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婚約破棄
しおりを挟む「なぁなぁエレナ。」
「何ですかロラン様。」
「昔から思ってたけどさ、お前の顔タイプじゃないんだよね。胸は結構あるから妥協範囲内だけど、どうしても顔が無理。だから、婚約破棄をしてくれ。」
王子であるというのに、貧乏揺すりをしながら椅子に乗って私とお茶を介して話すロラン王子。昔からロラン王子はちやほやされて育ってきたせいか、貧乏揺すりをしても注意する人は誰一人居らず、注意しようものならロラン王子に侮辱罪と言われ、終身刑を言い渡される。これは、他のことにおいても同じだ。私という婚約者が居るというのに他の女を抱いたり、他の人の物を奪ったりする。拒否されたら直ぐに「侮辱罪に当たるぞ」と言って、相手を脅す。そうすれば、相手は承認するしかない。
そんなことを続けている彼は、皆から嫌われていた。
無論、婚約者でありながら聖女である私からもだ。
聖女には特別などんな病も治す力があり、聖女がいると災害が起きずらいと昔から言われており、聖女=国の柱だ。
そんな私は、ロラン様の一応婚約者なので、聖女という権力を使って、彼が嫌われたとしても、失望されないように後ろから「どうか失望しないで下さい。」と頭を下げていた。
でも、彼はそんなことを知らずに私との婚約を破棄するようだ。
今までの横暴な振る舞いが出来たのは、私という婚約者が居たからなのに。
私自身、彼との婚約は私を聖女にしてくれた彼のお父様である王様からのお願いでしたことなので、彼との婚約なんて破棄してやってもいい。
それに、これからは必死に頭を下げるようなことなんてしなくていいのだ。逆に、こちらこそ破棄して下さいと言いたい。
今まで私のことを一度も褒めたりしてくれなかったり、私に対して一度も微笑んだことのない彼に私はにっこりと笑って。
「えぇ。喜んで婚約破棄をして差し上げます。」
私は彼と一緒に居る中で浮かべた一番の笑みを浮かべて、彼を置いて部屋を出た。
自然と溢れ出てくる笑みを抑えることが出来たか、心配だ。
彼のこれからのことを考えると、笑みが止まらない。
私は、一人美味しく紅茶を飲んだ。
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