勘当された少年と不思議な少女

レイシール

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 第5章 孤児

第92話 自己紹介

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「そういえば……」
 ふと、さっき女の子が口にした名前を思い出す。

「『アクオス』って、そこの男の子のこと?」

「は、はい。あの子がアクオスで……あーしはティアナといいます」

 なんだか、急に自己紹介の流れになった。

「えーと……別に気にしてないよ。あ、俺はランティス」

「そこの女の人は?」

「……意識がないし、俺がどこまで話していいか分からないからな」

 その時、アクオスがむっとした顔で口を挟んできた。

「ティアナ!なんで勝手に俺の名前を言うんだよ!」

 思わずビクッと肩が跳ねる。

「だって……アクオスっていつも話が脱線するし、自分から自己紹介なんて絶対しないでしょ? だったら、あーしが先に言った方が早いじゃん」

 その一言に、アクオスは口を閉ざし、悔しそうに視線をそらした。

 俺たちの自己紹介が終わり……アクオスとティアナの様子を見ながら、アリーの介護に集中した。

 10分ぐらいが経っただろうか……。

「アリー!大丈夫か!?」
 思わず大きな声を上げてしまった。

「え、えぇ……平気よ。ごめんね、心配かけて……。これは、いつものことだから。だから大丈夫」

「おい、それはトラウマってやつだろ!」
 背後からアクオスが声を飛ばす。

 アリーはきょとんとした顔をして、彼に問い返した。

「あなたは……?それに、そのトラウマって何?」

「そういや、自己紹介がまだだったな。俺の名前はアクオスだ」

「あーしの名前はティアナ!よろしくね」

「わ、私はアリエッタです。アリーって呼んでください」
 二人に続くように、アリーも慌てて自己紹介を返す。

 その様子を見て、俺もつい口を開いた。

「えっと……俺のことも、できればランって呼んでほしい」

 アリーが愛称で呼んでほしいと願ったのをきっかけに、俺も同じようにお願いしたのだった。



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