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21世紀
TK10 VANCOUVER ニューロマン
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バンクーバー。この街は、私の青春時代の一画を大きく占めている、そして、素晴らしい町。コスモポリタンシティ。70年代生れの私は、この街を初めてAD2000に訪問した。あのころ、ここは、ブレア首相率いる、ニューブリタニアPLANの英国の影響を大きく受けていた。カナダ・バンクーバーは、かなりブリティッシィーな面がある。2000ADのバンクーバーは、ハリウッド・ノースとしても賑わっていた。それでいて、カナダの公用語でもあるフランス語圏の影響もあり、バンクーバーの街にはフレンチ・バンドデシネを売るソフィア書店もあった。あのころ、わたしは、まず、グランビルに到着した。グランビルに最初の宿を取った。周辺はシスコのダウンタウンよろしく、多くの国の移民の店など広がっていた。いい時代だった。私は、ピタやケバブを食べた。そばには、うまいBBQポークフライドライスを作るチャイニーズもあった。チャイニーズカルチャーとこの街は切り離せない。あの時代、香港の返還があった直後、数十万のチャイニーズが香港から移民してきた、それが、このバンクーバー。スカイトレインは今ほど広範囲に広がっていなかったが、便利なライドだった。私はサイモンフレイザー大学で文学の学びを始めた頃だ。人は物語を欲する。いや、人と物語は切り離せない、ユングも分かっていた。私たちの気持ちを整頓し、ととのえてくれるのも、物語の存在だ。人は何者かを教えてくれるのも、物語、文学。バンクーバーでの20代、それはすばらしい刺激に溢れていた。この街の存在が、ある意味、2000年代を決定づけた。この街でサイバーパンクは始まった。それは、すでに、80年代から、その息吹を動かし始めていた。それは、ウィリアム・ギブソンが描いたサイバーパンクSFノヴェル、ニューロマンサー。コンピュータの中に作られる仮想空間。それをはじめて描いたノヴェルかもしれない。
そんなカルチャーは2000ADに1つの頂点を迎えた。当時は、おおくのカルチャー、文学、映画、映像にクオンタムリープがあった。ダニーボイル監督のトレインスポッティングが、当時のヤングの心を捉えた。バンクーバーのヴィデオショップにも、それらは並んだ。同時に、あたらしいEUというイメージの時代でもあり、トム・ティクバ監督のラン・ローラ・ランのファッションの若者が街に溢れ、そのVHSがヴァージンストアのビデオコーナーにずらっと並んだ。そのブームはすごかった。そして、世界は融合していった・・・・・。
『グローバル』の未来が叫ばれた時代。産声をあげた時代。
非連続の時代と称したひともいる。
ウィリアムギブソンの世界はマトリックスの世界に繋がって行き、SFが根底から変化した。そこには、おおくのアジアカルチャーが入り乱れ、アジアが世界と融合した時代のはじめでもあった。
そこには、サウスKoreaの活躍もあった。KOREANのカナダ移民も増えた時期だ。わたしも、よくVAN-CITYで、コリアンと交流した。かれらは、焼き肉文化をもっている。それが、バンクーバーにも広がって来ていた。丘の上のコリアン焼き肉に何度かいった。うまかった。サムギョプサル、サムゲタン、キムチなんかにも、そのころ親しんだ。コリアンのガールフレンドがいたこともある。
コリアン文化は、日本文化と似ているところもかなりあるが、違うところもある。そんな勉強が出来た時代だった。私自身も日本のみでなく、いくつかの国々のルーツを持っている。
バンクーバーは、世界が融合していく時代の急先鋒の街であったと言える。
ジャパドッグなんていうB級グルメも流行った。
グローバルカルチャーになっていく世界をおもしろがった。そういう時代だった。2000AD。サイモンフレイザー大学も、おおくの海外からの留学生をうけいれはじめていた。北米リーグでは、NOMOが活躍していた。そして、日本アニメが席巻する時代の幕開けでもあった。バンクーバーのモールには、エヴァンゲリオンのVHSが並んだ。
