俺の推し♂が路頭に迷っていたので

木野 章

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左江内編

何をしているのだろうか

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それからの俺は、魂が抜けた様に虚脱した日々を送っていた

朝起きて、スマホで永久停止した公式垢を見て虚無って

身支度をしながら、wedge stoneのオリ曲を流して数少ない琥珀君のパートを何度も聞き直して

出社したらロボットの様にカタカタとキーボードを打つ




涉「おはよう左江内、今日も死んでんなあ!」

左「…おはよう」

涉「コレやるよ、少しは元気だしてけ?」


デスクの横っちょにブラックの缶コーヒーを置いて、隣のデスクに着く涉

…本当、コイツみたいに根っから明るくて多趣味でイケメンだったら

こんな辛い日々送らなくて住んだんだろうななんて、少し嫉妬してしまう


左「…ありがとよ」

涉「良いってもんよ、俺がアニメの推し五連続で死んだ時もお前が慰めてくれたろ?」

左「あぁ~あったなそんなん、あん時のお前の顔未だにツボだわ」

涉「笑うな」


涉はアニメもゲームも楽しむ、誰にでも優しいタイプの真の陽キャだ

ただ、推しにした途端そのキャラがほぼ確実に死ぬっつー呪いみたいな引きの強さで

定期的に情緒がおかしくなっているのを、毎回俺が慰めていたのだ


涉「お前もそろそろこれを機に、俺が勧めてるアニメ見てくれよ~!」

左「あー…うん、気が向いたら……」

涉「琥珀君みたいな地味キャラもいるぜ?そっち推してけよ」

左「琥珀君は地味キャラじゃねーよ!!!天使な!!!!」

涉「いやごめんて冗談だから」




…俺もそろそろ、二次元とか見た方が立ち直れんのかなぁ

俺みたいな人間には新しい推しが必要なのは分かってんだよな


涉は推しが死んでも、毎回新しい推しを探して乗り越えてる

俺もいい加減、琥珀君への依存から抜け出さねぇとな…

…だけど、そうは思っていても

全種類集めたブロマイドも、
今も毎日欠かさず眺めているチェキも、
朝食夕食の時欠かさず向かい合って見つめているポスターも、
自作のグッズも何もかも、

全てを取り去ることなんて俺には出来ないんだ

俺が生きる理由そのものなんだから



そう思ってしまうと、また立ち止まってしまう


琥珀君は、今何をしているのだろうか
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