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後:そもそも、こんなとこに来て大丈夫?
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「事実は変わりませんよ。その上で、どうするんですかと聞いています」
「無駄にはならな」
「無駄になったんすよ。それで?」
「……」
「こんな無駄はやめて、帰国しようとは思わないんですか?」
「それこそ無駄ではないか!」
「そうだっ、そんなことはありえない!」
「一日ごとに二十万近く無駄になっていくのに? 二十万あれば、平民を四か月は雇えますよねえ」
「お、お前がすぐに帰ればいいだろう!」
「隣国まで私を迎えにいこうとしたのは殿下のご判断ですよ。それとも、誰かに背中を押されたんすかね。いや、尻を蹴られた?」
「ええい、だま」
「黙ってくだせぇねえ~?」
客のひとりが大変丁寧に言うと、王子はてきめんに黙る。とても平和な光景だ。
「この状況で、ほんとに諦めないんすか? 一日二十万」
「こ、これまでにかかった金額からすれば些末だ」
「……そうだっ! 宰相殿が失敗は許されないと言っていた」
「成果を持ち帰れなかったとなれば、それこそ無駄ではないか!」
「いや成果が出てもすでに無駄なんすよ。典型的な損切りできない方々ですねえ」
メグは呟きながら、鍋に食材を放り込んでいく。ぐつぐつと沸く湯の匂い。やはり平和というのは素晴らしい。
「そもそもですよ。その宰相殿って なぜ殿下たちに任せたんだと思いますか?」
「何を……それは、殿下なら可能だからに決まっているだろう!」
「殿下もそう思います?」
すると王子は口を開いて、一瞬止まった。それから当たり前のように言った。
「そうだ。聞いてやる必要もなかったが、お前を追い出したのは俺ということになっているからな。迎えに行ってやるのが責任というものだろう!」
「さすが殿下、素晴らしいお考えです」
「あ、やっぱり、責任取れって言われて追い出されたんすね」
「なっ」
「無礼な!」
この王子に丁寧に「迎えに行ってください」と頼んでも、わかったなどと言う姿は想像もできなかった。貴族とは、自分が動かず人を動かすものなのだ。
それがこうして来たのだから、かなり強く言い聞かされたものと思われる。
それでも王子はとにかく都合よく考える人間なので「自分が引き受けてやった」と言うことでプライドを保っているのだろう。
「それにしても、おかしいと思わなかったんですか?」
丁寧に、するすると水面にヘラを走らせていく。あくが掬い取られて、水面がきらきらと輝いて見える。
「……何がだ」
王子に少し勢いがない。自分が追い出されたことを、もしかすると思い出してくれたのかもしれない。
よく考えるとおかしいな、くらいは気づいてほしいところだ。
「だって殿下は、殿下ですよ」
「なにを、当たり前のことを」
側近がそう言ったが、王子自身は黙った。
「それがたった三人の付き人で」
「なっ、我々は栄誉あるビファリアの」
「国を放り出されるなんて」
「殿下は国のためを思い、このような過酷な任務をお受けになったのだ!」
「ああ、殿下、なんと素晴らしい」
「我々は殿下に仕えられて幸福です……!」
「おかしいですよね?」
「……」
「だって殿下は、王太子様なのに。国外で何かあったらどうするんです?」
「……」
「どうなってもいいと思っていないと、そんなことさせないですよね?」
殿下ならば成し遂げられると信じて、だとか。
殿下は神に選ばれた方だとか、側近たちが言っているが、王子は無言のままだった。握った手がわずかに震えている。
「殿下、本当に、このままここにいていいんですか?」
貴族様にも働き者はわずかにいた。
メグの知る宰相殿もそのひとりだ。別に働き者だからといって、善人というわけではない。
自分の利を得ることに積極的なだけだ。
そして利益を求める人にとって、働かない人間はあまりにも邪魔である。
「帰国したころには、もうあなたの居場所なんてないのに?」
メグは確定的な言い方をした。
王子を追い詰めるためであるし、そうとしか考えられなかったからでもある。宰相殿がどうして、無駄に大金を持たせて王太子を国外に出したのか。
それによって得するからだ。
「宰相殿はあなたの派閥の働かない貴族を嫌っていましたからね。今頃はきれいに粛清していると思いますよ」
「そ、そんな、馬鹿なことが、あるわけ……」
側近が笑い飛ばすように言ったが、その表情はこわばっている。王子の表情もどんどん青ざめていくのだった。
