ごしたさらに次の日。
俺は車椅子に乗った上でリュカ達と一緒ならと外出許可をもらい、ようやくルル達と会える日がやってきた。
久しぶりに会った(とは言っても一週間ほどだが)ルル達は、俺を見るなりちぎれんばかりの勢いで尻尾を振って、勢いよく駆け寄って来てくれた。
中でもルルは車椅子に飛び乗ってきて、頻りに俺の頬を舐めていて少しくすぐったい。
ルルも二年前とはちがってだいぶ成長しているから、少し重くも感じるのだが、そんな事も気にならないほど、また会えた事が嬉しかった。
そうしてレイラとブランを撫でて、ルルを抱き締めて、違和感を覚えた。
心做しか痩せたような気がする。
体調でも悪いのだろうかと心配になって、車椅子を押してくれていたリュカに聞くと、困ったように眉を下げて答えた。
「実は、ここに来てからあまり食事をしてくれてなくて……獣医の先生にも来ていただいたのですが、体調には問題ありませんでしたので、慣れない環境にストレスを感じていたようです」
「そーなんですよっ!この子達、僕達が触ろうとしてもすっごく嫌がるからお風呂にも入れられてないんですよ……」
「まぁ、この様子じゃあジルベール様が飯やったら食いそうな気もしますけどね」
「それ名案っ!ジルベール様、今から厨房行ってくるのでこのワンちゃん達に何か食べさせてあげましょう!じゃあ早速行ってきますね!」
そう言って、さっきのルル達と良い勝負をしそうなほどにすごい勢いで走って行ったサロモンを見送ってから10分ほどで、手に籠を二つ持ったサロモンが戻ってきた。
「お待たせしましたっ!見てください!いっぱいあるからって僕達も食べていいそうですよ!」
サロモンが俺にも見えるようにと差し出してくれた籠の中には、確かに溢れそうなほどの果物やパンなどが入っていて、ここにいる全員分が含まれているようだった。
早速食べ始めたサロモン達を横目に、とりあえず、と籠の中にあったヘタが切り落とされた真っ赤なイチゴを手に取ってルルの口元に運ぶ。
すると、食欲がなかったとは思えないほど、手の上に置いていたイチゴは瞬く間に無くなり、早く次をと言わんばかりに尻尾を振りながらこちらを見上げている。
オレンジ、リンゴ、イモ、パン、キウイ、と順にレイラとブランにも同じように食べさせていると、アレクサンドルに名前を呼ばれて振り向いた、瞬間。
口元に何かを捩じ込まれてむぐっ、と思わず声を出してしまった。
「ジルベール様もなにか食べないとっすよ。このリンゴ甘くて美味いでしょう?」
ニッ、といたずらっ子のような笑みを浮かべながら言われて、口に入った物を噛むと、そのリンゴはアレクサンドルの言うとおりに、甘くて美味しい。
小さめに切られたそれを、なんとか飲み込んで再びルル達にご飯を食べさせ、時折アレクサンドル達からこれもこれもと差し出される果実を受け取って。
そんなことを繰り返していけば、籠いっぱいに入っていた食べ物はいつの間にか無くなっていた。
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