186 / 207
ヒトのキョウカイ7巻(シャロンの扉)
08 (勝利の陰にある屍)
しおりを挟む
「こちらトヨカズ、カズナ…配置についた。」
トヨカズが無線で一言連絡を入れる…。
「そげき、まかせて…。」
オレが砂山を盾にしてM4カービンを構える…。
カズナは双眼鏡で敵拠点の監視をしている。
DLが警備に出ているが、見る限り敵はまだ気づいていない…。
「きょり、500…やれる?」
「多分この距離じゃ気絶はするだろうが 殺せない…。」
敵兵は ボディアーマーは着ていないが パイロットスーツを着ていて フルフェイスヘルメットをしている。
この距離だと5.56mmだと殺すのに3発は掛かるか?
トヨカズはスコープから目を離し、バックパックを開き、円柱のケースを取り出し、蓋を開けて、手のひらサイズのドローン6機を放つ…。
ARウィンドウを開き…映像データが送られてくる…。
このドローンは 外装がセムテックスで構成されていて、爆発する事でDL位なら小破させられる…。
更に ドローンの観測情報から敵の位置を3次元座標で割り出す事で、狙撃の精度が各段に良くなる。
弱点はプロペラ音が それなりに大きく、隠密性には向かない事だ…。
故に遠方からの観測が基本になる。
「さて、ナオ達は成功するかな…。」
うわ際ど…。
オレとレンのすぐ隣を兵士が通りすぎる。
これで5回目だ…。
予想以上にキツイ…何だよこのスニーキングミッション…。
敵兵士のパイロットスーツは バイタルサインと位置情報を常にコントロールルームに送っているので、気絶や殺しをすれば 位置がばれてしまい…大量の兵がやって来て、すぐに包囲殲滅されるだろう…。
なのでオレ達は コントロールルームを目指している…。
トヨカズ達が、1週間かけて事前調査をしたお陰で敵の位置、行動はすべて把握されている。
人なら ルーチンを組んでも 僅《わず》かな誤差が出るのだろうが 今回のNPCは秒単位で同じだ…。
オレ達はゆっくりと確実に進んでいく…。
目の前には分厚いドアがある…この奥がコントロールルームだ。
オレは サプレッサーを付けたウジプロを構え、レンは粘土を取り出し、小さくちぎって扉の蝶番と錠前に最小限の粘土をセットし、信管を丁寧に挿す…。
セムテックス爆弾だ…。
「こちら、レン、ナオチーム…設置完了。」
レンがボソッと最小限の声でトヨカズ達に通信する。
「よーし、2分で制圧しろ…それ以上掛かるなら撤退だ。」
「分かった…カウント3…2…1…GO!!」
扉の固定が外れ オレが蹴り飛ばしてフラッシュバンを投げ入れ 壁に隠れる…。
辺りに閃光と爆音が走り 一時的に敵の目と耳を無力化する…。
オレは ウジプロを腰で構えて突入…中には3人…ヘルメットのバイザーに正確に3発ずつ撃つ…。
1発目でバイザーに蜘蛛の巣状のヒビが入り、2発目でバイザーを貫く…。
2発目と3発目の銃弾が目から進入し、防弾仕様のヘルメットの内側に当たって銃弾が跳ね返り、頭の中を滅茶苦茶にしていく…。
「クリア!」
オレが敵を片付け、レンが入ってくる…。
レンがUSBメモリを機材に差し込み、防壁破りをロード…。
敵のネットワークを掌握する。
「掌握完了…。」
『そんじゃ行くぜ…。』
トヨカズの声と共に、オレはガラス窓を見る…。
ガラス窓の向こう側はDLの格納庫が見え、パイロットは交代の時間で全機がコックピットブロックが開いていた状態で座っている。
6機は降りる為…もう6機は乗り込む為だ。
小さな爆発が聞こえ、倉庫内の電気が供給が止まり照明が落ちる…。
予め仕掛けて置いた送電線の破壊だ…。
予備の自家発電に切り替えるだろうが それで十分だ。
「ふっ…!」
オレがシャベルを思いっきりガラスに叩き付け、ブチ破ろうとするが、強化ガラスの為 ヒビが入るが抜けない…。
抜けないと見たレンは セムテックスの粘土を強化ガラスにくっつけ始める…。
それを見たオレはすぐさま部屋を出て、壁を盾にする。
レンが信管を挿し、部屋を出て起爆!
