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その1
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私の名はパミーナという。絶賛青春を謳歌している令嬢だ。わけあって、帝国第一王子のキニーネ様と婚約することになり、今日は、キニーネ様の誕生祝いと婚約をダブルで祝う式典の日である。
私は元々、貴族の社交場に興味が無く、また、そもそもパーティーに参加したことなんてなかった。
お分かりだろうか?それくらい、身分の低い令嬢だったのだ。そんな私がキニーネ様と婚約できるだなんて……キニーネ様とは高等学院の同級生だった。ちょうど席が隣で、それでもって、私は自慢じゃないけど、頭がいいので、おバカなキニーネ様の勉強をサポートしていく内に、距離が縮まったというか……ほんと、お得だよね。
勉強は好きだけど、女らしいお洒落とか、そういうものはよく分からなかった。でも今回は、私もパーティーの中心に立つことになる。だから、自分なりにお洒落をしてみた。洋服や化粧は、お母様の意見を参考にした。お母様は私と違って頭は悪かったけど、社交界は大好きだった。だから、お母様の意見を聞いておけば、恥ずかしくはないと思った。
さあさあ、気分ルンルンでパーティー会場に足を踏み入れようとした時、
「お待ちください!!!」
と、四方から呼び止められた。ひょっとして、招待状を見せないといけないのかしら、と思って、私はカバンにごそごそと手を突っ込んだ。でも、なかった。当たり前のことだった。私は招待者ではなく、パーティーの主催者なのだから。
「私の名はパミーナ。本日開催されます帝国第一王子キニーネ様の婚約者ですの。ここを御通し下さらないかしら?」
まさか、みんな私のことを知らないのかしら、と思った。無理もない。キニーネ様は、今日この日まで、私のことを身内以外には秘密にしていた。私は王家や高位貴族の出身じゃないから、その点配慮して下さったのだ。
「心得ております。あなた様は確かにパミーナ様でございます……」
なんだ、知っているなら初めから言ってくれればいいのに。というより、この場に留める必要はないんじゃないかしら?私はもう一歩踏み出そうとした。
「あなた様は、この会場に入る資格がございません!!」
「はいっ……?いま、なんて?」
私は思わず聞き返してしまった。
「キニーネ様の婚約祝賀会は中止になりました。本日は、キニーネ様の誕生記念祝賀会オンリーになりました。ですから、招待状のない方の入場は許可されておりません」
婚約祝賀会の中止……根耳に水だった。どうして?そんなこと、あるわけないでしょう?
入り口で立ち往生していると、キニーネ様が祝賀会の開かれる王宮の間に姿を現した。
「キニーネ様!!」
私は制止を振り切って、会場に足を踏み入れた。何が何だかさっぱり分からないので、キニーネ様の口から説明してほしかった。
「パミーナ!」
キニーネ様は私の名を呼んだ。そして、私のことを鬼の形相で睨み付けた。
「君はここにいる資格がない!」
キニーネ様はこう言い放った。
「どうしてですか?」
私は思わず叫んでしまった。祝賀会に参加している貴族たちは、ザワザワと話し始めた。そして、私とキニーネ様のただならぬ成り行きに、貴族特有の野次馬精神が燃え盛っていた。
「パミーナ!私はこの場で、君との婚約を破棄すると発表する!」
私は開いた口が塞がらなかった。
私は元々、貴族の社交場に興味が無く、また、そもそもパーティーに参加したことなんてなかった。
お分かりだろうか?それくらい、身分の低い令嬢だったのだ。そんな私がキニーネ様と婚約できるだなんて……キニーネ様とは高等学院の同級生だった。ちょうど席が隣で、それでもって、私は自慢じゃないけど、頭がいいので、おバカなキニーネ様の勉強をサポートしていく内に、距離が縮まったというか……ほんと、お得だよね。
勉強は好きだけど、女らしいお洒落とか、そういうものはよく分からなかった。でも今回は、私もパーティーの中心に立つことになる。だから、自分なりにお洒落をしてみた。洋服や化粧は、お母様の意見を参考にした。お母様は私と違って頭は悪かったけど、社交界は大好きだった。だから、お母様の意見を聞いておけば、恥ずかしくはないと思った。
さあさあ、気分ルンルンでパーティー会場に足を踏み入れようとした時、
「お待ちください!!!」
と、四方から呼び止められた。ひょっとして、招待状を見せないといけないのかしら、と思って、私はカバンにごそごそと手を突っ込んだ。でも、なかった。当たり前のことだった。私は招待者ではなく、パーティーの主催者なのだから。
「私の名はパミーナ。本日開催されます帝国第一王子キニーネ様の婚約者ですの。ここを御通し下さらないかしら?」
まさか、みんな私のことを知らないのかしら、と思った。無理もない。キニーネ様は、今日この日まで、私のことを身内以外には秘密にしていた。私は王家や高位貴族の出身じゃないから、その点配慮して下さったのだ。
「心得ております。あなた様は確かにパミーナ様でございます……」
なんだ、知っているなら初めから言ってくれればいいのに。というより、この場に留める必要はないんじゃないかしら?私はもう一歩踏み出そうとした。
「あなた様は、この会場に入る資格がございません!!」
「はいっ……?いま、なんて?」
私は思わず聞き返してしまった。
「キニーネ様の婚約祝賀会は中止になりました。本日は、キニーネ様の誕生記念祝賀会オンリーになりました。ですから、招待状のない方の入場は許可されておりません」
婚約祝賀会の中止……根耳に水だった。どうして?そんなこと、あるわけないでしょう?
入り口で立ち往生していると、キニーネ様が祝賀会の開かれる王宮の間に姿を現した。
「キニーネ様!!」
私は制止を振り切って、会場に足を踏み入れた。何が何だかさっぱり分からないので、キニーネ様の口から説明してほしかった。
「パミーナ!」
キニーネ様は私の名を呼んだ。そして、私のことを鬼の形相で睨み付けた。
「君はここにいる資格がない!」
キニーネ様はこう言い放った。
「どうしてですか?」
私は思わず叫んでしまった。祝賀会に参加している貴族たちは、ザワザワと話し始めた。そして、私とキニーネ様のただならぬ成り行きに、貴族特有の野次馬精神が燃え盛っていた。
「パミーナ!私はこの場で、君との婚約を破棄すると発表する!」
私は開いた口が塞がらなかった。
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