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偽聖女の困惑
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「おい、退け!」
「邪魔だ! 轢き殺されたいのか!」
「バカヤロー!」
「この野郎!」
喧騒とともに馬が、馬車が、人々が通り過ぎていく。
東の果てに近づくにつれ、逃げ出す民が増えているのだ。
「ここもそうなのね」
リーリエの呟きにマイラが眉をひそめた。
「……南も、こんなだったの?」
「ええ、こんなふうに騒がしかったのは、旅の終わりの少し前」
「そう……」
では急がなければ。マイラは焦りを隠して、助けを求めるように空を見上げた。どんよりと曇っている。
「雨が降りそう」
「本当?」
リーリエがどこか嬉しそうに聞き返す、マイラは苦笑した。彼女の能天気さはマイラには理解できない。牢に入れられて喜んでいたような女だ。
しかし理解しなければならない。
「ええ。……雨が降ると、大変よ。道がぬかるんで馬車が進まなくなってしまうから」
「あっ! 後ろから押すのね!」
「……最悪は、そうなると思うわ」
早く降ればいいのにとばかりに、リーリエは空を見上げて、足をはたはたと動かしている。
リーリエの質は極めて単純だ。けれどマイラが当然と思うことを知らず、理解できない考え方をする。
育ちが違うとはこういうことなのだろう。
(リーリエよりは、貴族の方がまだわかる……)
マイラは貧しい平民として育ったが、リーリエのことは理解できない。あまりに知識量に差がありすぎるのだ。
しかし理解しなければいけない。
そしてリーリエに、理解させなければならない。もう目的地は近づいている。
「雨が、降らないと、小麦が育たないものね」
「え? そうね、それはいけないわ」
「もっとも消失してしまったら、何もかも無駄よ。畑も、空もなくなってしまう」
「大陸にはあるんじゃないの?」
リーリエの不思議そうな言葉に、マイラは苛ついてきた。どうしてこの危機を理解してくれないのか。
国が消えてしまうのだ。
冗談ではないのだ。
マイラ自身が引き起こしたことだった。この国で平民が高みに昇る方法は、聖女になり、王妃になるくらいしかない。
どうせ聖女など大したことをしているわけでもない。聖女見習いも、意味もなくただ祈り続けているだけなのだから。
万が一、困ったことが起こったら、聖女を引退して元の聖女に戻せばいいのだ。王子との関係はよく知られている。そのせいで聖女の力を失ったとすれば、王子も責任を取らねばならない。
何もかも都合のいい考えだった。
(こんなことになるとは思わなかった)
世界が消失する?
なにそれ、というのがマイラの本音だ。知ったことではない。だが、そんなわけにもいかない。いつだって、思い通りにいかない世界だ。
「大陸にはあるけれど、リーリエ、この国の民は、その大陸から逃げてきたのよ」
「どうして」
「……それはわからないけど」
人が国を失うというのがどういうことか、マイラにもわからない。わからないが、笑っていられないことはわかる。
そんな状態に投げ出されてしまうのだ。
その危機をどうしてリーリエが理解しないのか、マイラには理解できない。
たとえばあの愚かな王子なら「自分だけは助かる」と思っている。だから、賢君として民を助けてくださいと言えば、それなりにその気になるだろう。
しかしリーリエは、そもそも、国の消失が危機であると理解しないのだ。
(教会で大事に育てられてきたから?)