爆音と共にガラスに大きな穴が空き、倉庫内では爆発音のせいで警戒態勢に変わろうとしている…。
2人は割れたガラス窓から飛び降りる…。
チッ…敵に気づかれた!
オレが空中で丸まり、着地と当時に転がり 即座に構える…。
今回は精密射撃の為、両手でウジプロをしっかりと構え ダットサイトを覗き込む…。
狙うはコクピットブロックから降りようとしていたパイロット…。
一番近いパイロットの腹部を狙い発砲…銃弾が腹部に当たりパイロットが倒れる…気絶…。
レンは 交代の為コックピットブロックを開いて待機していたパイロットを撃つ…。
コックピットブロックを開いて待機するのは、DLのコクピットが非常に狭く長時間の待機は非常にストレスを感じるからだ…。
オレは撃ったパイロットが乗った駐機姿勢の黒鋼の装甲に足をかけて、最短で上って行く…。
レンはDLに乗らず、オレの奪取した黒鋼の下で起動までの時間をMP7を使って稼いでいる…。
コックピットからパイロットのポケットを漁り、鍵を見つけてパイロットをコックピットブロックから 2メートル下に捨てて、キーを差し込んで回し、電源を起動…即座にハッチを閉鎖…。
座席がスライドし、コックピットブロックの装甲内に収納され 閉鎖完了…最短で機体を立ち上げて行く…。
ダイレクトリンクシステムOFF、完全マニュアル操作で起動…映像は無線を通じてARで流す…。
オレがARウィンドウを開き、カメラの映像を映す…。
ダイレクトリンクシステム時と違い視界が制限されるが仕方ない…。
オレのダイレクトリンクシステム用の個人データはあるが、暢気にインストールしていたら時間が掛かる…。
警告…倉庫にいたライフル兵の発砲…立ち上げ中の為、回避が出来ず当たるが、DLの装甲にライフル弾は ほぼ効かない…。
モニタには コックピットブロックを閉鎖していない搭乗中のパイロットにMP7で撃ち込んでいくレンが映し出されている…乗り込まないのは、レンでは立ち上げに時間が掛かるからだ…。
よし…起動…。
スティック操作を機体が受け付けるようになり、敵味方識別装置をOFFにして即座に歩兵に発砲…。
拳銃弾程度なら防げる パイロットスーツでも、20mm機関砲には到底 耐えられない…。
歩兵の胴体が吹き飛び、上半身と下半身に分裂して機体が『心的外傷後ストレス障害』対策の為、死体が黄色で塗りつぶされる…。
レンの乗り込むDLを味方機に設定して輪郭が味方の青で縁取られ、敵歩兵が敵味方が設定されていない黄色で塗りつぶされている…とりあえずコレで識別は出来る…トヨカズとカズナには注意しないと行けないが…。
「つぎ、3じ」
カズナが的確に優先順位を決めてオレが狙撃して行く…。
狙うは腹部…殺すなら頭を狙うべきだろうが、気絶させるならコレで十分だ。
「カズナ…DLが出て来たら、秒で殺られる…。
見逃すなよ…。」
「わかってる…。」
3…4…5……6人無力化…。
『ナオからトヨカズへ…DLの起動に成功…レンは立ち上げ中…今動いた。』
倉庫の内部からDLの発砲音がしている…敵歩兵を潰しているのか…。
『敵DLが起動…1機そっちに向かった…。』
「分かった…カズナ…。」
「だいじょうぶ…みつけてる」
オレとカズナは 砂山の狙撃ポイントから退避し、こちらに向かって走って来るDLの脚に向かってカズナが操るドローンの『ゴリアテ』を突っ込ませ、爆発させる。
脚の装甲が爆破され、人工筋肉や内部のいくつかのパーツにダメージを与えている…多分ダメージレッド…。
走っていた状態から脚にダメージを受け、DLが盛大に頭から地面に突っ込み滑走する…。
残る4機のゴリアテが オレの元に戻り、カズナがハンビーを持って来て オレが乗り込む…。
「よーし、10万DMもするゴリアテを潰したんだ…成功しろよ…。」
オレは そうナオに無線で伝えた。
起動したての敵DLが駐機姿勢から立ち上がるのを待ち、こちらに銃を向けた瞬間に腹部を撃ち抜く…駐機姿勢状態だと弱点の腹部が足で隠れて弾が通らないからだ…。
腹部を撃ち抜かれた敵DLは 機体のバランスが維持出来ずに転倒し 停止した…。
現在、オレとレンの2機+パイロットを射殺した2機、さっき起動した1機…計5機を無力化…。
残るは7機…。
警告…ナオ機が回避機動を取り、別の敵機との間に入る…。