「王城の支配を得られるなら、六百万くらい大した額じゃありません。充分にお釣りがくる……いえ、安上がりなくらいです。使命感にかられて国を出た王子にせめて金を持たせた、と大義名分もできる」
メグは澄んだスープを見ながら、母国にとっては何が良いのだろうと考えた。
宰相は別に善人ではない。彼が国の支配者となったとしても、利益のため以上の働きはしない。貴族は相変わらず平民を便利に使うだろう。
しかし、一介の平民であるメグにはもう関係のないことだ。
今はただ、平穏を邪魔する目の前のものがいなくなればいいと思っている。
「さあ殿下、急いで国に帰らなくて良いんですか?」
「……」
「今頃、宰相殿は次の王太子を選出してるんじゃないすかね。弟君でしょうか。それとも優秀だと噂の従兄弟の方? 殿下が帰ってこないんだから、しょうがないですよね」
「……メグ!」
「あっ!?」
鬼気迫る顔をした王子が、カウンターに身を乗り出してメグの腕をつかんだ。
「国に帰るぞ!」
「いやっ……」
しかし、抵抗する間もなかった。
「何すんだぁあああごるぁあっ!」
「ぐあっ!?」
迫力ある低音を響かせた客が、王子をぶん殴ったのだ。
衝撃で王子の手は離れ、彼は油の乗った食堂の床に倒れて滑ることになった。
「で、殿下!」
側近たちは彼を助けようとしたが、なんということか、誰も客に立ち向かおうとはしない。令嬢のように四人、まとまってぶるぶる震えているだけだ。
「あ、ありがとう……」
「へっ、大した事じゃねえ。ってか、別にメグちゃんのためじゃねえからな! 鍋をぶち壊しにされてたまるか!」
客の男は照れ臭そうに鼻の頭をかいた。
メグは笑って、新たな食材を取り出した。
「はい! じゃ、今日はおまけでお客さんの好きなシャチ貝も入れちゃいますね!」
おおおお~と歓声が広がる中、王子がよろよろと立ち上がった。
「で、殿下……」
「くそっ…………帰るぞ!」
メグを睨みつけ、王子なりに悩んだようだが、自分の立場を守ることを優先させたようだ。
側近たちを連れ、店を出ていった。すぐに馬のいななく音、馬車の急発進する音がした。
メグは安堵し、調理と客の対応に追われる平穏な日々が戻ってきたのだった。
数日後、母国で新たな王太子が立ったという話を聞いたが、もちろんメグには関係のないことだ。抜け目ない宰相殿が、のこのこ戻ってきた元王太子をまた国外に出すわけもなし。
「無駄にはならな」
「無駄になったんすよ。それで?」
「……」
「こんな無駄はやめて、帰国しようとは思わないんですか?」
「それこそ無駄ではないか!」
「そうだっ、そんなことはありえない!」
「一日ごとに二十万近く無駄になっていくのに? 二十万あれば、平民を四か月は雇えますよねえ」
「お、お前がすぐに帰ればいいだろう!」
「隣国まで私を迎えにいこうとしたのは殿下のご判断ですよ。それとも、誰かに背中を押されたんすかね。いや、尻を蹴られた?」
「ええい、だま」
「黙ってくだせぇねえ~?」
客のひとりが大変丁寧に言うと、王子はてきめんに黙る。とても平和な光景だ。
「この状況で、ほんとに諦めないんすか? 一日二十万」
「こ、これまでにかかった金額からすれば些末だ」
「……そうだっ! 宰相殿が失敗は許されないと言っていた」
「成果を持ち帰れなかったとなれば、それこそ無駄ではないか!」
「いや成果が出てもすでに無駄なんすよ。典型的な損切りできない方々ですねえ」
メグは呟きながら、鍋に食材を放り込んでいく。ぐつぐつと沸く湯の匂い。やはり平和というのは素晴らしい。
「そもそもですよ。その宰相殿って なぜ殿下たちに任せたんだと思いますか?」
「何を……それは、殿下なら可能だからに決まっているだろう!」
「殿下もそう思います?」
すると王子は口を開いて、一瞬止まった。それから当たり前のように言った。
「そうだ。聞いてやる必要もなかったが、お前を追い出したのは俺ということになっているからな。迎えに行ってやるのが責任というものだろう!」
「さすが殿下、素晴らしいお考えです」
「あ、やっぱり、責任取れって言われて追い出されたんすね」
「なっ」
「無礼な!」
この王子に丁寧に「迎えに行ってください」と頼んでも、わかったなどと言う姿は想像もできなかった。貴族とは、自分が動かず人を動かすものなのだ。
それがこうして来たのだから、かなり強く言い聞かされたものと思われる。
それでも王子はとにかく都合よく考える人間なので「自分が引き受けてやった」と言うことでプライドを保っているのだろう。
「それにしても、おかしいと思わなかったんですか?」