そうだ、まだ、2000ADは『VHS』の時代だった。ビデオ・ホーム・システム、VHS。当時の家庭用映画配給媒体。もはや歴史だが・・・。とはいえ、VHSは世界に夢を齎した。われわれ70年代生れの人間は、80~90年代、VHSビデオカセットに入った映画録画済みテープを再生PLAYすることで、家のTVで映画を見られた世代。それは、まだアナログだったが、いまでいう、ひとつのサイバースペースだったかもしれない。2001年宇宙の旅は、僕らを太陽系の果てまで連れて行った。スターウォーズは別の銀河の砂漠の星への旅へ。インディジョーンズは古代の遺跡の探索へ。そんなかんじで、TVブラウン管の向こう側にある世界に、ボクらのマインドはトリップした。
バンクーバーは、どんどん進化し栄えていった。そのひとつは、映画産業だった。あの、Xファイルがバンクーバーにもたらした富ははかりしれない。あの映像作品で、バンクーバーは宇宙人の街になったのだ。それで、ボクら70年代生れの、青春のヒーローは、デビッド・ドゥカブニー。
そんなカルチャーは2000ADに1つの頂点を迎えた。当時は、おおくのカルチャー、文学、映画、映像にクオンタムリープがあった。ダニーボイル監督のトレインスポッティングが、当時のヤングの心を捉えた。バンクーバーのヴィデオショップにも、それらは並んだ。同時に、あたらしいEUというイメージの時代でもあり、トム・ティクバ監督のラン・ローラ・ランのファッションの若者が街に溢れ、そのVHSがヴァージンストアのビデオコーナーにずらっと並んだ。そのブームはすごかった。そして、世界は融合していった・・・・・。
『グローバル』の未来が叫ばれた時代。産声をあげた時代。
非連続の時代と称したひともいる。
ウィリアムギブソンの世界はマトリックスの世界に繋がって行き、SFが根底から変化した。そこには、おおくのアジアカルチャーが入り乱れ、アジアが世界と融合した時代のはじめでもあった。
そこには、サウスKoreaの活躍もあった。KOREANのカナダ移民も増えた時期だ。わたしも、よくVAN-CITYで、コリアンと交流した。かれらは、焼き肉文化をもっている。それが、バンクーバーにも広がって来ていた。丘の上のコリアン焼き肉に何度かいった。うまかった。サムギョプサル、サムゲタン、キムチなんかにも、そのころ親しんだ。コリアンのガールフレンドがいたこともある。
コリアン文化は、日本文化と似ているところもかなりあるが、違うところもある。そんな勉強が出来た時代だった。私自身も日本のみでなく、いくつかの国々のルーツを持っている。
バンクーバーは、世界が融合していく時代の急先鋒の街であったと言える。
ジャパドッグなんていうB級グルメも流行った。
グローバルカルチャーになっていく世界をおもしろがった。そういう時代だった。2000AD。サイモンフレイザー大学も、おおくの海外からの留学生をうけいれはじめていた。北米リーグでは、NOMOが活躍していた。そして、日本アニメが席巻する時代の幕開けでもあった。バンクーバーのモールには、エヴァンゲリオンのVHSが並んだ。
そうだ、まだ、2000ADは『VHS』の時代だった。ビデオ・ホーム・システム、VHS。当時の家庭用映画配給媒体。もはや歴史だが・・・。とはいえ、VHSは世界に夢を齎した。われわれ70年代生れの人間は、80~90年代、VHSビデオカセットに入った映画録画済みテープを再生PLAYすることで、家のTVで映画を見られた世代。それは、まだアナログだったが、いまでいう、ひとつのサイバースペースだったかもしれない。2001年宇宙の旅は、僕らを太陽系の果てまで連れて行った。スターウォーズは別の銀河の砂漠の星への旅へ。インディジョーンズは古代の遺跡の探索へ。そんなかんじで、TVブラウン管の向こう側にある世界に、ボクらのマインドはトリップした。
バンクーバーは、どんどん進化し栄えていった。そのひとつは、映画産業だった。あの、Xファイルがバンクーバーにもたらした富ははかりしれない。あの映像作品で、バンクーバーは宇宙人の街になったのだ。それで、ボクら70年代生れの、青春のヒーローは、デビッド・ドゥカブニー。
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