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2章
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しおりを挟む「本当に可愛がってるんだな。けど、あんまりしつこいと嫌われるぞ?」
フェリクス様の後ろから笑いの含んだ声で彼が言う。それに対してフェリクス様はムッと大袈裟に顔をしかめて彼を見た。
「オスカー!ジルはそんな事で僕を嫌いになんてならないよ!」
「分かってるよ。ただ、あんまりしつこいのも良くないって話だって。ったく、こんな姿を学園の奴らが見たら驚くだけじゃすまないな」
「なんで?」
キョトンとした顔をするフェリクス様の肩越しに、オスカー様の顔を盗み見る。俺達からすればなんでそう思うのかが疑問だったのだが、オスカー様から見たら俺達が__というよりもフェリクス様が疑問を持っていること自体が不思議だったようで、首を傾げている。
「なんでって、自覚ないのか?学園ではクールな王子サマだろ」
「えぇー?僕、そんなに普段と違うかなぁ?」
“クール”?
……そういえば、前回までではフェリクス様のこんなに砕けた姿は、数える程しか見なかったような気がする。それはどれもライアン様と一緒にいた時で、どの人生でもフェリクス様はライアン様をとても可愛がっていた。
内と外に対する接し方がかなり違うのか、と考えながら、今回は俺も内に入っているのだと気付いているようで理解出来ていなかった事を再認識させられた。
「……でも、確かにこれでも一応はこの国の第一王子だからね、ちゃんとしなきゃとは思ってるんだ。だからそれでそう見えちゃうのかもしれないな」
「あぁ、フェルが頑張ってるのは俺も知ってるよ。俺も似たようなもんだしな」
「ふふっ。オスカー、ありがとう!……でも待って!それって僕、もしかして近寄り難いって思われてる!?」
オスカー様の言葉に嬉しそうに頷いていたフェリクス様は、いきなりバッと立ち上がって焦ったような声を出した。それにオスカー様は小さく笑って、またからかうように口を開いた。
「残念ながらそうかもな」
「そんなぁ……」
「ははっ、悪い悪い。まぁ、気を抜ける相手がちゃんといるってことだろ?いいんじゃないか?周りの事は後回しでも」
「そう、なのかなぁ……?」
フェリクス様はそう呟いて、少し首を捻ってから、俺の方に視線が向いた。そしてふるふると小さく首を横に振る。
「んー……いや、やっぱりダメ!ちゃんと跡継ぎとして周りの人にも認められないと、お父様とお母様だけじゃなくてジルやライアンにも迷惑かけちゃう。それに伝手は多い方がいいって先生も言ってたし」
「あぁ、あの薬学の先生か。俺もそれには賛成だな。人脈が広いに越したことはない」
「だよね!」
オスカー様の言葉に嬉しそうにフェリクス様は頷いて、気合いを入れるようにギュッ、と拳を握りしめた。
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