14 / 40
馬車の旅は楽しいです。
しおりを挟む
「おばさま! 森が見えます!」
「まあ、リーリエ、ちょっとよけてちょうだい」
「むぎゅっ」
馬車の小さな窓をユーファミアが覗くと、リーリエが潰れてしまった。
「あら、あら!」
「もう、おばさま!」
とはいえユーファミアのむにむにの体はリーリエのお気に入りである。ぎゅうぎゅう抱きついた。
「ふふっ。ごめんなさいね。すごいわねえ、全部緑!」
「ええ、たくさんすぎて……目眩がしそう」
「大丈夫? 速度を緩めましょうか」
「大丈夫です! あの向こう側も早く見てみたい」
「そうねえ」
ユーファミアはにこにことリーリエの頭を撫でた。リーリエは「えへへ」と子供のように笑う。
もともと教会に「聖女らしく」と育てられたとはいえ、それが身につくほども実践していない。牢に入ってそこから開放されたので、どうしても子供らしくなってしまう。
「でも、この速度だと明日かしら」
陽が落ちかけ、夕暮れが近づいている。
馬はのったりのったりと進んでいる。
可能な限り急ぎ、南の果てで民を宥め、祈りを捧げる。それが王に命じられたことだが、いつまでに到着しろなどという期限はない。
この旅の本体は教会だ。そこに王家の護衛がついている。
教会は、聖女が現地に移動する必要などないことを知っている。むしろそのような場所に到着して、リーリエに何かあることを恐れているだろう。急ぐ理由がないのだ。
そもそも司教が乗り、王妃であるユーファミア、多くの護衛がつくとなれば、旅路が早急に進むわけがなかった。
「あ、おばさま! 夕日よ!」
「……ああ、本当」
がたがたと揺れる景色が橙色に変わろうとしている。昨日も見た夕日だが、世界がこれほど色を変えることはない。
ふたりは狭い馬車の中、窓の前にぎゅうぎゅうに詰まってそれを眺めた。
「……教会では、空の色しか見えなくて」
「ええ、そうね」
聖女の安全のためにと、祈りの部屋の窓は小さく、高い位置にあったのだ。牢獄よりもずっと牢獄らしい、使うこともできない高級な家具でできた部屋だった。
「町も橙色になるのですね」
リーリエがつぶやく。
ユーファミアもかつて同じことを思った。
「空と町は、思うよりずっと近いのでしょうね」
表面が橙色になった森は、それでも元の緑をまだ残している。これから闇が迫り、それも失われていくのだろう。
「あら」
ユーファミアは、馬車が速度を緩めていくことに気づいた。
「今日はこのあたりで休憩のようね」
「森に行ってみたいわ」
「どうかしら……」
最後にがたりがたりと大きめの揺れを起こして、馬車が止まった。
「ふう」
ユーファミアは息を吐く。旅は楽しいものであるが、やはりずっと揺らされているのはつらい。
ましてやユーファミアの体は重い。
「おばさま、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫ですわ。リーリエは大丈夫ですの?」
重すぎるユーファミアと逆に、リーリエはとても痩せている。馬車の座面には柔らかなクッションが置かれているが、それでも心配になる体だった。
道の悪い場所など枯れ木のように飛んでいきそうで、ユーファミアはたまらず彼女を膝に乗せた。それはそれで楽しかったが、リーリエの軽さを痛感することになった。
「私は大丈夫です! お尻はちょっと痛いですけど」
「だといいのだけれど。まだ旅路は続くのだし、ひどくなったら言ってちょうだいね」
外が騒がしくなり、護衛が声をかけてきた。
「王妃殿下、本日はこのあたりで野営となります。準備をいたしますので、このままお待ちください」
「ええ、わかりましたわ」
リーリエもそうだが、ユーファミアもろくに外に出たことがない。危険があるのだと言われれば、護衛を押しのけて外に出る気はない。
止まった外の景色を見ながらリーリエが言う。
「あの森には恐ろしい獣がいるのかしら」
「それはいるのじゃないかしら。なんといっても、森ですもの」
「そうですよね、森だもの」
教会で育った二人にとって、町や村でさえよくわからない。森となるともう、全く得体のしれないものだ。
「木が沢山あるのですよね」
「ええ。木が沢山あって、人が入れなくなっているのでしょうね」
「動物たちの世界……」
リーリエはうっとりと、あの小さな客人がたくさんいるところを想像した。かわいい。
「……申し訳ありません、王妃殿下、司教がこちらに見えております」