敵機の発砲…敵味方識別装置により味方の同士討ちを避ける為、トリガーがロックされ撃てない。
ナオ機は2機の腹部を狙い発砲し 破壊…敵機が転倒し、置いてあるコンテナに歩兵を巻き込んで突っ込み…血しぶきが上がる…。
次…回避…回避スペースが無い為、体当たりの要領で倉庫の壁をブチ破り、身体を丸めて転がるが、失敗して仰向け状態で転倒した…。
くそ…やっぱり完全マニュアル操作だとキツイか…。
人機一体を可能にしたダイレクトリンクシステムでなら、問題無く転がれるのだが、パイロットの細かなクセを記録する個人データが 敵パイロットの物なので、僅《わず》かな誤差から転倒した。
即座に敵機が こちらに近寄り、銃を向けるが 別方向からの射撃で 腹部を横から撃ち抜かれ倒れる…オレが戦闘中に敵機に乗り込んで奪取したレンの機体だ…。
通信はまだ出来ない見たいだが こちらに合わせる形で動いてくれる…常にこっちと十字砲火が出来る位置に付き、位置取りが かなり上手い…。
ナオ機が起き上がり、倉庫に戻った時には全機が沈黙していた。
「こちら、ナオ…敵を無力化…敵も順次降伏中…。」
その後は大忙しだった…。
個人データを自分用に入れ直した黒鋼が 大型のリアカーを引く…。
中には、歩兵から巻き上げた あふれる程に大量のアサルトライフルと歩兵用の弾薬…。
後ろには同じく黒鋼に乗るレン機でリアカーの中には DLの手足などのパーツ…。
そして、トヨカズとカズナが敵から強奪した2台の10tトラックにDLを2機ずつ積めて2機に守られるように進む…。
うわぁ2人ともマニュアルのトラックが運転できるのか…。
本当にVRをやっていると何でも出来るようになるんだな…。
向かうのは、オレがログインした街のNPCのジャンク屋だ。
持って来たDLは腹部を撃ち抜く事に専念した為、コアパーツさえあれば比較的修理が安く済むので 状態はかなり良い…。
結構な高額の値段で取引がされた為、残り6機のDLの回収をジャンク屋に金を払って出張サービスをして貰い、全員生還した時に行われるお疲れパーティをやる事になり、トヨカズのオススメの店で飲む事になった。
店に着く頃には ジャンク屋から流れた情報から高難易度ミッションを4人でクリアした事が話題になっており、それがトッププレイヤーでデス数が極端に少ないトヨカズのチームと言う事もあって色々と聞かれた。
結局、成功したのは1週間をかけた地道な行動解析をしたトヨカズのお陰であり、それをゲームで 楽しみながら行う事は かなり難しく、それがトヨカズのアドバンテージなのだろう…。
その日は夜遅くまでダイブし続けた…。
次の日の夜…。
大量のDMがリーダーのトヨカズの口座に送金されるが、大量の金の使い所が困ったので、思い切って土地を購入してギルドを結成…名前はもちろん『キョウカイ小隊』…。
今回稼いだ金はギルドの共有財産になった。
この分だとDL2機のフル稼働運用が出来るだろう…。
そうなれば、機体を負担してくれる変わりに報酬が低いDLの仕事を受けなくて済む…。
はあ…仕事か…。
ゲームの中でも仕事と組織の運営か…でも…。
皆と一緒に壊れかけのDLを修理して売ったり、皆で銃を見に行ったり、ぶっ放したり…確かに楽しい。
その裏で膨大な数のNPCが犠牲になり、その屍の山を作る事を皆で競争している。
現実で考えれば明らかに異常だ。
人を殺す為の技術…それを美しく感じてしまうのは血は繋がっていないが、神崎家の影響だろう。
もう、面倒な理屈をこねて自分を正当化する必要も無い…。
オレは人と道具が一体化して戦闘技術を競いあう戦場が好きなんだろうな…。
開き直る事でオレの中の戦いへの悩みが吹き飛び…オレはオレの現実に戻って行った。
トヨカズが無線で一言連絡を入れる…。
「そげき、まかせて…。」
オレが砂山を盾にしてM4カービンを構える…。
カズナは双眼鏡で敵拠点の監視をしている。
DLが警備に出ているが、見る限り敵はまだ気づいていない…。
「きょり、500…やれる?」
「多分この距離じゃ気絶はするだろうが 殺せない…。」
敵兵は ボディアーマーは着ていないが パイロットスーツを着ていて フルフェイスヘルメットをしている。
この距離だと5.56mmだと殺すのに3発は掛かるか?
