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その1
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私の婚約者である王子様は本当に自由奔放なお方なんです。あの日のことは忘れもしません。王子様主催のパーティーに参加した時のことです。元々、お姉様と王子様が学友で、招待されたのはお姉様だったのですが、諸事情により、私がお姉様の代わりに参加することとなりました。今更ですが、あの時、普通に断っていればよかったと反省しています。そうすれば、こんなことにはならなかった……今更悔やんでも遅いですね。
話を戻します。お姉様の代わりに参加したパーティーで、始めて王子様の顔を拝見しました。するとどうでしょう。ここだけの話ですが、どれだけ上手いお世辞を並べたとしても、やっぱり無理なんですね。いや、本当にひどいんです。色々と失敗しているようで、私の方がまだ整った容姿であると自信を持って言えると思います。
「本日のパーティーで、王子様の婚約者が決まります!」
司会者がそう言いました。突然の発表に会場は騒めきました。顔はともかくとして、王子様と婚約することになれば、一家の繁栄は勿論のこと、無限の富を得ることができるのです。私と同年代か、あるいは、年上の女貴族たちは、一目散に王子様の元へ向かいました。皆、自分が婚約者に選ばれることを期待したのでしょう。
私ですか?そんなの全然興味なかったです。こんなこと言ったら親に怒られますけどね、いや、メルヘンチックな恋なんて、そんなものはありませんけれど、あの王子様と結婚しても……。
「なんと言うことでしょう……」
司会者が驚くのも無理はありません。当たり前ですが、王子様にふさわしそうな連中が少なくとも5人はいました。残りの30人くらいは余興です。5人の顔ぶれは今一分かりませんが、無知(おそらく)な王子様を誑かすには十分な美しさを持ち合わせていました。問題となるのは家柄でしょうか?
「さあ、王子様。どうぞ、お選びください!」
司会者に促されて、王子様は婚約者候補を見回しました。
「うーん、どれもよくないな……」
王子様の好みに合う女性は、どうやらいなかったみたいです。私が男だったら、間違いなく5人の中から選ぶのに、と思いました。
「うーん……あっ!決めた!そこのあなた、あなたですよ!」
あなた、あなた……えっ、私ですか?
王子様はまっすぐに私のことを指さしていました。いや、忘れられませんね。あの時の衝撃は。王子様の視線と、私を軽蔑する女たちの殺気立つ視線を1度に浴びてしまったわけですから。
話を戻します。お姉様の代わりに参加したパーティーで、始めて王子様の顔を拝見しました。するとどうでしょう。ここだけの話ですが、どれだけ上手いお世辞を並べたとしても、やっぱり無理なんですね。いや、本当にひどいんです。色々と失敗しているようで、私の方がまだ整った容姿であると自信を持って言えると思います。
「本日のパーティーで、王子様の婚約者が決まります!」
司会者がそう言いました。突然の発表に会場は騒めきました。顔はともかくとして、王子様と婚約することになれば、一家の繁栄は勿論のこと、無限の富を得ることができるのです。私と同年代か、あるいは、年上の女貴族たちは、一目散に王子様の元へ向かいました。皆、自分が婚約者に選ばれることを期待したのでしょう。
私ですか?そんなの全然興味なかったです。こんなこと言ったら親に怒られますけどね、いや、メルヘンチックな恋なんて、そんなものはありませんけれど、あの王子様と結婚しても……。
「なんと言うことでしょう……」
司会者が驚くのも無理はありません。当たり前ですが、王子様にふさわしそうな連中が少なくとも5人はいました。残りの30人くらいは余興です。5人の顔ぶれは今一分かりませんが、無知(おそらく)な王子様を誑かすには十分な美しさを持ち合わせていました。問題となるのは家柄でしょうか?
「さあ、王子様。どうぞ、お選びください!」
司会者に促されて、王子様は婚約者候補を見回しました。
「うーん、どれもよくないな……」
王子様の好みに合う女性は、どうやらいなかったみたいです。私が男だったら、間違いなく5人の中から選ぶのに、と思いました。
「うーん……あっ!決めた!そこのあなた、あなたですよ!」
あなた、あなた……えっ、私ですか?
王子様はまっすぐに私のことを指さしていました。いや、忘れられませんね。あの時の衝撃は。王子様の視線と、私を軽蔑する女たちの殺気立つ視線を1度に浴びてしまったわけですから。
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