「まあ。何かしら」
「リーリエ様にお会いしたいと」
予想通りの言葉にユーファミアは苦笑した。
指名されたリーリエは身を固くする。司教と直接会ったことは数度だが、侍女や司祭の上にいる人間だとはわかっている。いい印象であるはずがなかった。
「今は無理ですわ。馬車でくつろいでおりますもの。殿方にお会いできる状態ではありません」
「では、ここからで構いませんので、お話を……」
重みを感じる声は、どうやら司教本人のものだ。ユーファミアは少し驚いたが、穏やかに、軽く言葉を返した。
「まあ。司教様にそんな失礼なことはできません。落ち着きましたら、こちらからお伺いしますわ」
「いいえ、ぜひとも、今」
落ち着いたら、がいつになるのかわからない。実際、司教は昨日も同じ言葉を受け取っていた。
司教は焦っている。
果ての地は混乱を極めている。聖女を向かわせるような場所ではないのだ。なんとしてでも到着前に祈りを捧げ、せめて消失の速度を緩めて事態を落ち着かせたかった。
「お急ぎのお話ですの? 難しい話でしたら、陛下にご連絡なさったほうが良いのではないかしら」
「リーリエ様に申し上げたいのです」
「……その場でよろしいのね? 少しでよければお伺いします」
「感謝します。リーリエ様、南の果ての消失はとどまるところを知らず……」
ユーファミアはリーリエの隣によいせと移動し、リーリエの頭をしっかりと抱き込んだ。むにっとした腕に耳をふさがれた形になったリーリエには、馬車ごしの声など聞こえない。
聞いたところで従いはしなかっただろう。
皆のために祈れと、いつもの言葉だ。
「まあ、リーリエ、ちょっとよけてちょうだい」
「むぎゅっ」
馬車の小さな窓をユーファミアが覗くと、リーリエが潰れてしまった。
「あら、あら!」
「もう、おばさま!」
とはいえユーファミアのむにむにの体はリーリエのお気に入りである。ぎゅうぎゅう抱きついた。
「ふふっ。ごめんなさいね。すごいわねえ、全部緑!」
「ええ、たくさんすぎて……目眩がしそう」
「大丈夫? 速度を緩めましょうか」
「大丈夫です! あの向こう側も早く見てみたい」
「そうねえ」
ユーファミアはにこにことリーリエの頭を撫でた。リーリエは「えへへ」と子供のように笑う。
もともと教会に「聖女らしく」と育てられたとはいえ、それが身につくほども実践していない。牢に入ってそこから開放されたので、どうしても子供らしくなってしまう。
「でも、この速度だと明日かしら」
陽が落ちかけ、夕暮れが近づいている。
馬はのったりのったりと進んでいる。
可能な限り急ぎ、南の果てで民を宥め、祈りを捧げる。それが王に命じられたことだが、いつまでに到着しろなどという期限はない。
この旅の本体は教会だ。そこに王家の護衛がついている。
教会は、聖女が現地に移動する必要などないことを知っている。むしろそのような場所に到着して、リーリエに何かあることを恐れているだろう。急ぐ理由がないのだ。
そもそも司教が乗り、王妃であるユーファミア、多くの護衛がつくとなれば、旅路が早急に進むわけがなかった。
「あ、おばさま! 夕日よ!」
「……ああ、本当」
がたがたと揺れる景色が橙色に変わろうとしている。昨日も見た夕日だが、世界がこれほど色を変えることはない。
ふたりは狭い馬車の中、窓の前にぎゅうぎゅうに詰まってそれを眺めた。
「……教会では、空の色しか見えなくて」
「ええ、そうね」
聖女の安全のためにと、祈りの部屋の窓は小さく、高い位置にあったのだ。牢獄よりもずっと牢獄らしい、使うこともできない高級な家具でできた部屋だった。
「町も橙色になるのですね」
リーリエがつぶやく。
ユーファミアもかつて同じことを思った。
「空と町は、思うよりずっと近いのでしょうね」
表面が橙色になった森は、それでも元の緑をまだ残している。これから闇が迫り、それも失われていくのだろう。
「あら」
ユーファミアは、馬車が速度を緩めていくことに気づいた。
「今日はこのあたりで休憩のようね」
「森に行ってみたいわ」
「どうかしら……」
最後にがたりがたりと大きめの揺れを起こして、馬車が止まった。
「ふう」
ユーファミアは息を吐く。旅は楽しいものであるが、やはりずっと揺らされているのはつらい。
ましてやユーファミアの体は重い。
「おばさま、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫ですわ。リーリエは大丈夫ですの?」
