俺の推し♂が路頭に迷っていたので

木野 章

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左江内編 ②

恐ろしい子だな!!

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肌寒い空の下、八雲さんと外回り

八雲さんが俺の顔を覗き込んで上目遣いで話しかけてくる

…これ渉とか井伊先輩だったら秒でオチるだろうな

引「左江内センパイ、そんな辛気臭い顔してたら取引先さんもヤになっちゃいますよぉ!」

左「ぁ、ああごめんね…」

引「…んふふっ私には分かっちゃいますからねぇ!恋のお悩みでしょぉ?」

左「こ、恋って、そんな……違うよ」

引「オンナの観察眼、舐めちゃダメですよぉ?それに佐江センパイからも聞いちゃってるんですからぁ」

渉アイツ行く先々で言いふらしやがってんな

……俺の思いなんて、恋なんてピュアなもんじゃないしな

付き合いたいとか結婚したいとかそりゃ思うけれど
推しに対する、ただの執着だ…きっと


左「はは、恋だとしても叶わないよ。遠い存在なんだから」

……でも琥珀君が、叶いそうな位の距離に来ちゃったから

俺はこんなにも思い上がってしまうんだ




引「もぉ~左江内センパイ、チャンスがあるならかっ攫うもんですよぉ?」

左「…かっ攫うってそんな」

引「恋は戦争なんですぅ、常に使えるもの使って戦うものなんですよぉ!」


八雲さんがほっぺを膨らませて、ぷんぷんと効果音が付いてそうな顔をして言った

引「取られそうになったら奪う、そんなもんなんですよぉ?例えばぁ~…」

左「わっ!?ちょ、八雲さん何してるの!?」


不意に八雲さんが、俺の片腕に腕を絡ませて胸を押し付ける

柔らかい感触が肘に伝わる…じゃなくてこれセクハラになるだろ!?


左「ちょっセクハラなっちゃうってば」

引「こーやって、ボディタッチ増やすだけでイチコロなんですからぁ♡」


ぱっと離れて、くすくす笑う八雲さん

…恐ろしい子だな本当に!!!
知り合いの誰かに見られてたらどうするんだ…


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