リーリエは教会を嫌がっている。恐ろしがっている。
聖女は教会に囲われた存在だ。それも幼い頃からというのだから、まともな扱いになるわけがないのはわかる。表向きはどうあれ、大人が子供に心から従うわけがない。
それでも、明日も知れない貧しい暮らしよりずっとマシだろう。
マイラはそう思う。
「もう戻れないの。この国を守らなきゃ」
リーリエはあまり興味がなさそうに、また空を見上げた。
「……私が育った町は、狭くて、汚くて、騒がしかった」
「人がたくさんいたの?」
マイラが故郷の話をすれば、リーリエは興味深そうに目を輝かせる。
「ええ。たくさん。……外から来ると危険な場所でも、長く住んでるとそうでもなくて、私達にとってはどこより安全だった」
「人がたくさんいるから?」
「知っている人が、たくさんいるから」
「知ってる人がたくさんいると、安全なの?」
「……そう。助け合って生きてたから。顔見知りが多いっていうのは、貧しい地区で暮らすために重要なことよ」
話しながらマイラは焦りを感じている。
こんな話をしても、一向にリーリエの気を引くことはできない。わかっているが、マイラにはリーリエがわからなかった。
どう言えばこの国を救う気になってくれるのだろう。
これだけ親しくなった。あまりに簡単なので、拍子抜けしたほどだった。
なのに、これだけ仲良くなったというのに、リーリエはマイラをちっとも助けようとしてくれない。
「たくさん、思い出のある場所なの。外に出ればみんなが声をかけてきたし、歌いながら洗濯をしたり、そう、小さな頃は狭い道でかくれんぼをしてた」
「かくれんぼ! 私もしてみたいわ」
リーリエが嬉しそうに言う。
マイラはちらりと窓の外を見る。
人々は次々に町から出ていき、ふたりの馬車はからっぽの町を目指している。時間がなかった。
「……小さな頃からそうやって遊んでいたから、どこに何があるか、今でもすぐに思い出せるの。崩れそうで崩れない家も、外の人間には絶対見つけられない隠れ場所も、母さんが教えてくれたとっておきのきれいな景色も。……だから」
リーリエは楽しそうに目を細めて聞いている。がたがたと揺れる馬車の中、優しげな面差しの少女が、マイラは恐ろしくなってきた。
理解出来ないものだ。
「だから絶対に、守らなきゃ……」
「きっとマイラ様ならできます!」
近かった距離が遠ざかり、リーリエは瞳に「尊敬しています」と描きながら言った。
(そうじゃないわ)
そうじゃない。
私にできることがあるなら、と、マイラを手伝いたいと、そう言ってくれるはずだった。どうして尊敬されているのだろう。まずそこからわからない。
マイラはリーリエに、なんの凄いところも見せていない。
「で、でも……私にできるかどうか心配なの」
「大丈夫!」
リーリエは何ひとつ悪意のない瞳で言って、マイラの手をぎゅっと両手で握った。
「マイラ様なら、」
「……ねえリーリエ、様はやめてくれない? 私はそんな……すごい人じゃないの」
「すごい人よ」
なぜうっとりと目を細めて見つめてくるのか、全く理解できない。
「どうして? 私は何も……リーリエの前ではしてないのに」
「でも、聖女になってくれた。こんなこと、できる人はいないわ!」
「リーリエだって」
「私は無理。できないわ。やりたくないの。私は二度と祈りたくないの」
「……」
決意のこもった瞳にマイラは動揺する。
どうしたってリーリエに祈らせなければならなかった。そうしなければ、本当にこの国は滅ぶかもしれない。
いや、滅ぶのだ。
きっと滅ぶ。
「だからマイラのことは尊敬してる。すごいことよ。それにおばさまも……聖女になる方は、やっぱりすごい人ばかりなのね。私は……何かの間違いだったんだわ」
「でも……リーリエは、神の光をたくさん得られたって」
「そうだけど、もうやりたくないの」
「……」
「きっと聖女って、そういうことじゃないんだわ」
どういうことなのだろう。
「祈りが届けば、それでいいんじゃないかしら……」
「うん、でも、祈りたくないの。だから」
「祈れば、それで、国は……」
「でも祈りたくないの」
「……」
「マイラはすごいわ」
「そ……んな、私も、心配でならないの。本当に消失を止められるのか」
「大丈夫! マイラならできるわ」
「そうとも限らないじゃない? 私はリーリエほど神の光を得られないし……」