トヨカズはスコープから目を離し、バックパックを開き、円柱のケースを取り出し、蓋を開けて、手のひらサイズのドローン6機を放つ…。
ARウィンドウを開き…映像データが送られてくる…。
このドローンは 外装がセムテックスで構成されていて、爆発する事でDL位なら小破させられる…。
更に ドローンの観測情報から敵の位置を3次元座標で割り出す事で、狙撃の精度が各段に良くなる。
弱点はプロペラ音が それなりに大きく、隠密性には向かない事だ…。
故に遠方からの観測が基本になる。
「さて、ナオ達は成功するかな…。」
うわ際ど…。
オレとレンのすぐ隣を兵士が通りすぎる。
これで5回目だ…。
予想以上にキツイ…何だよこのスニーキングミッション…。
敵兵士のパイロットスーツは バイタルサインと位置情報を常にコントロールルームに送っているので、気絶や殺しをすれば 位置がばれてしまい…大量の兵がやって来て、すぐに包囲殲滅されるだろう…。
なのでオレ達は コントロールルームを目指している…。
トヨカズ達が、1週間かけて事前調査をしたお陰で敵の位置、行動はすべて把握されている。
人なら ルーチンを組んでも 僅《わず》かな誤差が出るのだろうが 今回のNPCは秒単位で同じだ…。
オレ達はゆっくりと確実に進んでいく…。
目の前には分厚いドアがある…この奥がコントロールルームだ。
オレは サプレッサーを付けたウジプロを構え、レンは粘土を取り出し、小さくちぎって扉の蝶番と錠前に最小限の粘土をセットし、信管を丁寧に挿す…。
セムテックス爆弾だ…。
「こちら、レン、ナオチーム…設置完了。」
レンがボソッと最小限の声でトヨカズ達に通信する。
「よーし、2分で制圧しろ…それ以上掛かるなら撤退だ。」
「分かった…カウント3…2…1…GO!!」
扉の固定が外れ オレが蹴り飛ばしてフラッシュバンを投げ入れ 壁に隠れる…。
辺りに閃光と爆音が走り 一時的に敵の目と耳を無力化する…。
オレは ウジプロを腰で構えて突入…中には3人…ヘルメットのバイザーに正確に3発ずつ撃つ…。
1発目でバイザーに蜘蛛の巣状のヒビが入り、2発目でバイザーを貫く…。
2発目と3発目の銃弾が目から進入し、防弾仕様のヘルメットの内側に当たって銃弾が跳ね返り、頭の中を滅茶苦茶にしていく…。
「クリア!」
オレが敵を片付け、レンが入ってくる…。
レンがUSBメモリを機材に差し込み、防壁破りをロード…。
敵のネットワークを掌握する。
「掌握完了…。」
『そんじゃ行くぜ…。』
トヨカズの声と共に、オレはガラス窓を見る…。
ガラス窓の向こう側はDLの格納庫が見え、パイロットは交代の時間で全機がコックピットブロックが開いていた状態で座っている。
6機は降りる為…もう6機は乗り込む為だ。
小さな爆発が聞こえ、倉庫内の電気が供給が止まり照明が落ちる…。
予め仕掛けて置いた送電線の破壊だ…。
予備の自家発電に切り替えるだろうが それで十分だ。
「ふっ…!」
オレがシャベルを思いっきりガラスに叩き付け、ブチ破ろうとするが、強化ガラスの為 ヒビが入るが抜けない…。
抜けないと見たレンは セムテックスの粘土を強化ガラスにくっつけ始める…。
それを見たオレはすぐさま部屋を出て、壁を盾にする。
レンが信管を挿し、部屋を出て起爆!
