6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

さんかく

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2章

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だからこそ、美しいからこそ、恐ろしいのです。七歳とは思えないのです。歳下とは思えないのです。その所作も雰囲気も幼子の身体には到底似合わないのです。
ただ無駄に成長しただけの大人にもあんな雰囲気は出せません。
その雰囲気を、この違和感を、なんと言い表せば良いのでしょうか。老成しているのに無垢な赤子のような。何度も熱されて叩かれて強くなった鉄のようで、少し触っただけで崩れてしまいそうな雪の結晶のような。
どんな例えをもってしても、あのような存在を表現するには足りません。

一体どのような生き方をしてきたのか、想像もできませんでした。あの方と同じ王族の産まれである第一王子殿下も私からしたら遠い存在と思っていましたが、あの方は別格です。全てが異質に見えるその御姿は、いっそ子供の姿をした神様か悪魔だと言われた方がすんなり納得できましょう。

それほど特異な存在なのに、どうしてあの方のそばになんの疑問もなくいられるのでしょう。どうして彼女は上っ面の事しか言わずにいられのでしょう。どうしてあの方を嘲るようなことを言えるのでしょう。どうして__

そこまで考えて、ハッといたしました。第二王子殿下の、腰に携えられた剣から見て恐らく護衛の人が、こちらを忌々しそうに睨みつけていらしたのです。その眼差しを見て、私は自分が不躾な視線を第二王子殿下に向けていた事にようやく気が付きました。
護衛の人は私に、と言うよりも不躾な視線を向ける私達全員を睨みつけていたようでしたが、それも一瞬のこと。きっとほとんどの方が気付かなかった事でしょう。すぐにその視線は霧散し、第二王子殿下へと視線を移されました。

その眼差しのなんと優しいことか。護衛の彼も第一王子殿下もスピネル公爵子息も、惚けてしまいそうなほど優しい眼差しで第二王子殿下を見ておられました。
私は御二方を学園でしか拝見した事はございません。人の上に立つ存在としてのあの凛とした御姿だけ。身内に向けるような御姿は当然知りません。それでも今の表情を見れば、第二王子殿下を特別に想われているのだと、言葉がなくとも分かります。
彼女も、他の方達も、よっぽど鈍感な方でなければ気付いたでしょう。辺りに蔓延っていた小さな無数の声が、いつの間にか消えていました。
彼らが食堂に入ってきた時とは違った静けさに包まれ、その時よりもほんの少し静寂が長く続きました。

それから、一つ、また一つとあのテーブルに集まっていた視線がなくなり、私もそっと彼女と目を合わせました。

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