リーリエほど、どころか神の光を得たことがない。教会で祈り、聖女候補として取り立てられたのだから、見どころがないわけではないのだろう。
だが、自分の力で消失は止められないとわかっていた。
「祈れば届きます」
あまりにもきっぱりと言われて、マイラは顔をしかめるところだった。簡単に言うそれが、マイラにはできない。
「……心配で……、どうにかなってしまいそうなの。リーリエ、私を助けてくれる……?」
胸に手をあてて、苦しげな声を出しながら聞いた。
じっと見つめる。リーリエが男であれば、と一瞬だけ思った。マイラが本気で落とそうとして、落とせなかった男はいない。
マイラには、相手の言って欲しいことがわかるのだ。
特別な才能とは言えない。ただじっと観察すればわかる、そして、告げることにためらわない、それだけのことだった。
それだけのことが他の者には難しいらしい。
言われたいことを言ってやれば、それだけで相手はマイラを信用し、大事に思うようになる。なんて簡単なのだろう。
(なのに)
リーリエにそれは通じない。
だってリーリエの言われたいことはただひとつだ。
『あなたは祈らなくていい』
マイラはリーリエに、それだけは告げるわけにはいかないのだ。
「邪魔だ! 轢き殺されたいのか!」
「バカヤロー!」
「この野郎!」
喧騒とともに馬が、馬車が、人々が通り過ぎていく。
東の果てに近づくにつれ、逃げ出す民が増えているのだ。
「ここもそうなのね」
リーリエの呟きにマイラが眉をひそめた。
「……南も、こんなだったの?」
「ええ、こんなふうに騒がしかったのは、旅の終わりの少し前」
「そう……」
では急がなければ。マイラは焦りを隠して、助けを求めるように空を見上げた。どんよりと曇っている。
「雨が降りそう」
「本当?」
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しかし理解しなければならない。
「ええ。……雨が降ると、大変よ。道がぬかるんで馬車が進まなくなってしまうから」
「あっ! 後ろから押すのね!」
「……最悪は、そうなると思うわ」
早く降ればいいのにとばかりに、リーリエは空を見上げて、足をはたはたと動かしている。
リーリエの質は極めて単純だ。けれどマイラが当然と思うことを知らず、理解できない考え方をする。
育ちが違うとはこういうことなのだろう。
(リーリエよりは、貴族の方がまだわかる……)
マイラは貧しい平民として育ったが、リーリエのことは理解できない。あまりに知識量に差がありすぎるのだ。
しかし理解しなければいけない。
そしてリーリエに、理解させなければならない。もう目的地は近づいている。
「雨が、降らないと、小麦が育たないものね」
「え? そうね、それはいけないわ」
「もっとも消失してしまったら、何もかも無駄よ。畑も、空もなくなってしまう」
「大陸にはあるんじゃないの?」
リーリエの不思議そうな言葉に、マイラは苛ついてきた。どうしてこの危機を理解してくれないのか。
国が消えてしまうのだ。
冗談ではないのだ。
マイラ自身が引き起こしたことだった。この国で平民が高みに昇る方法は、聖女になり、王妃になるくらいしかない。
どうせ聖女など大したことをしているわけでもない。聖女見習いも、意味もなくただ祈り続けているだけなのだから。
万が一、困ったことが起こったら、聖女を引退して元の聖女に戻せばいいのだ。王子との関係はよく知られている。そのせいで聖女の力を失ったとすれば、王子も責任を取らねばならない。
何もかも都合のいい考えだった。
(こんなことになるとは思わなかった)
世界が消失する?
なにそれ、というのがマイラの本音だ。知ったことではない。だが、そんなわけにもいかない。いつだって、思い通りにいかない世界だ。
「大陸にはあるけれど、リーリエ、この国の民は、その大陸から逃げてきたのよ」
「どうして」
「……それはわからないけど」
人が国を失うというのがどういうことか、マイラにもわからない。わからないが、笑っていられないことはわかる。
そんな状態に投げ出されてしまうのだ。
その危機をどうしてリーリエが理解しないのか、マイラには理解できない。
たとえばあの愚かな王子なら「自分だけは助かる」と思っている。だから、賢君として民を助けてくださいと言えば、それなりにその気になるだろう。
しかしリーリエは、そもそも、国の消失が危機であると理解しないのだ。
(教会で大事に育てられてきたから?)
