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ラブスターミッション9
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*** *** ***
その男は、銃をもっている。
そして、ジープに近づいてくる。
するどい目をしている。
この村の用心棒だろうか・・・。
彼は叫ぶ、「私はこの村へと入りくる者に対する門番だ。ゲートキーパーだ。まず、わたしに従ってもらおう。私とともに来い。わかったな」
我々は、けっして争うためにココに来たのではない。地下情報によって、この村で拉致事件が発生していると分かったから来たのだ。まあ、この場は、この門番ゲートキーパーに従おう。それが良い手だ。
「わかった。我々は、・・・抵抗しない。君が案内してくれ。我々は国連から来た。」
ゲートキーパーは、やや緊張した面持ちだったが、銃をおろした。
ゲートキーパーは言う、「わたしの名はオレンジボーイ。この村の出入り口が私の家だ。いまから、君らには我々の村長ビレッジヘッドマンに会ってもらう。この村の動きは、ビレッジヘッドマンに任されている。だが、たしかに、我々には君らの助けが必要かもしれない。すべては村長から聞いて欲しい。さあ、いこう。」
そういうと、オレンジボーイはさっそうと歩き、我々のジープのドアを開け、スキのない動きで中の席に座った。
「さあ、いってくれ。車のエンジン始動だ。」
ギャルソンはキーを回した。車の六気筒スーパーエンジンが唸り声をあげるように吹いた。加速がはやく、重厚に地面に吸いつくようにタイヤが回る。それがこのジープだ。戦時中のアメリカ軍のジープの払下げに、フライングユニットを後付けで搭載して、ハヤカワ・システムのモニターをセット搭載した。
ジープは一九三〇年代の怪獣映画キングコングのコングアイランドよろしく、ワイルドなビレッジゲートをくぐり抜け、まるでアトラクションのようなビレッジワールドに入り込んだ。周囲にまた霧が立ち込めてきた。このビレッジだけがまるで隔離されたかのようなアトモスフィアとなり、我々だけが別の惑星に降り立ったかのような気分にさえなる、そんなところだ。
夜になっているはずだが、月の光のコントラストが、この土地では異常にエッジがきいていて、不思議な色合いで夜を照らす。これが砂漠の気候と自然なのだろうか。月はやけに黄色い。
しばらくいくと、アジア風の庭園が見えてきた。スペイン風の回廊が見える。そうだ、このへんはかつては小アジアと呼ばれ、東洋と西洋の接点の土地だった。
「ジープはここまでだ、ここからは歩く」そう、オレンジボーイが言った。
我々はジープから全員降りて、スペイン回廊を歩き、庭園の中央に建つ、村長のオフィスハウスの前まで案内された。
オレンジボーイは呼び鈴を鳴らした。シーン、としている。
「いま、村長は留守のようだ、しばし待たれよ」そういうと、オレンジボーイは姿を消した。我々は、ハウスの待合室に移動した。
美女が現れ、我々にしばしお待ちを、とアイスクリームを配膳した。
鳥の鳴き声がこだましていた。
庭には孔雀が数匹いた。
オスの孔雀は突然はねを広げた。孔雀の目が金色に輝いていた。その金の目が見た方向にスーツを着て民族衣装のような装飾のネックレスをつけた、それでいて、メタリックな装備を実装した骨太の男が回廊をこっちへと歩いてくるのが見えた。
鐘楼の鐘が鳴った。八回だ。すでに午後八時なのか・・・。
男の傍に、あのゲートキーパーがいた。このゲートキーパー、オレンジボーイは誠に隙が無い。マッシュルームヘアに、黒シャツ、そしてジーンズにスニーカー。傍らにライフルを抱えている。この地の若者は、こういう感じなんだろうか。たしかに、ここはバルカンに近い。バルカンは様々な意味で、ヨーロッパにおける紛争に関係してきている。ここが文化がこすれ合う地点だからかもしれない。
ただ、バルカンの周辺を旅すると、みな、ハッとするはずだ。そして、この土地がいとしくなる。この土地のサウンドに魅かれる者も多い。バルカン、マケドニア、ブルガリア、独特なサウンドが存在する。この周辺のミュージック、サウンドに魅了されて、リサーチや録音コレクションを続けるサウンドレコーダーピープルもいるのだ。
