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「ゼロから千まで」27話
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「ゼロから千まで」27話
「どちらにしても、千歳はやめといた方がいいんじゃないの?」
「な、なにが?」
「霧崎と付き合うこと。」
三来の言葉に千歳は固まる。
「向こうの束縛が加速する前に逃げた方がいいんじゃないの?」
「もう手遅れな気がするけどなぁ」と二葉は買ってきたフラワーペーパーで花を作り始める。
「もう手放す感じ無いでしょ、霧崎。だって家に連れ帰ってるんだよ?」
二葉が出来上がったペーパーポンポンを紙風船のように遊び始める。それにちゃっかり千歳も混ざって遊び始める。そんな二人を尻目に三来は頬杖をつく。
「おじいさんが言っても効かないなら、相当の強さだよね。」
「まあ、あたしらじゃダメでも、鈍感な千歳なら案外やっていけるのかもしれないね。」と呟くように言った世羅の言葉に三来はテーブルに手をついて立ち上がる。
「いやいや!自由人な千歳が束縛に堪えられるわけないって!」
すると、世羅は親指で三来の後ろを指差す。三来が振り返ると、そこには何やら必殺技だと言いながらフラワーポンポンにアタックを決めようとする千歳がいた。
「さっきの反応的に千歳も霧崎に惚れてる。今さら別れるのは無理だと思うな。」
三来は睨みつけるように後ろでアタックを決めた千歳を見遣ると、世羅に向き直る。
「どうなっても知らないよ。執着する男で碌な奴を見たことないもん。」
「幼馴染が不審者から自分を助けて、ほんで大怪我されて。その光景を見た霧崎は失うのが怖くなったんじゃないの?」
世羅の説明は納得できるが、三来は浮かない表情だった。
「それで?また不審者に襲われるかもしれないからってベタベタ千歳にひっついてるの?」
世羅は目を見開かせた。
「なんか、いくらなんでもやり過ぎじゃない?もう犯人捕まったんでしょ?なに?まさかいつ現れるか分からない新たな不審者に警戒してるってわけ?」
三来の止まらない愚痴を半分聞きながら世羅は腕組みをしながら後ろに仰反る。三来の言ってることも気になるが、そのどれもが全ては好きな相手と付き合って何をするにも一緒に過ごしたくなる恋人心理の域から出なかった。
時計を見るともう学校の校門が閉じる時間だった。世羅は慌てて、まだフラワーポンポンで羽つき紛いのことをしている二葉の襟首を掴んだ。
「この荷物持ち帰るの怠いから、急いで学校帰って置いてくるよ。」
「えー、もっと遊びたかったなぁ」と千歳が小さい地団駄を踏む。
千歳の話は不可解な点が多く、雲を掴むような話だが、この時期の学生は文化祭の準備で忙しいのだ。
三人が玄関へ向かうのを千歳は寂しそうに二階から手を振っていた。
「どちらにしても、千歳はやめといた方がいいんじゃないの?」
「な、なにが?」
「霧崎と付き合うこと。」
三来の言葉に千歳は固まる。
「向こうの束縛が加速する前に逃げた方がいいんじゃないの?」
「もう手遅れな気がするけどなぁ」と二葉は買ってきたフラワーペーパーで花を作り始める。
「もう手放す感じ無いでしょ、霧崎。だって家に連れ帰ってるんだよ?」
二葉が出来上がったペーパーポンポンを紙風船のように遊び始める。それにちゃっかり千歳も混ざって遊び始める。そんな二人を尻目に三来は頬杖をつく。
「おじいさんが言っても効かないなら、相当の強さだよね。」
「まあ、あたしらじゃダメでも、鈍感な千歳なら案外やっていけるのかもしれないね。」と呟くように言った世羅の言葉に三来はテーブルに手をついて立ち上がる。
「いやいや!自由人な千歳が束縛に堪えられるわけないって!」
すると、世羅は親指で三来の後ろを指差す。三来が振り返ると、そこには何やら必殺技だと言いながらフラワーポンポンにアタックを決めようとする千歳がいた。
「さっきの反応的に千歳も霧崎に惚れてる。今さら別れるのは無理だと思うな。」
三来は睨みつけるように後ろでアタックを決めた千歳を見遣ると、世羅に向き直る。
「どうなっても知らないよ。執着する男で碌な奴を見たことないもん。」
「幼馴染が不審者から自分を助けて、ほんで大怪我されて。その光景を見た霧崎は失うのが怖くなったんじゃないの?」
世羅の説明は納得できるが、三来は浮かない表情だった。
「それで?また不審者に襲われるかもしれないからってベタベタ千歳にひっついてるの?」
世羅は目を見開かせた。
「なんか、いくらなんでもやり過ぎじゃない?もう犯人捕まったんでしょ?なに?まさかいつ現れるか分からない新たな不審者に警戒してるってわけ?」
三来の止まらない愚痴を半分聞きながら世羅は腕組みをしながら後ろに仰反る。三来の言ってることも気になるが、そのどれもが全ては好きな相手と付き合って何をするにも一緒に過ごしたくなる恋人心理の域から出なかった。
時計を見るともう学校の校門が閉じる時間だった。世羅は慌てて、まだフラワーポンポンで羽つき紛いのことをしている二葉の襟首を掴んだ。
「この荷物持ち帰るの怠いから、急いで学校帰って置いてくるよ。」
「えー、もっと遊びたかったなぁ」と千歳が小さい地団駄を踏む。
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三人が玄関へ向かうのを千歳は寂しそうに二階から手を振っていた。
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