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1章
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しおりを挟むいつの間にか気を失っていたみたいで、再び頬を強めに叩かれた事で意識がうっすら戻れば
『あー起きたぁ?もう満足したからさ帰っていーよ』
なんて先程の男がタバコを吸いながらベッドの傍に立ち言う
"あのまま殺してくれたらよかったのに...."
そんな事を思いながらベッドのそばに散らばった自分の服をとろうと立ち上がれば、足に力が入らずバランスを崩して倒れてしまう。
その拍子に中に出された白いものがドロッと出てきた
俺のそんな姿を見れば男は可笑しそうにケラケラと笑う
悔しくて惨めで思わず歯を食いしばり目の前の男を睨むように見れば『何その顔?ムカつくんですけど。オメガのくせに何か文句?』そう言って持っていたタバコを手の甲に押しつけてきた
熱くて痛くて思わず顔が歪めば満足気にクスクス笑い『さっさと帰ってね』そう言って部屋を出ていく
ふらつく体で何とか服を着ればここへ連れてきた男がやって来てまた目隠しをされ連れていかれる
車に乗りしばらく走れば目隠しをはずされ家の前に放り出される
家の中に入れば力なく座り込む
俺は何度意識を飛ばされただろう
恐怖で泣いてもやめられる事の無い行為は何度繰り返されただろう
そんな事今ここで考えた所でもうどうにもならない
その瞬間まだ残っていたものが後ろからドロッと出てきた
急いで浴室へ向かえば指を入れ必死に掻き出す
終われば隅々まで体を洗うがどれだけ洗おうが感触が消えない、、、
"気持ち悪い気持ち悪い" そう思いながら強くこする
力の入れすぎで痛くなろうが気持ち悪さは消えることがなく残り続ける
"汚い.....きたない、、、"
男の精液がいつまでもこびり付いている気がしてならない
"もうやだ。誰か助けて、、、"
気付けばそんな事を思いながら泣いていた
慌てて暑いシャワーを頭から浴びお風呂から出る
ふと携帯を見れば『今日から3日間は休みくれてやるよ。その後はまたちゃんとやれよ。』そんなメッセージがきていた
"今日から3日間って、、、"
時計を見ればもう既に20時を回っていた
3日後にはまたいつものように身体をうらなくちゃいけない、、、
そう思ったら家にいるのも嫌になり思わず飛び出す。
フラフラとあてもなく歩いていると思っていたが気付けば公園へきていた。
いつものベンチに座れば優人さんの事を思い出す
優人さんの俺への印象は最初こそ最悪だったが一緒に怪我した犬を病院へ連れて行ったあの日から変わっていった
"翌日いきなり食べ物を渡してきた時は驚いたな。俺が甘い物好きだって言ったらシュークリーム買ってきてくれたり。色んな話をして誕生日も祝ってくれて、、、俺の事友達だと思ってくれたのに、、、俺が自分でそれを壊したんだ"
そう思ったら涙がとめどなく溢れてくる
彼を傷つけてしまった
それでも『会いたいな、、、』そう思ってしまう
でも忘れなきゃいけない、、、
その後も家へ帰る気になれなかった俺は一晩公園のベンチで過ごした
翌朝、日が昇るのを眺めていればちらほらとスーツを着た出勤する人達が通り過ぎていく
その姿をぼんやり眺めていればなんだか体が熱くて、、、飲まされた薬の効果が切れていなかったのか.....そう思ったがどうやらその感じではない。
そこで昨日の夜お風呂上がりに髪も乾かさずに家を出たことを思い出す。
いくら日中暖かいと言っても9月の終わり、夜には気温が下がる日も出てくる
"風邪か、、、" すると急にダルさが出てくる
"あぁ結構やばいかも....." そう思った時には座っているのもやっとだった
"帰った方がいいかもしれない" そう思い立ち上がろうとすれば視界がグラつく
それでも何とか力を振り絞り家までの道を急いだ
家に着けば倒れるように布団に横になる
結局休みを許された2日間は起きれることなく風邪で魘される日を過ごした
"明日からはまたあの日々だ...."
そう思ったら憂鬱で少しでも気を紛らわせようと携帯を眺める
SNSの投稿を見ていれば、ある芸能人カップルの番になった事を知らせるのが流れてくる
"番かぁ、、、" ぼんやりそんな事を思いながら番とは?なんて入力して調べる
番とは、アルファがオメガのうなじを噛むことで成立する特別な関係。
"特別な関係か、、、" 俺には出来ることがないんだろうな.....
ふとその下を見れば 運命の番 の文字
"うんめいのつがい、、、" そう心で復唱しながらその先を読む
アルファとオメガの中でも、遺伝子的な相性が非常に強く、運命的に惹かれ合う関係性。
"運命的に惹かれ合う関係性か、、、"
優人さんにもそんな人が出来るのかな、、、
優しくてカッコよくて、、、そんな優人さんのことだ、きっと綺麗で誰が見てもお似合いだと思う人が横に並ぶんだろうな
その姿を想像して胸が締め付けられる
羨ましくて、だけど俺じゃとても無理で
どうしようもなく悲しくなる、、、
"おれ、優人さんのこと好きだ、、、"
本当は前から分かっていた
だけどこの気持ちを認めたところでどうする事も出来ない
こんな汚れた俺じゃ隣に立つ資格なんてなくて
初めから分かっていた事なのに、、、
こんな事ならあの時出会わなければよかった
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