丁寧に、するすると水面にヘラを走らせていく。あくが掬い取られて、水面がきらきらと輝いて見える。
「……何がだ」
王子に少し勢いがない。自分が追い出されたことを、もしかすると思い出してくれたのかもしれない。
よく考えるとおかしいな、くらいは気づいてほしいところだ。
「だって殿下は、殿下ですよ」
「なにを、当たり前のことを」
側近がそう言ったが、王子自身は黙った。
「それがたった三人の付き人で」
「なっ、我々は栄誉あるビファリアの」
「国を放り出されるなんて」
「殿下は国のためを思い、このような過酷な任務をお受けになったのだ!」
「ああ、殿下、なんと素晴らしい」
「我々は殿下に仕えられて幸福です……!」
「おかしいですよね?」
「……」
「だって殿下は、王太子様なのに。国外で何かあったらどうするんです?」
「……」
「どうなってもいいと思っていないと、そんなことさせないですよね?」
殿下ならば成し遂げられると信じて、だとか。
殿下は神に選ばれた方だとか、側近たちが言っているが、王子は無言のままだった。握った手がわずかに震えている。
「殿下、本当に、このままここにいていいんですか?」
貴族様にも働き者はわずかにいた。
メグの知る宰相殿もそのひとりだ。別に働き者だからといって、善人というわけではない。
自分の利を得ることに積極的なだけだ。
そして利益を求める人にとって、働かない人間はあまりにも邪魔である。
「帰国したころには、もうあなたの居場所なんてないのに?」
メグは確定的な言い方をした。
王子を追い詰めるためであるし、そうとしか考えられなかったからでもある。宰相殿がどうして、無駄に大金を持たせて王太子を国外に出したのか。
それによって得するからだ。
「宰相殿はあなたの派閥の働かない貴族を嫌っていましたからね。今頃はきれいに粛清していると思いますよ」
「そ、そんな、馬鹿なことが、あるわけ……」
側近が笑い飛ばすように言ったが、その表情はこわばっている。王子の表情もどんどん青ざめていくのだった。
「王城の支配を得られるなら、六百万くらい大した額じゃありません。充分にお釣りがくる……いえ、安上がりなくらいです。使命感にかられて国を出た王子にせめて金を持たせた、と大義名分もできる」
メグは澄んだスープを見ながら、母国にとっては何が良いのだろうと考えた。
宰相は別に善人ではない。彼が国の支配者となったとしても、利益のため以上の働きはしない。貴族は相変わらず平民を便利に使うだろう。
しかし、一介の平民であるメグにはもう関係のないことだ。
今はただ、平穏を邪魔する目の前のものがいなくなればいいと思っている。
「さあ殿下、急いで国に帰らなくて良いんですか?」
「……」
「今頃、宰相殿は次の王太子を選出してるんじゃないすかね。弟君でしょうか。それとも優秀だと噂の従兄弟の方? 殿下が帰ってこないんだから、しょうがないですよね」
「……メグ!」
「あっ!?」
鬼気迫る顔をした王子が、カウンターに身を乗り出してメグの腕をつかんだ。
「国に帰るぞ!」
「いやっ……」
しかし、抵抗する間もなかった。
「何すんだぁあああごるぁあっ!」
「ぐあっ!?」
迫力ある低音を響かせた客が、王子をぶん殴ったのだ。
衝撃で王子の手は離れ、彼は油の乗った食堂の床に倒れて滑ることになった。
「で、殿下!」
側近たちは彼を助けようとしたが、なんということか、誰も客に立ち向かおうとはしない。令嬢のように四人、まとまってぶるぶる震えているだけだ。
「あ、ありがとう……」
「へっ、大した事じゃねえ。ってか、別にメグちゃんのためじゃねえからな! 鍋をぶち壊しにされてたまるか!」
客の男は照れ臭そうに鼻の頭をかいた。
メグは笑って、新たな食材を取り出した。
「はい! じゃ、今日はおまけでお客さんの好きなシャチ貝も入れちゃいますね!」
おおおお~と歓声が広がる中、王子がよろよろと立ち上がった。
「で、殿下……」
「くそっ…………帰るぞ!」
メグを睨みつけ、王子なりに悩んだようだが、自分の立場を守ることを優先させたようだ。
側近たちを連れ、店を出ていった。すぐに馬のいななく音、馬車の急発進する音がした。
メグは安堵し、調理と客の対応に追われる平穏な日々が戻ってきたのだった。
数日後、母国で新たな王太子が立ったという話を聞いたが、もちろんメグには関係のないことだ。抜け目ない宰相殿が、のこのこ戻ってきた元王太子をまた国外に出すわけもなし。
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