爆音と共にガラスに大きな穴が空き、倉庫内では爆発音のせいで警戒態勢に変わろうとしている…。
2人は割れたガラス窓から飛び降りる…。
チッ…敵に気づかれた!
オレが空中で丸まり、着地と当時に転がり 即座に構える…。
今回は精密射撃の為、両手でウジプロをしっかりと構え ダットサイトを覗き込む…。
狙うはコクピットブロックから降りようとしていたパイロット…。
一番近いパイロットの腹部を狙い発砲…銃弾が腹部に当たりパイロットが倒れる…気絶…。
レンは 交代の為コックピットブロックを開いて待機していたパイロットを撃つ…。
コックピットブロックを開いて待機するのは、DLのコクピットが非常に狭く長時間の待機は非常にストレスを感じるからだ…。
オレは撃ったパイロットが乗った駐機姿勢の黒鋼の装甲に足をかけて、最短で上って行く…。
レンはDLに乗らず、オレの奪取した黒鋼の下で起動までの時間をMP7を使って稼いでいる…。
コックピットからパイロットのポケットを漁り、鍵を見つけてパイロットをコックピットブロックから 2メートル下に捨てて、キーを差し込んで回し、電源を起動…即座にハッチを閉鎖…。
座席がスライドし、コックピットブロックの装甲内に収納され 閉鎖完了…最短で機体を立ち上げて行く…。
ダイレクトリンクシステムOFF、完全マニュアル操作で起動…映像は無線を通じてARで流す…。
オレがARウィンドウを開き、カメラの映像を映す…。
ダイレクトリンクシステム時と違い視界が制限されるが仕方ない…。
オレのダイレクトリンクシステム用の個人データはあるが、暢気にインストールしていたら時間が掛かる…。
警告…倉庫にいたライフル兵の発砲…立ち上げ中の為、回避が出来ず当たるが、DLの装甲にライフル弾は ほぼ効かない…。
モニタには コックピットブロックを閉鎖していない搭乗中のパイロットにMP7で撃ち込んでいくレンが映し出されている…乗り込まないのは、レンでは立ち上げに時間が掛かるからだ…。
よし…起動…。
スティック操作を機体が受け付けるようになり、敵味方識別装置をOFFにして即座に歩兵に発砲…。
拳銃弾程度なら防げる パイロットスーツでも、20mm機関砲には到底 耐えられない…。
歩兵の胴体が吹き飛び、上半身と下半身に分裂して機体が『心的外傷後ストレス障害』対策の為、死体が黄色で塗りつぶされる…。
レンの乗り込むDLを味方機に設定して輪郭が味方の青で縁取られ、敵歩兵が敵味方が設定されていない黄色で塗りつぶされている…とりあえずコレで識別は出来る…トヨカズとカズナには注意しないと行けないが…。
「つぎ、3じ」
カズナが的確に優先順位を決めてオレが狙撃して行く…。
狙うは腹部…殺すなら頭を狙うべきだろうが、気絶させるならコレで十分だ。
「カズナ…DLが出て来たら、秒で殺られる…。
見逃すなよ…。」
「わかってる…。」
3…4…5……6人無力化…。
『ナオからトヨカズへ…DLの起動に成功…レンは立ち上げ中…今動いた。』
倉庫の内部からDLの発砲音がしている…敵歩兵を潰しているのか…。
『敵DLが起動…1機そっちに向かった…。』
「分かった…カズナ…。」
「だいじょうぶ…みつけてる」
オレとカズナは 砂山の狙撃ポイントから退避し、こちらに向かって走って来るDLの脚に向かってカズナが操るドローンの『ゴリアテ』を突っ込ませ、爆発させる。
脚の装甲が爆破され、人工筋肉や内部のいくつかのパーツにダメージを与えている…多分ダメージレッド…。
走っていた状態から脚にダメージを受け、DLが盛大に頭から地面に突っ込み滑走する…。
残る4機のゴリアテが オレの元に戻り、カズナがハンビーを持って来て オレが乗り込む…。
「よーし、10万DMもするゴリアテを潰したんだ…成功しろよ…。」
オレは そうナオに無線で伝えた。
起動したての敵DLが駐機姿勢から立ち上がるのを待ち、こちらに銃を向けた瞬間に腹部を撃ち抜く…駐機姿勢状態だと弱点の腹部が足で隠れて弾が通らないからだ…。
腹部を撃ち抜かれた敵DLは 機体のバランスが維持出来ずに転倒し 停止した…。