リーリエは教会を嫌がっている。恐ろしがっている。
聖女は教会に囲われた存在だ。それも幼い頃からというのだから、まともな扱いになるわけがないのはわかる。表向きはどうあれ、大人が子供に心から従うわけがない。
それでも、明日も知れない貧しい暮らしよりずっとマシだろう。
マイラはそう思う。
「もう戻れないの。この国を守らなきゃ」
リーリエはあまり興味がなさそうに、また空を見上げた。
「……私が育った町は、狭くて、汚くて、騒がしかった」
「人がたくさんいたの?」
マイラが故郷の話をすれば、リーリエは興味深そうに目を輝かせる。
「ええ。たくさん。……外から来ると危険な場所でも、長く住んでるとそうでもなくて、私達にとってはどこより安全だった」
「人がたくさんいるから?」
「知っている人が、たくさんいるから」
「知ってる人がたくさんいると、安全なの?」
「……そう。助け合って生きてたから。顔見知りが多いっていうのは、貧しい地区で暮らすために重要なことよ」
話しながらマイラは焦りを感じている。
こんな話をしても、一向にリーリエの気を引くことはできない。わかっているが、マイラにはリーリエがわからなかった。
どう言えばこの国を救う気になってくれるのだろう。
これだけ親しくなった。あまりに簡単なので、拍子抜けしたほどだった。
なのに、これだけ仲良くなったというのに、リーリエはマイラをちっとも助けようとしてくれない。
「たくさん、思い出のある場所なの。外に出ればみんなが声をかけてきたし、歌いながら洗濯をしたり、そう、小さな頃は狭い道でかくれんぼをしてた」
「かくれんぼ! 私もしてみたいわ」
リーリエが嬉しそうに言う。
マイラはちらりと窓の外を見る。
人々は次々に町から出ていき、ふたりの馬車はからっぽの町を目指している。時間がなかった。
「……小さな頃からそうやって遊んでいたから、どこに何があるか、今でもすぐに思い出せるの。崩れそうで崩れない家も、外の人間には絶対見つけられない隠れ場所も、母さんが教えてくれたとっておきのきれいな景色も。……だから」
リーリエは楽しそうに目を細めて聞いている。がたがたと揺れる馬車の中、優しげな面差しの少女が、マイラは恐ろしくなってきた。
理解出来ないものだ。
「だから絶対に、守らなきゃ……」
「きっとマイラ様ならできます!」
近かった距離が遠ざかり、リーリエは瞳に「尊敬しています」と描きながら言った。
(そうじゃないわ)
そうじゃない。
私にできることがあるなら、と、マイラを手伝いたいと、そう言ってくれるはずだった。どうして尊敬されているのだろう。まずそこからわからない。
マイラはリーリエに、なんの凄いところも見せていない。
「で、でも……私にできるかどうか心配なの」
「大丈夫!」
リーリエは何ひとつ悪意のない瞳で言って、マイラの手をぎゅっと両手で握った。
「マイラ様なら、」
「……ねえリーリエ、様はやめてくれない? 私はそんな……すごい人じゃないの」
「すごい人よ」
なぜうっとりと目を細めて見つめてくるのか、全く理解できない。
「どうして? 私は何も……リーリエの前ではしてないのに」
「でも、聖女になってくれた。こんなこと、できる人はいないわ!」
「リーリエだって」
「私は無理。できないわ。やりたくないの。私は二度と祈りたくないの」
「……」
決意のこもった瞳にマイラは動揺する。
どうしたってリーリエに祈らせなければならなかった。そうしなければ、本当にこの国は滅ぶかもしれない。
いや、滅ぶのだ。
きっと滅ぶ。
「だからマイラのことは尊敬してる。すごいことよ。それにおばさまも……聖女になる方は、やっぱりすごい人ばかりなのね。私は……何かの間違いだったんだわ」
「でも……リーリエは、神の光をたくさん得られたって」
「そうだけど、もうやりたくないの」
「……」
「きっと聖女って、そういうことじゃないんだわ」
どういうことなのだろう。
「祈りが届けば、それでいいんじゃないかしら……」
「うん、でも、祈りたくないの。だから」
「祈れば、それで、国は……」
「でも祈りたくないの」
「……」
「マイラはすごいわ」
「そ……んな、私も、心配でならないの。本当に消失を止められるのか」
「大丈夫! マイラならできるわ」
「そうとも限らないじゃない? 私はリーリエほど神の光を得られないし……」
リーリエほど、どころか神の光を得たことがない。教会で祈り、聖女候補として取り立てられたのだから、見どころがないわけではないのだろう。
だが、自分の力で消失は止められないとわかっていた。
「祈れば届きます」
あまりにもきっぱりと言われて、マイラは顔をしかめるところだった。簡単に言うそれが、マイラにはできない。
「……心配で……、どうにかなってしまいそうなの。リーリエ、私を助けてくれる……?」
胸に手をあてて、苦しげな声を出しながら聞いた。
じっと見つめる。リーリエが男であれば、と一瞬だけ思った。マイラが本気で落とそうとして、落とせなかった男はいない。
マイラには、相手の言って欲しいことがわかるのだ。
特別な才能とは言えない。ただじっと観察すればわかる、そして、告げることにためらわない、それだけのことだった。
それだけのことが他の者には難しいらしい。
言われたいことを言ってやれば、それだけで相手はマイラを信用し、大事に思うようになる。なんて簡単なのだろう。
(なのに)
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