村長「オレンジボーイ、、、。 ありがとう。さがってよい。私が彼らに話そう。」
オレンジボーイは、自分の役目を終えると、去って行ったかのように見えた。
---村長の執務室---
村長の執務室に私たちは先に案内された。村長の執務室の中は、モンゴルの草原に佇むゲルの内部に似ていた。民族文様のような刺繍の布に覆われたファーニチャーと絨毯。村長の執務室はアジアのカルチャーがごちゃ混ぜになっている。床はジャポンの畳敷き。執務室自体は高床式建築物になっている。執務室に入る迄は、木造の階段が取り付けてある。
今、その階段を村長があがってくる所だ。村長はどっしりとした歩き方で、歩き、我々の前まで来て、一礼して正座した。その風貌は近未来から来たウォンフェイホンのようだった。いかしたサングラスをかけている。
私は言う、「我々は国連軍から来ました。今回われわれが来た理由は・・・」
そのとき、執務室のドアでガタン、と音がした。村長はドアを睨んだ。
村長「オレンジボーイっ! 盗み聞きはやめなさい!」
たたたっ、と走り去る音がする。
村長の読みは正しかったようだ。さきほどのオレンジボーイが、どうやらドアのすぐ外で聞き耳を立てていたのだ。
村長「失礼。あの少年は、ああいうところがあるのだ。さあ、本題を言おう。わたしの方からも、あなたがた国連軍に頼まねばならないのだ。つまり、あなたがたが来た理由。もちろん、わかっている。そうだ。この村の住民が、村人が、じつは、知ってのとおり、六十人以上も拉致されているのだ、あの魔仮面の男に・・・。彼らは小規模ながらも軍隊だ。魔仮面の男が統率している。総統だ。魔仮面の男の正体は知らない。いや、それは誰でもいいのだ。すでに魔仮面によって完全に人間時代の記憶は消えてしまっている! 単なる仮面の独裁者・ディクテーター、そう考えてしかるべきだろう。そう、仮面の独裁者に、村人が拉致されている!」
村長は、このことを国連機関に知らせるべきかを悩んでいたらしいのだ。村の因習的な部分が、そのことを阻害してもいたようだ。それが、なぜ、国連が情報をつかめたかと言えば、あのMだ。Mは、東マレーシア映画社との仕事の中で、この村の情報を得、国連に流した。
その男は、銃をもっている。
そして、ジープに近づいてくる。
するどい目をしている。
この村の用心棒だろうか・・・。
彼は叫ぶ、「私はこの村へと入りくる者に対する門番だ。ゲートキーパーだ。まず、わたしに従ってもらおう。私とともに来い。わかったな」
我々は、けっして争うためにココに来たのではない。地下情報によって、この村で拉致事件が発生していると分かったから来たのだ。まあ、この場は、この門番ゲートキーパーに従おう。それが良い手だ。
「わかった。我々は、・・・抵抗しない。君が案内してくれ。我々は国連から来た。」
ゲートキーパーは、やや緊張した面持ちだったが、銃をおろした。
ゲートキーパーは言う、「わたしの名はオレンジボーイ。この村の出入り口が私の家だ。いまから、君らには我々の村長ビレッジヘッドマンに会ってもらう。この村の動きは、ビレッジヘッドマンに任されている。だが、たしかに、我々には君らの助けが必要かもしれない。すべては村長から聞いて欲しい。さあ、いこう。」
そういうと、オレンジボーイはさっそうと歩き、我々のジープのドアを開け、スキのない動きで中の席に座った。
「さあ、いってくれ。車のエンジン始動だ。」
ギャルソンはキーを回した。車の六気筒スーパーエンジンが唸り声をあげるように吹いた。加速がはやく、重厚に地面に吸いつくようにタイヤが回る。それがこのジープだ。戦時中のアメリカ軍のジープの払下げに、フライングユニットを後付けで搭載して、ハヤカワ・システムのモニターをセット搭載した。
ジープは一九三〇年代の怪獣映画キングコングのコングアイランドよろしく、ワイルドなビレッジゲートをくぐり抜け、まるでアトラクションのようなビレッジワールドに入り込んだ。周囲にまた霧が立ち込めてきた。このビレッジだけがまるで隔離されたかのようなアトモスフィアとなり、我々だけが別の惑星に降り立ったかのような気分にさえなる、そんなところだ。
夜になっているはずだが、月の光のコントラストが、この土地では異常にエッジがきいていて、不思議な色合いで夜を照らす。これが砂漠の気候と自然なのだろうか。月はやけに黄色い。