現在、オレとレンの2機+パイロットを射殺した2機、さっき起動した1機…計5機を無力化…。
残るは7機…。
警告…ナオ機が回避機動を取り、別の敵機との間に入る…。
敵機の発砲…敵味方識別装置により味方の同士討ちを避ける為、トリガーがロックされ撃てない。
ナオ機は2機の腹部を狙い発砲し 破壊…敵機が転倒し、置いてあるコンテナに歩兵を巻き込んで突っ込み…血しぶきが上がる…。
次…回避…回避スペースが無い為、体当たりの要領で倉庫の壁をブチ破り、身体を丸めて転がるが、失敗して仰向け状態で転倒した…。
くそ…やっぱり完全マニュアル操作だとキツイか…。
人機一体を可能にしたダイレクトリンクシステムでなら、問題無く転がれるのだが、パイロットの細かなクセを記録する個人データが 敵パイロットの物なので、僅《わず》かな誤差から転倒した。
即座に敵機が こちらに近寄り、銃を向けるが 別方向からの射撃で 腹部を横から撃ち抜かれ倒れる…オレが戦闘中に敵機に乗り込んで奪取したレンの機体だ…。
通信はまだ出来ない見たいだが こちらに合わせる形で動いてくれる…常にこっちと十字砲火が出来る位置に付き、位置取りが かなり上手い…。
ナオ機が起き上がり、倉庫に戻った時には全機が沈黙していた。
「こちら、ナオ…敵を無力化…敵も順次降伏中…。」
その後は大忙しだった…。
個人データを自分用に入れ直した黒鋼が 大型のリアカーを引く…。
中には、歩兵から巻き上げた あふれる程に大量のアサルトライフルと歩兵用の弾薬…。
後ろには同じく黒鋼に乗るレン機でリアカーの中には DLの手足などのパーツ…。
そして、トヨカズとカズナが敵から強奪した2台の10tトラックにDLを2機ずつ積めて2機に守られるように進む…。
うわぁ2人ともマニュアルのトラックが運転できるのか…。
本当にVRをやっていると何でも出来るようになるんだな…。
向かうのは、オレがログインした街のNPCのジャンク屋だ。
持って来たDLは腹部を撃ち抜く事に専念した為、コアパーツさえあれば比較的修理が安く済むので 状態はかなり良い…。
結構な高額の値段で取引がされた為、残り6機のDLの回収をジャンク屋に金を払って出張サービスをして貰い、全員生還した時に行われるお疲れパーティをやる事になり、トヨカズのオススメの店で飲む事になった。
店に着く頃には ジャンク屋から流れた情報から高難易度ミッションを4人でクリアした事が話題になっており、それがトッププレイヤーでデス数が極端に少ないトヨカズのチームと言う事もあって色々と聞かれた。
結局、成功したのは1週間をかけた地道な行動解析をしたトヨカズのお陰であり、それをゲームで 楽しみながら行う事は かなり難しく、それがトヨカズのアドバンテージなのだろう…。
その日は夜遅くまでダイブし続けた…。
次の日の夜…。
大量のDMがリーダーのトヨカズの口座に送金されるが、大量の金の使い所が困ったので、思い切って土地を購入してギルドを結成…名前はもちろん『キョウカイ小隊』…。
今回稼いだ金はギルドの共有財産になった。
この分だとDL2機のフル稼働運用が出来るだろう…。
そうなれば、機体を負担してくれる変わりに報酬が低いDLの仕事を受けなくて済む…。
はあ…仕事か…。
ゲームの中でも仕事と組織の運営か…でも…。
皆と一緒に壊れかけのDLを修理して売ったり、皆で銃を見に行ったり、ぶっ放したり…確かに楽しい。
その裏で膨大な数のNPCが犠牲になり、その屍の山を作る事を皆で競争している。
現実で考えれば明らかに異常だ。
人を殺す為の技術…それを美しく感じてしまうのは血は繋がっていないが、神崎家の影響だろう。
もう、面倒な理屈をこねて自分を正当化する必要も無い…。
オレは人と道具が一体化して戦闘技術を競いあう戦場が好きなんだろうな…。
開き直る事でオレの中の戦いへの悩みが吹き飛び…オレはオレの現実に戻って行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる