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第二章 1995
MONICA
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この町は、ヤワラート。そうは言っても、知らない人も多いだろう。最寄りのメトロ駅はファランポン。この辺りは華人系移民が多い。蔵鷹は、その一角のアパルトマンに期間限定で住んでいた。彼には都市計画の才能があったから、このヤワラートの部分的なリニューアルをも任されていた。ヤワラート・エリアには、多くのアジアからの物産も数えきれないほど流入している。
私はこの町で、驚くべき再会をした。トゥトゥベだ。妻はあのスーソだと言うのだ。五十一歳になっていた。東南アジア及び華人ゾーンでかなり若者に人気の、電子機器製造企業の長になっていた。息子が居るらしい。私はその子、ケンの家庭教師を頼まれてしまった。ケンは十二歳だ。私には何故か、教職という宿命が付いて廻る。帝政時代に、私の曽祖父が教員をしていたことが運命に乗っかって来ているのだろうか・・・。オーストリア・ハンガリー帝国のフランツ・ヨーゼフ一世の時代のことだが。
だが、私は今日丸一日眠たかった。ケンにフランス語を教えながら、うとうとしていた。何故なら、昨夜は明け方迄、私はセックスに明け暮れたからだ。ヤワラートに来てから、よく行くパン屋があったのだが、そこの女主人と恋仲になったのだ。彼女はモニカといった。モニカは四十三歳で二人の子供が居たが、離婚していた。彼女は二十歳の私と倍以上、歳の離れた女だった。
ヤワラート・エリアを含むBKK(バンコック)は、スコールも多い。ある日、夕方ごろだった。夕食用のパンをモニカのパン屋で買った後、帰路に着こうとするや否や、突然のスコールで私はびしょ濡れ。パン屋の軒下に戻り、しばらくスコールを逃れて立っていた。すると、突然のことだったが、私の腕に、しっとりした女性の腕が絡んだ。モニカの腕だった。「ここに居るのも大変でしょ、しばらく中に入って、シャワーもあるから、奥で着替えなさい」彼女はそう言うと、私の手を引いて、店の中に入れ、店のシャッターを下ろした。「まだ少し閉店迄、時間があるけどスコールで客足も遠のいたから今日は閉めるわ」。 店の奥へ行くと、白い簡素な階段があり、それを登り、中二階のような場所がシャワー室だった。モニカは言う、「前の彼氏の置いていった新品の着替えがあるから、それを着たら良いわ」。 モニカはにこりと笑った。
私はシャワーに入った。汗とスコールでずぶ濡れになっていたので、シャワーでさっぱりした。その時、大理石の床になっている、比較的広いシャワー室にモニカが真っ裸で入って来た。彼女の肉感的な身体に私は逆らう術など皆無。彼女のセックスは情熱的で激しかった。こうして、私たちの関係は始まり、私たちは非常に歳の離れた恋人となった。そして昨夜も情熱的に交わった。まるで、彼女が「私の中でこの世界の全てを忘れてしまいなさい」とでも言うような、甘く激しく官能的なめくるめく時間が過ぎて行ったのだ。
それで私は今日も眠たいのだ。仕事が終わり、ヤワラートの通りを見ながら、歩いてゆっくり帰ることにした。
一九九五年、バンコック・ヤワラート地区。私の知らない日本企業が多く、ここに拠点を持ち、進出していた。いろいろなサインが目に留まった。SONY, PANASONIC, SHARP, NEC, SANYO, FUJITSU, CANON, TOYOTA, HONDA, VICTOR/JVC, SUZUKI ・・・。私が知っていたのは、NINTENDOと、日本コロムビアレコードくらいだ。前者は、かつては花札やプレイングカードの会社だった。この九十年代は、電脳ゲームによって知られているようだ。
今日は、ガパオライスを夕食に食べることにした。旨そうな店が目に入ったからである。
この町は、ヤワラート。そうは言っても、知らない人も多いだろう。最寄りのメトロ駅はファランポン。この辺りは華人系移民が多い。蔵鷹は、その一角のアパルトマンに期間限定で住んでいた。彼には都市計画の才能があったから、このヤワラートの部分的なリニューアルをも任されていた。ヤワラート・エリアには、多くのアジアからの物産も数えきれないほど流入している。
私はこの町で、驚くべき再会をした。トゥトゥベだ。妻はあのスーソだと言うのだ。五十一歳になっていた。東南アジア及び華人ゾーンでかなり若者に人気の、電子機器製造企業の長になっていた。息子が居るらしい。私はその子、ケンの家庭教師を頼まれてしまった。ケンは十二歳だ。私には何故か、教職という宿命が付いて廻る。帝政時代に、私の曽祖父が教員をしていたことが運命に乗っかって来ているのだろうか・・・。オーストリア・ハンガリー帝国のフランツ・ヨーゼフ一世の時代のことだが。
だが、私は今日丸一日眠たかった。ケンにフランス語を教えながら、うとうとしていた。何故なら、昨夜は明け方迄、私はセックスに明け暮れたからだ。ヤワラートに来てから、よく行くパン屋があったのだが、そこの女主人と恋仲になったのだ。彼女はモニカといった。モニカは四十三歳で二人の子供が居たが、離婚していた。彼女は二十歳の私と倍以上、歳の離れた女だった。
ヤワラート・エリアを含むBKK(バンコック)は、スコールも多い。ある日、夕方ごろだった。夕食用のパンをモニカのパン屋で買った後、帰路に着こうとするや否や、突然のスコールで私はびしょ濡れ。パン屋の軒下に戻り、しばらくスコールを逃れて立っていた。すると、突然のことだったが、私の腕に、しっとりした女性の腕が絡んだ。モニカの腕だった。「ここに居るのも大変でしょ、しばらく中に入って、シャワーもあるから、奥で着替えなさい」彼女はそう言うと、私の手を引いて、店の中に入れ、店のシャッターを下ろした。「まだ少し閉店迄、時間があるけどスコールで客足も遠のいたから今日は閉めるわ」。 店の奥へ行くと、白い簡素な階段があり、それを登り、中二階のような場所がシャワー室だった。モニカは言う、「前の彼氏の置いていった新品の着替えがあるから、それを着たら良いわ」。 モニカはにこりと笑った。
私はシャワーに入った。汗とスコールでずぶ濡れになっていたので、シャワーでさっぱりした。その時、大理石の床になっている、比較的広いシャワー室にモニカが真っ裸で入って来た。彼女の肉感的な身体に私は逆らう術など皆無。彼女のセックスは情熱的で激しかった。こうして、私たちの関係は始まり、私たちは非常に歳の離れた恋人となった。そして昨夜も情熱的に交わった。まるで、彼女が「私の中でこの世界の全てを忘れてしまいなさい」とでも言うような、甘く激しく官能的なめくるめく時間が過ぎて行ったのだ。
それで私は今日も眠たいのだ。仕事が終わり、ヤワラートの通りを見ながら、歩いてゆっくり帰ることにした。
一九九五年、バンコック・ヤワラート地区。私の知らない日本企業が多く、ここに拠点を持ち、進出していた。いろいろなサインが目に留まった。SONY, PANASONIC, SHARP, NEC, SANYO, FUJITSU, CANON, TOYOTA, HONDA, VICTOR/JVC, SUZUKI ・・・。私が知っていたのは、NINTENDOと、日本コロムビアレコードくらいだ。前者は、かつては花札やプレイングカードの会社だった。この九十年代は、電脳ゲームによって知られているようだ。
今日は、ガパオライスを夕食に食べることにした。旨そうな店が目に入ったからである。
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