しばらくいくと、アジア風の庭園が見えてきた。スペイン風の回廊が見える。そうだ、このへんはかつては小アジアと呼ばれ、東洋と西洋の接点の土地だった。
「ジープはここまでだ、ここからは歩く」そう、オレンジボーイが言った。
我々はジープから全員降りて、スペイン回廊を歩き、庭園の中央に建つ、村長のオフィスハウスの前まで案内された。
オレンジボーイは呼び鈴を鳴らした。シーン、としている。
「いま、村長は留守のようだ、しばし待たれよ」そういうと、オレンジボーイは姿を消した。我々は、ハウスの待合室に移動した。
美女が現れ、我々にしばしお待ちを、とアイスクリームを配膳した。
鳥の鳴き声がこだましていた。
庭には孔雀が数匹いた。
オスの孔雀は突然はねを広げた。孔雀の目が金色に輝いていた。その金の目が見た方向にスーツを着て民族衣装のような装飾のネックレスをつけた、それでいて、メタリックな装備を実装した骨太の男が回廊をこっちへと歩いてくるのが見えた。
鐘楼の鐘が鳴った。八回だ。すでに午後八時なのか・・・。
男の傍に、あのゲートキーパーがいた。このゲートキーパー、オレンジボーイは誠に隙が無い。マッシュルームヘアに、黒シャツ、そしてジーンズにスニーカー。傍らにライフルを抱えている。この地の若者は、こういう感じなんだろうか。たしかに、ここはバルカンに近い。バルカンは様々な意味で、ヨーロッパにおける紛争に関係してきている。ここが文化がこすれ合う地点だからかもしれない。
ただ、バルカンの周辺を旅すると、みな、ハッとするはずだ。そして、この土地がいとしくなる。この土地のサウンドに魅かれる者も多い。バルカン、マケドニア、ブルガリア、独特なサウンドが存在する。この周辺のミュージック、サウンドに魅了されて、リサーチや録音コレクションを続けるサウンドレコーダーピープルもいるのだ。
村長「オレンジボーイ、、、。 ありがとう。さがってよい。私が彼らに話そう。」
オレンジボーイは、自分の役目を終えると、去って行ったかのように見えた。
---村長の執務室---
村長の執務室に私たちは先に案内された。村長の執務室の中は、モンゴルの草原に佇むゲルの内部に似ていた。民族文様のような刺繍の布に覆われたファーニチャーと絨毯。村長の執務室はアジアのカルチャーがごちゃ混ぜになっている。床はジャポンの畳敷き。執務室自体は高床式建築物になっている。執務室に入る迄は、木造の階段が取り付けてある。
今、その階段を村長があがってくる所だ。村長はどっしりとした歩き方で、歩き、我々の前まで来て、一礼して正座した。その風貌は近未来から来たウォンフェイホンのようだった。いかしたサングラスをかけている。
私は言う、「我々は国連軍から来ました。今回われわれが来た理由は・・・」
そのとき、執務室のドアでガタン、と音がした。村長はドアを睨んだ。
村長「オレンジボーイっ! 盗み聞きはやめなさい!」
たたたっ、と走り去る音がする。
村長の読みは正しかったようだ。さきほどのオレンジボーイが、どうやらドアのすぐ外で聞き耳を立てていたのだ。
村長「失礼。あの少年は、ああいうところがあるのだ。さあ、本題を言おう。わたしの方からも、あなたがた国連軍に頼まねばならないのだ。つまり、あなたがたが来た理由。もちろん、わかっている。そうだ。この村の住民が、村人が、じつは、知ってのとおり、六十人以上も拉致されているのだ、あの魔仮面の男に・・・。彼らは小規模ながらも軍隊だ。魔仮面の男が統率している。総統だ。魔仮面の男の正体は知らない。いや、それは誰でもいいのだ。すでに魔仮面によって完全に人間時代の記憶は消えてしまっている! 単なる仮面の独裁者・ディクテーター、そう考えてしかるべきだろう。そう、仮面の独裁者に、村人が拉致されている!」
村長は、このことを国連機関に知らせるべきかを悩んでいたらしいのだ。村の因習的な部分が、そのことを阻害してもいたようだ。それが、なぜ、国連が情報をつかめたかと言えば、あのMだ。Mは、東マレーシア映画社との仕事の中で、この村の情報を得、国連に流した。
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