重すぎるユーファミアと逆に、リーリエはとても痩せている。馬車の座面には柔らかなクッションが置かれているが、それでも心配になる体だった。
道の悪い場所など枯れ木のように飛んでいきそうで、ユーファミアはたまらず彼女を膝に乗せた。それはそれで楽しかったが、リーリエの軽さを痛感することになった。
「私は大丈夫です! お尻はちょっと痛いですけど」
「だといいのだけれど。まだ旅路は続くのだし、ひどくなったら言ってちょうだいね」
外が騒がしくなり、護衛が声をかけてきた。
「王妃殿下、本日はこのあたりで野営となります。準備をいたしますので、このままお待ちください」
「ええ、わかりましたわ」
リーリエもそうだが、ユーファミアもろくに外に出たことがない。危険があるのだと言われれば、護衛を押しのけて外に出る気はない。
止まった外の景色を見ながらリーリエが言う。
「あの森には恐ろしい獣がいるのかしら」
「それはいるのじゃないかしら。なんといっても、森ですもの」
「そうですよね、森だもの」
教会で育った二人にとって、町や村でさえよくわからない。森となるともう、全く得体のしれないものだ。
「木が沢山あるのですよね」
「ええ。木が沢山あって、人が入れなくなっているのでしょうね」
「動物たちの世界……」
リーリエはうっとりと、あの小さな客人がたくさんいるところを想像した。かわいい。
「……申し訳ありません、王妃殿下、司教がこちらに見えております」
「まあ。何かしら」
「リーリエ様にお会いしたいと」
予想通りの言葉にユーファミアは苦笑した。
指名されたリーリエは身を固くする。司教と直接会ったことは数度だが、侍女や司祭の上にいる人間だとはわかっている。いい印象であるはずがなかった。
「今は無理ですわ。馬車でくつろいでおりますもの。殿方にお会いできる状態ではありません」
「では、ここからで構いませんので、お話を……」
重みを感じる声は、どうやら司教本人のものだ。ユーファミアは少し驚いたが、穏やかに、軽く言葉を返した。
「まあ。司教様にそんな失礼なことはできません。落ち着きましたら、こちらからお伺いしますわ」
「いいえ、ぜひとも、今」
落ち着いたら、がいつになるのかわからない。実際、司教は昨日も同じ言葉を受け取っていた。
司教は焦っている。
果ての地は混乱を極めている。聖女を向かわせるような場所ではないのだ。なんとしてでも到着前に祈りを捧げ、せめて消失の速度を緩めて事態を落ち着かせたかった。
「お急ぎのお話ですの? 難しい話でしたら、陛下にご連絡なさったほうが良いのではないかしら」
「リーリエ様に申し上げたいのです」
「……その場でよろしいのね? 少しでよければお伺いします」
「感謝します。リーリエ様、南の果ての消失はとどまるところを知らず……」
ユーファミアはリーリエの隣によいせと移動し、リーリエの頭をしっかりと抱き込んだ。むにっとした腕に耳をふさがれた形になったリーリエには、馬車ごしの声など聞こえない。
聞いたところで従いはしなかっただろう。
皆のために祈れと、いつもの言葉だ。
813
あなたにおすすめの小説
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
醜貌の聖女と呼ばれ、婚約破棄されましたが、実は本物の聖女でした
きまま
恋愛
王国の夜会で、第一王子のレオンハルトから婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリエル・アルヴァリア。
顔を銀の仮面で隠していることから『醜貌の聖女』と嘲られ、不要と切り捨てられた彼女は、そのまま王城を追われることになる。
しかし、その後に待ち受ける国の運命は滅亡へと向かっていた——
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
聖女の妹、『灰色女』の私
ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。
『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。
一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる